「こんばんは、お邪魔します。遅れてすいません…」
「おー、タクマ、こっち座れよ。」
リビングのほうからヒロシが手招きする。
はい、と軍隊の上官にするような返事をするタクマ。
ミホも酒とつまみを持ってヒロシの横に座る。
「あ、奥さん!今日はお世話になります!これ、つまらない物ですが…」
そう言って手に持った袋を渡す。
「あ、これ、駅前のケーキ屋のプリン!わー、ありがとう^ ^」
一気にミホの機嫌が良くなる。
それから酒が進みプリンも食べ終えた頃、
「俺ちょっとトイレ」
と、ミホに目配せをしてヒロシが席を立つ。
「あー、合図だ…」
さっきまでワイワイと騒いでいたリビングは一気に静かになり、少ししてミホが口を開く。
「童貞だって聞いたけど、タクマくんも結構スケベなんだね」
「え!?」
萎縮して縮こまっていたタクマがビックリした顔をしてミホを見る。
「お世話になりますって…手土産も買ったし、これで今日は一発頼むわってことでしょ?」
「いや!そんなつもりで買ってきたわけでは!」
「乗り気だって聞いたけど?」
「乗り気…俺がっすか…?確かにミホさんは魅力的だとは言いましたけど…」
噛み合わない話にミホは首をかしげる。
「旦那からなんて聞いてる?」
「えっと…」
「なによ?」
「口止めされてまして…」
「??聞かなかったことにするから、言って?」
「…はい。えっと、先輩、寝取られにハマってらっしゃるんですよね?ミホさんも…」
「は?そんなわけないでしょ(笑)」
「え!?違うんですか!?」
「旦那は知らないけど、私は違うわよ(笑) で??」
「えっと、2人してハマってて、奥さんが自分のこと気になってるから相手してもらえって…」
「はぁぁー??…まぁそういうことね、分かったわ。アイツ…ただじゃおかない…」
そしてミホはタクマになぜこうなったのかを説明した。
「そうだったんですね…すいません」
「タクマくんが謝ることじゃないわよ、アイツがそもそも悪いんだから」
「いえ、自分も舞いあがっちゃってて…もっとちゃんと確認すれば良かったです…」
「舞い上がる?」
「え…いやだって…ミホさんめちゃくちゃ美人だし…そんな人が自分のこと気になってるなんて…嬉しいじゃないですか」
「美人て^^; 案外口が上手いのね。」
「いや…すいません…ガチです…」
顔を真っ赤にしてうつむくタクマを見て、嬉しくなりキュンとまんこが締まるミホ。
「まぁ、分かったわ^ ^とにかくこの状況をなんとかしないとね。」
「もう何もせずに、先輩が戻ってきたら終わったよ、みたいな感じにすれば…」
「あーダメダメ。アイツあの扉の向こうでこっち見てるから。」
ヒロシがトイレに立った先、リビングとトイレを繋ぐ廊下の扉の向こうに見える人影。
ヒロシは確かにそこにいた。
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