思い当たる節、、、
それは2週間ほど前。
三人でママ友飲み会をした。
アルコールも進み盛り上がった頃、夜の夫婦生活の話になった。
酔いがかなりまわっていたこともあり、かなり露骨な会話になっていった。
まず優奈が半年以上セックスレスだと愚痴をこぼした。
わたしも似たようなものだ、、、
月に一度あるか無いか、、、
それでも結婚当時はあんなに求めてくれたのに、、、
子供が生まれ、そして成長するにつれ益々回数が減っいく、、、
このままじゃ本当にレスになってしまう。
そしてただ年だけを取っていく。
仕方が無いことだとはいえ、やはりオンナとしての寂しさを感じてしまう。
優奈に相槌を打っていると黙って聞いていた梢が口を挟んできた。
「あら、、、うちは今でも週に2、3回はしてるけど、、、」
「えっ、、、」
「ええっ、、、」
声が重なる。
「うちの夫、絶倫だから、、、本当は毎日でもシタいみたい、、、」
「スゴイね、、、毎日って、、、省吾さんて、、、草食系かと思ってたけど、、、」
「全然違うの、、、それに自分が気持ち良くなるより、わたしをイカせるのがいいみたいで、、、前戯も手抜きしないからメチャクチャいかされて本当にグッタリしちゃうから、、、これ以上はムリって、、、ガマンしてもらってるんだけど、、、」
何気ない口調だけれど明らかにマウントを取りにきてる、、、
「ええっ、、、そんな勿体無い、、、羨ましい、、、」
気付かいないのか優奈が食いつく。
「でもさ、、、わたし達、学生からの付き合いだから新鮮味が無いというか、、、まあイカせまくってくれるから満足はしてるけど、、、」
「イカせまくるって、、、どのくらい、、するの?」
「最低5回はイクから、、、入れてから1時間ぐらいかな、、、」
「ウソ、、、うちなんて、5分だよ、、、」
口にはしないが、わたしのところはそれ以下かも、、、
「それにさ、、、省吾さんて背が高いじゃない、、、やっぱり、、、アソコも、、、」
もう優奈酔い過ぎだよ、、、
話が生々し過ぎる、、、
「大っきいよ、、、メチャ硬いし、、、でもわたしはもうお腹いっぱいって感じかな、、、」
もう完全に自慢話じゃない、、、
「そうなの、、、でも、、、わたしだったら毎日でも、、、あっ、、、だって、、、省吾さん、可哀想じゃない、、、」
取り繕うように優奈が言う。
その顔は興奮のせいか上気していた。
「わたしもそう思う、、、」
思わず口にしてしまう。
「いいの、、、あの人、毎日自分で処理してるみたいだし、、、」
それって、、、オナニーのことだよね、、、
あの省吾が満たしきれない欲望を自分自信で鎮めている、、、
「勿体無い、、、」
小さな声で優奈が呟くのを栞は聞き逃さなかった。
あれは本気だったんだ、、、
それでわざわざジムに来て省吾を誘って、、、
迷ったが栞はあの日のことを省吾に話した。
省吾の信頼に応えるために、、、
そして優奈と間違いを犯さないように、、、
けれど新鮮味が無いとか、もうお腹がイッパイという梢の言葉は言えなかった。
省吾を傷つけたくなかったから、、、
「そんなこと、、、梢が言ったんですか?」
「ええ、、、まあ、、、」
「恥ずかしい限りです、、、酔っていたとはいえ、くだらないことを、、、栞さんもさぞかし気分が悪かったでしょう、、、本当にすいませんでした、、、」
わたしも、、、羨ましかった、、、
そんなこと言えないけど、、、
「いいえ、、、でもこのことは誰にも言わないで下さい、、、もちろん梢にも、、、」
「分かりました、、、言いにくいことを話してくれて有難うございます、、、元々優奈さんを誘う気も無いし、、、でも気をつけるようにします、、、」
「ううん、、、元々心配はしていませんでした、、、省吾さんは梢さん一筋ですから、、、わたし、羨ましいです、、、」
「そんなことありませんよ、、、」
「えっ?」
栞は省吾を見た。
熱の籠もった視線で見つめられる。
「買いかぶらないで下さい、俺だって男です、、、誘われたのが優奈さんじゃなくて、栞さんだったら、、、俺
は、、、」
「、、、?」
視線が絡み合う。
熱く見つめ合う。
俺は、、、何?
聞きたい、、、
凄く、、、
それなのに、、、
「すいません、バカなことを、、、忘れて下さい、、、でも今日は栞さんと二人で話が出来て嬉しかったです、、、じゃあ、俺帰ります、、、」
省吾はそう告げると去って行った。
まだ胸がドキドキしている。
省吾は自分に好意を抱いてくれている、、、
そしてわたしも、、、
信頼して話してくれた、、、
梢ではなく、わたしに、、、
そして優奈が誘っても乗ったりしなかった、、、
その上、もし誘ったのがわたしだったら、、、
明らかにそういうことだ、、、
あんなにキレイな優奈よりわたしを選んでくれた、、、しかも美しい妻の梢を差し置いて、わたしを信じてくれてる、、、
けれど実際に誘われることなどあるはずが無い。
そう思いながらも忘れかけていた胸のトキメキを栞は抑えることが出来なかった。
つづく
※元投稿はこちら >>