「その前に純也、、、お前、俺に隠していることは無いか?」
「はあ、、、いきなりなんだよ、、、親友のお前に隠し事なんてあるはずないだろう、、、」
純也はにべもなくそう断言する。
「そうか、、、じゃあしょうが無いな、、、これを見てくれるか?」
「なんだよこれ?」
純也は手渡された書類に目を通し始める。
その顔色が見る見ると青ざめていく。
「こ、これは、、、」
「なんなの?」
「わたしにも見せて、、、」
真里奈と詩織が左右から覗き込む。
それは興信所の調査報告書だった。
ここ一ヶ月半の純也と真里奈の密会が事細かく書かれていた。
合計で7度、お互いの自宅で2回ずつ、あとの3回はラブホテルで逢瀬を重ねていた。
「えっ、、、あっ、、、これは、、、」
真里奈は血の気が失せ、まともな言葉が出てこない。
「なんなの、、これって?」
詩織は唖然として海斗を見つめてくる。
「興信所の報告書だ、、、俺が調査を依頼した、、、」
「こんなの、、、ウソ、、でしょう?」
「俺だって信じられない、、、でも裏切られてた、、、」
「違うんだ、海斗!」
「そうよ、、、違うの海斗、、、誤解しないで、、、」
「俺たちは、、その、お互いの事を相談をしてただけ
なんだ、、、」
「ラブホとか、、、二人きりでか?」
二人は明らかにうろたえている。
「ヘンなことはしてない、、、人に聞かれたくなかったの、、、それだけよ、、、浮気なんて絶対してない、、、」
「そうなんだ、本当にそれだけなんだ、やましいことは何ひとつしてない、、、信じてくれ、、、でもホテルは軽率だった、本当にすまない、、、」
海斗は懸命に弁解する二人に今度は写真を突きつけた。
「これはやましいく無いのか?」
肩を抱かれ腰に手を回してホテルに入る写真、、、
ラブホから出て熱く抱き合い口づけを交わす写真が何枚もある。
「これ、、、キスしてるじゃない、、、」
詩織の声が震えている。
「違うんだ、、、詩織、、、これは、、、ふざけて、、軽いノリて、、、」
「そうよ、詩織、、、ふざけてただけなの、、、本気じゃなくて、、、」
「何言ってるの?ひとをバカにしないで、、、」
「すまなかった、俺が悪いんだ、、、少し浮かれて調子に乗って、、、軽い気持ちでしてしまった、、、でもこれだけだ、、、男と女の関係にはなって無い、、、信じてくれ、、、」
「ごめんなさい、、、わたしもいけなかったの、、、でも彼の言う通りよ、、、二人とも信じて、お願い、、、」
「何を、、、キスだって男と女の関係じゃない?浮気じゃないの!」
こんなに取り乱している詩織は見たことが無かった。
「すまない、、、でも、、、」
「二人とも、、、まだしらを切るつもりか?」
「海斗、本当に悪かった、、、でも俺たち親友だろ、、、信じてくれ、、、」
「親友か、、、最低だな、純也、、、」
海斗はノートパソコンを開き録画ファイルを再生した。
つづく
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