それから一ヶ月ほどが過ぎた。
会社の帰りに部下の君田イズミに声をかけられた。
「村崎課長、これから帰るんですか?」
「イズミ君か、、、ああ、そうだけど?」
イズミの横には北島宏美もいる。
宏美は海斗と同期入社の女子社員だった。
「二人でどこか行くのかい?」
「そうなの明日休みでしょう、、これから二人で飲み会なんだ、、、」
宏美が相も変わらぬ美貌で応えてくる。
身長は170近くありモデルのようなスッキリとした体型をしている。
人目を引く美人で物静かな性格だが、思ったことはハッキリと口にする仕事の出来る女性だった。
主任を任され後輩の面倒見も良い。
海斗とは入社当時からウマが合い、ずっと仲が良かった。
結婚していたが一年ほど前に離婚している。
子供はいなかった。
「そうだ、村崎君も一緒にどう?」
「いや、俺なんかが居たら邪魔だろう?」
「そんなこと無いです。課長も一緒に行きましょうよ、、、」
結局押し切られ、三人で飲むことになった。
イズミは156とやや小柄ながらメリハリの効いたカラダ付きをしている。
特に胸が大きく、可愛らしい顔立ちで性格も明るく朗らか。
人当たりも良く男はもちろん、同性からも好かれている。
アルコールも進み話が弾んだ。
二人は本当に仲が良いようだ。
言葉の端々に信頼関係を感じる。
「あのさ、、、そういえば村崎君も離婚したんだよね?」
「センパイ!」
イズミが宏美を嗜める。
「いいのよ、、、わたし達の仲なんだから、、、ねえ、村崎君?」
「宏美には敵わないな、、、そうだな、俺は別に構わないよ、、、」
「もう吹っ切れた感じ?」
「まあな、、、ぼちぼちかな、、、」
「わたしも経験者だし、、、それ、分かる、、、飲もうか?とにかく飲もう!」
「もう飲んでるし、、、」
「わたしも飲みます!」
三人のピッチがあがる。
そのうちイズミが潰れてしまった。
海斗も宏美もかなり酔っている。
「どうするんだよ、、、お前が煽って飲ませるから、、、」
「この子、一人暮らしなの、、、とにかくわたしの部屋に泊めるわ、、、でもこれじゃ、、、村崎君、手伝って、、、」
二人で何とかタクシーに乗せ宏美のマンションへと向かう。
「帰りたくない、、、課長の部屋に泊まる、一緒に寝る!」
わけのわからない事を言って駄々をこねるイズミを何とかベッドに寝かしつける。
海斗がその場を離れ宏美が皺にならないように服を脱がせた。
「彼女凄いわよ、、、相変わらずボインボイン、、、」
「止めようね、そういう話は、、、」
「あ~、、、羨ましいな、、、」
「俺はなんと言えばいいんだよ、、、ていうか、、、彼女、酔ったらいつもあんな感じなのか?」
「ううん、、、こんなに酔ったイズミは初めて、、、お酒はかなり強いはずなんだけど、、、」
「そうか、、、何かあったのかな?」
「そうだね、、、上司のパワハラとか、、、課長の執拗なオッパイへのセクハラとか、、、」
「してないって、そんなこと、、、」
ジト目で海斗を見つめてくる。
「まあ、信じてるけどさ、、、それより、、何があったのか、そろそろ話してくれてもいいんじゃない?」
「そうだな、、、宏美にだったら話してもいいか、、、ただ余り気分のいい話じゃないぞ、、、」
そうことわりを入れた後、海斗は全てを話した。
「酷いね、、、それなんなの、、、最低、、、」
宏美は憤りを隠さなかった。
「俺、、、高校の時から、初めから騙されていたんだよな、、、」
「それでも、やり直せると思ってたんだ、、、あの奥さん、、、正気じゃないよ、、、」
心から不快感を覚えてしまう。
「相手の男、、、あのニヤけたイケメンでしょう?」
宏美は結婚式で二人に会っている。
「式の後の二次会で連絡先を聞かれたわ、、、奥さんの目を盗んで、、、気持ち悪い、、、もちろん相手にしなかったけど、、、」
「アイツ、、、そんなことまでしていたのか?」
「村崎君の親友だっていうから黙っていたけど、、、殴ってやればよかった、、、いや、今からでも奥さんも一緒に殴ってやりたい、、、あっ、ゴメン、、、元奥さんだったね、、、」
「フッ、、、宏美らしいな、、、でもいまさら殴ってもしょうがないさ、、、結局は俺に見る目がなくて、バカだったということだよ、、、」
「そんなことない!絶対に!」
「もういいんだ、、、それより飲もうぜ、、、酒、あるんだろう?」
「あるよ、もちろん、、、よし、飲もう!」
二人の二次会が始まる。
イズミは目を覚ました。
う〜ん、、、ここはどこ?
自分の部屋ではないのは確かだ、、、
しかもベッドの中、、、
少しアタマが痛い、、、
飲み過ぎだよ、、、
昨日は課長と飲んで、、、
まさか、、、
横を見る、、、
ええっ、、、隣に、、、布団を被って人がいる、、、
慌てて自分のカラダを確かめる。
服は脱がされていて、、、でもショーツははいている。
ブラは、、、ホックが外されて、、、オッパイが剥き出しになってる、、、
記憶がない、、、
でも服を脱がされた記憶はかすかに、、、
もしかして、、、
いやきっと、、、
カアッと顔が熱くなる。
わたし、、、課長としちゃったんだ、、、
嫌な気分はまるでしない。
ずっと憧れていた上司だって。
いつも優しく、ミスをしても一方的に叱りつけたりしない。
他の部下に対してもそうで、部下にミスがあっても課長が自ら責任を取り、上手くいったときは手放しで褒めてくれる。
そんな海斗に対する憧れが、いつしか異性への好意へと変わっていた。
わたし、、、乱れちゃったのかな?
恥ずかしさが込み上げる。
けれど記憶にないことが寂しい気持ちも感じさせていた。
どうせ一度しちゃったんだもの、、、
もう一度、、、
今度はちゃんと忘れないように、、、
イズミは布団に潜り込み課長にしがみついていった。
「課長、わたし恥ずかしい、、、でも、もう一度抱いて下さい、、、イッパイして下さい、、、」
上司の胸に触れる、、、
柔らかい、、、
ええっ!これって、、、オッパイ?
「んっ、、、んんっ、、、、あれ、、、なに、、イズミちゃん、起きたの?」
それは宏美だった。
つづく
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