同僚の彼女に別れを告げたカイトはプロジェクトのサブリーダーを任され多忙な日々を送ることになった。
実質的には一番忙しいポジション。
残業も毎日で休日もほとんど無い。
泉との逢瀬も一ヶ月以上途絶え三日前にようやく逢えた。
二人はホテルの部屋に入るなり激しく求め合った。
泉は逢いたかった、カイトに抱かれたかったと言って何度も口づけを求めてきた。
時間を惜しむようにお互いのカラダを貪り合った。
泉はケモノのような声をあげ数え切れないほど何度も絶頂した。
今度はいつ逢えるんだろう、、、
そう思いながらデスクに着くと内線が鳴った。
イベントのスポンサーが挨拶に見えられたとのこと。
応接室へと向かう。
相手はひとり、しかも女性だった。
女にしては背が高い。
170ぐらいか。
派手さは無いがシットリとした雰囲気、色白でかなりの美形。
年は同じくらいか、、、
髪は少し長めのボブでライトブラウン。
スーツの胸元は窮屈そうに張り詰めている。
交換した名刺には係長の肩書、名前は五木田智恵とある。
智恵、、、まさか、、、
記憶が蘇る。
そういえば面影が、、、
「飛澤さん?」
「ようやく気づいてくれたんですか?わたしは直ぐに分かりましたけど、、、」
柔らかな笑顔で見つめてくる。
「これは失礼しました、、、あの頃より益々お綺麗になられて、、、気付くのが遅れました、、、」
「あら、随分お世辞が上手になられたんですね、、、」
「いいえ、からっきしです、、、相変わらずそっちの方は苦手で、、、」
「あら、、、じゃあ、さっきのは、、、」
上品に整った日本人形のような顔立ち。
穏やかな笑みの中に人妻のシットリとした色気を感じる。
「本音ですよ、、、」
思わずその美貌に見入ってしまう。
「高村くんだって、、、あの頃よりずっと男っぽくなって、、、」
智恵の頬がほんのり染まる。
「すいません、仕事でしたね、、、」
「そうね、始めましょうか?」
30分ほどで打ち合わせは済んだ。
短い時間だったが、それだけでも智恵がいかに優秀な社員であるかがハッキリと分かる。
そうだよな、、、
この若さで、しかも女性で、、、あの会社の係長だものな、、、
このプロジェクトを成功させれば自分も係長に昇格する。
出世が一番だとは思っていないが智恵に逢って刺激を受けたのは確かだ。
改めてヤル気が湧いてくる。
「これからも宜しくお願いします」
「こちらこそお願いします」
席を立ってドアに向った智恵が急に立ち止まりカイトに振り向く。
さっきまでとは違い緊張した表情を浮かべている。
「高村くん、、、仕事のこともあるし、、、その、、同じ高校の卒業生として色々お話もしたいから、、、連絡先、交換しませんか?」
「あっ、それいいですね、、、ぜひ、、、」
「ああっ、良かった、、、」
嬉しそうに微笑む。
バリバリのキャリアウーマンとは思えない初々しさに益々好感を覚える。
二人は連絡先を交換した。
仕事は順調だった。
何度かトラブルはあったが迅速に対処しカイトの評価は益々上がっていった。
智恵とも打ち合わせの後、二度ほど食事をして互いの近況や高校の話で愉しい時間を過ごした。
プロジェクトもヤマ場を過ぎ、落ち着きを取り戻しつつある。
3日後の日曜日には泉と逢う約束をして待ち遠しい。
昼の休憩時間、外で食事と会社を出ると同期の砂田に声をかけられた。
つづく
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