メールの着信音が鳴った。
ごめんなさい
日曜日、外せない大事な用事が入っちゃった
逢えなくて寂しいです
また今度ね、、、
大好きだよ、カイト❤️
白々しい、、、
怒りより呆れてしまう。
平気でウソをつくオンナ、、、
これが泉の本性なんだ、、、
俺よりも砂田とのセックスを選んだということだ。
分かったとだけ返事をする。
カイトは気を取り直し仕事に集中した。
気がつくと10時を過ぎていた。
一段落ついたし、もう帰るか、、、
そう思ったときメールの着信音。
またかとスマホを見ると智恵からだった。
こんな時間にすいません。
まだお仕事中ですか?
わたしはこれから帰るところです。
このあいだはお食事をご馳走していただき、有難うございました。
高村くんと話が出来て、とても楽しい時間を過ごすことができました。
次に逢える日が待ち遠しいです。
できればもっと長い時間、いろいろお話ができればいいな、、、
連絡待ってます。
おやすみなさい。
心が温かくなる。
人柄が滲み出るような文章、、、
同じ人妻なのにまるで違う。
泉の裏の顔を知ってしまったからか余計にそう感じてしまう。
けれどいいのだろうか、、、
この文面からも自分に対する好意が感じられる。
夫婦仲がうまくいってないのだろうか?
しかもこんな時間まで仕事だなんて、、、
いや彼女は貞淑な人妻だ。
俺のことも、昔を懐かしむ単なる友人に過ぎない、、、
そう思いながら何故か寂しさを感じていた。
待ち合わせの場所に立っていると智恵が駆けてやっ
て来た。
まだ約束の5分前だ。
「待ちました?」
「いいえ、ちょっと前に来たばかりです、、、」
「良かった、、、遅れそうだったんです、、、」
智恵はグレージュのハーフジップコクーンチェニックにブラウンのイージーパンツという出で立ちだった。
初めて見る私服姿だったが上品で清楚なファッションがよく似合う。
嫌味が無く、オットリとした彼女の美貌を更に引き立たせている。
チェニックはゆったりめだが、その豊かな胸は隠しきれてはいない、、、
人妻の色気が滲み出している。
「わたし、、、何かヘンですか?」
「あっ、すいません、、、スーツ姿以外の五木田さんを初めて見たので、、、凄く似合ってますよ、、、あまりにキレイなんで見惚れていました、、、」
「そんな、、、なんだか恥ずかしい、、、でも嬉しいわ、、、高村くんの方こそ、、、凄く素敵です、、、」
カイトはネイビーのボタンダウンにベージュのストレッチチノパンだった。
智恵が恥ずかしそうに俯く。
人妻とは思えないその初々しさにカイトの胸にはトキメキにも似た感情が湧いてしまう。
「本当に大丈夫ですか?せっかくの日曜日なのに、、、」
メールの翌日、無理だろうと思いながらも智恵を誘うと意外にも日曜ならと即座にOKしてくれた。
「夫は朝からゴルフなんです、、、せっかくの休みだったから高村くんが誘ってくれて凄く嬉しいです、、、」
「良かった、、、俺、迷惑だって断わられるんじゃないかとビクビクしてたんです、、、」
「そんなわけないです、、、メール読んでくれたでしょう?」
上目遣いで見つめてくる。
メッチャ可愛い、、、
ドギマギしてしまう。
「どこか行きたいところ有ります?」
「少し離れているけど久しぶりに美術館に行きたいんです。いいですか?」
「もちろんです、、、車拾いましょうか?」
「できれば高村くんと歩いてみたいんです、、、ダメですか?」
「いいえ、構いませんよ、、、」
「良かった、、、」
二人は並んで歩き始めた。
「高村くんて、、、やっぱり凄く背が高いね、、、」
「初めての時もそう言ってましたね、、、」
「ええっ、、、覚えてたの?」
「もちろん、、、」
「そうなんだ、、、」
智恵は嬉しそうだ。
「わたし、背が高過ぎるから、、、その、、コンプレックスみたいな感じで、、、」
「全然そんなことないですよ、、、五木田さんは美人でスタイルも良くて、、、俺は背が高いのもステキだなって思ってました、、、」
「、、、わたしだって、、、」
「えっ?」
「ううん、なんでもない、、、わたし、高校時代、人見知りだったから、、、良く一人で美術館に行ったんです、、、」
「そうなんですか、、、」
「心の中でいつも思ってたんです、、、カッコいい、背の高い男子と歩いて美術館に一緒に行きたいなって、、、」
「意外ですね、、、あのクールな飛澤さん、、、あっ、ごめんなさい、五木田さんでしたね、、、」
「ううん、飛澤でいいですよ、、、あの頃に戻った気持ちになれるから、、、」
「俺で良ければ何時でも付き合いますよ、、、カッコいい男子じゃ無いですけど、、、」
つづく
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