34の続きです。
それから数日…相変わらずの前スリットの入った短いスカートの着用を指示され出社を続ける未鈴…。
自席での業務はどうしても自分のノートパソコンに凝視するしかない未鈴は常に蛭間や神崎に見られ続けているのを出来るだけ意識しないようするしかなかった。。
しかし、もはや二人に散々見られた股間ではあるが、やはりスカートの中を覗かれるのは辛い…何も言われない限りなるべくカメラのレンズを避ける様に脚を斜めに腰掛ける事を努めていた。。
【…なんだか変わり映えしないよなぁ…】
【課長、スカートは相変わらず短いけど…こうも脚をこっち向けてくれないとはなぁ…】
【でも俺は課長の太もも拝めてるだけで嬉しいけどな~】
当初は課員たちが散々騒いでいた映像アプリのチャットの賑わいも陰りを見せ始めていたその日の午後も中盤に差し掛かった頃…
自分のパソコンに向かって業務に勤しむ未鈴の顔が一気に強張った。画面は蛭間のセットした映像アプリが勝手に立ち上がり、画面隅に理恵からのチャットが入っている。もちろん理恵の管理者権限による未鈴への個別チャットである。
【課長、ここ数日アタシ課長にお付き合い出来なかったけどご機嫌は如何です~?】
いきなりの見せつけられる映像アプリの自身の姿と理恵からのメッセージに顔も強張る未鈴だった。
【今日は蛭間さん外へ行って居ないし、たまにはアタシが課長のチェックでもしようかしら?】
未鈴は以前、業務中の自席で蛭間に言われるがままにしてしまった時の事を思い出した。業務中、他の課員たちも居る事務所の中、上着を脱いでノーブラのスリルに嵌って感じてしまった時の事を…。
あんな無様な思いは二度としたくはない…必然的に表情を強張らせる未鈴だった。
【課長、そんなキツイ顔しないでくださいよ~いつも怖い顔してる課長にアタシから色々プレゼントを用意したんですよ デスクの中、開けてみれば分かりますよ~】
デスクの引き出しを開けた未鈴は、自分の物ではない見知らぬ化粧ポーチを発見する。中にはいくつかの化粧品が入っている。
【これは…貴女の物なんでしょう?なぜ私の引き出しに…】
【だ、か、ら、プレゼントって言ったでしょ?いつも怖い顔してる課長を変えて上げようかって思ってね さぁ課長、その中に入ってる全部を使って今からそこでお化粧の時間ですよ~まずはチークからいきましょうか?】
今から自分の席でメイクを直せ…? 理恵の意図が理解出来ない未鈴に不安が募る。勤務中に自席で化粧直しだなんて、もし他の誰かのそんな姿を見かけたら以前の未鈴なら間違い無く叱責の対象としているだろう、しかし…
(…今から…ここでメイクを…?そんなの誰かに見つかったら私の立場が無いじゃないの…ただでさえこんな短いスカートでヒンシュクを買ってるかもしれないのに…)
もたついている未鈴に理恵からの催促を急かすチャットが入る。
(…みんな仕事に没頭してるし…なんとか陰に隠れながらやれば見つからないかも…)
未鈴は目の前に並んだファイルブックの束に顔を潜めて化粧ポーチの中のチークを取り出した。手鏡の代わりに自分の顔は正面からPC画面に写し出されている。未鈴はなるべく目立つ動きをしない様に目の前のPCの画面に向かってチークを頬に当て始めた。
(…なによこのチーク…クリームの安物…?やけに濃いし…なんでこんなに使いにくいのよ…これ色が濃過ぎじゃないの…)
【…ねぇ…他に何か無いの…?これ…乗せにくいし濃すぎるわ…】
【あら?もっと濃いのならありますけど、そっちに代えましょうか~?どうなさいます?】
そんな答えしか返ってこないのは未鈴には大体分かっていたが言わずにはおれなかった。やはり言われるがままにするしか他は無い。
理恵のプレゼントと称したの化粧チークは非常に粘度の柔らかいクリーム状のものだった。一度肌に乗せるだけでベットリと付着してしまい、更に拭っても拭ってもなかなかボカせられない。必死でチークを脱ぐい落す未鈴だったが中々綺麗に落ちてくれない。それまでの未鈴のライトなナチュラルメイクはケバい印象へと変わってしまった。
【はいっそれはそこまででOKよっ 次はアイメイクいきましょうか~】
アイライナーもシャドゥも…これも同じ様にビビッド系の濃いカラーの物だった。未鈴は普段と全く違うケバっ気のあるメイクを理恵の指示のまま続けるのだった。
(みんな仕事に集中してて…お願い…誰も気付かないで…こっちを見ないでいて…)
そしてダークカラーのアイメイク…更に濃厚な口紅へと…
そんな未鈴の心中を知る由も無い事務所の課員たちは、自分のPCを凝視し続けていた。誰もが突然おかしな行動を始めた未鈴を怪訝に思っている。
【…なぁ、課長何考えてんだ?…いきなりこんな所で化粧始めちゃってるよ】
【普通トイレとかでやるもんじゃないの? それにもう夕方近くだぜ? こんな時間から化粧なんて普通するかな?】
【そうよねぇ それに課長のメイク…これちょっと派手なんじゃないかしら?】
【派手っていうかケバいわよ~ あっ分かったわ、きっと仕事終わったらご主人とデートなのよっ】
【そっかぁ~、だからってこんな所で気合入れてて色気出してるんじゃないわよ】
【俺はこういう色っぽい課長も好きなんだけどな~ダンナさんが羨ましいぜ】
【何言ってんのよ、課長なんてもうアラフォーのオバさんじゃん メイクで必死に顔のシミ隠してるだけなのよっ】
【そうよそうよっ、画面アップにすると分かるわよっ ここの目尻んとこ染みがあるわよ~っ】
【みんな見てよっ、首元にだってしっかりシワが出来てるわっ】
未鈴がPCに向かってメイクを始めた理由は理恵の指示である事など知る由もない課員たちは、普段からキツく当たられている腹いせとばかりに画面に写る未鈴を隅々まで粗探ししながらチャット内で揶揄を続けるのだった。
当の未鈴には、部下たちが黙々と業務に没頭している姿にしか目に写らず、まさか自分がカメラ越しに皆に見られながら嘲笑の言葉を浴びせられているとは露ほども思っていなかった。
【そういえば、さっき“課長は今日ご主人とテートだ”ってA子さんが言いましたけど…確かそれは違うと思うんですけどね…】
皆の揶揄で画面で賑わう中、理恵が話しを割って加わってきた。
【えっ?何それ、どういう事よ?神崎さん何か知ってるの?】
【知ってるっていうか…課長のご主人って数日前から出張とやらで県外行ってるらしくて当分戻られないはずなんですよね】
【課長がそれ言ってたの?マジ?】
【ええ、課長かそう言ってたんですよ~自宅にはしばらく一人きりだって言ってましたよ】
【じゃあ何で夕方前のこんな時間に化粧始めちゃってるっていうのよ?】
【それはアタシは知りませんけど…ご主人とでは無いと思いますよ~だって出張って言ってましたからね】
【だったら…課長、ご主人の居ない間に、まさか浮気とか…?】
【きっとそうよっ そうに違いないわよっ そうでなきゃ今からこんな化粧なんか始める訳ないじゃないのっ】
理恵の爆弾発言によってグループチャットでは皆の勝手な想像に盛り上がっている。理恵は課の皆のグループチャットと未鈴への個人チャットを使い分け未鈴に指示を出すのだった。
【あら~課長、綺麗なお顔になったじゃないですか~良~くお似合いですよ~】
ダークカラーとビビッド系のメイクで飾られた未鈴の顔は、それまでのナチュラル系から打って変わって妖艶なメイク顔となってしまっている。
(…ちょっとどころか…これはやり過ぎだわ…こんなのどうやって変に思われるわ…)
しかし、カメラ越しに見せる未鈴の無様な痴態はこれから始まるのであった。
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