続き・・・
陽だまりの午後だった。
「美咲さん、今日は日差しがやわらかいな。昼寝にはもってこいだ」と声をかけられた。
美咲は静かに「……そうですね」と俯き、心の中で「嫌だ…昼寝だなんて嘘に決まってる」そう呟いた。
十二年前の記憶までもが胸の奥でざわめき始めた。村田は当時町で唯一の産婦人科医院を経営していた。美咲の出産に立ち会ったのも村田である。しかし家政婦を命ぜられるようになってから、あの分娩台の上で開かれた秘部に向けられていた妙に長い時間の視線や、必要性が曖昧だった帝王切開について思い出し、心に複雑な不安の影を落としていた。
そして、その帝王切開で刻まれた大きな痕は今も消えず、誰にも見せられない場所に残っている。
村田が「布団を敷いてくれるか」と命じている。何かあっても助けはないし、抵抗することも許されないだろう。
押入れから布団を取り出しながら、美咲はその帝王切開の痕が疼く気がした。布団を敷き終えると、村田は腰を下ろし、手で隣にくるように美咲を促した。
「やっぱり…」悲しかった。
「お前もここで少し休めばええ」
「いえ、先ほど頼まれた仕事が…」
「働き詰めは良くないぞと言ってるんだ。あれはそんなに急がん仕事じゃ。体を休めることも、これからは毎日の仕事だとわきまえよ」
美咲はためらいながら腰を降ろした。
「上着を脱がんか。それじゃ寛げんじゃろ」
「このままで平気です」
「重たいだろうと言ってるんだ。肩こりにもよくないぞ」
村田に襟元に軽く触れられ、美咲のカーディガンが肩から滑り落ちた。守られていた布地がなくなり、心が少し心細くなる。続けてエプロンも外され、掛け布団がそっと肩にかけられた。
「ほら、身軽になったじゃないか」
「……はい」
温もりよりも、胸の奥は重さを感じた。
この人は出産の事を考えると恩人とも言える。それでも今、この瞬間の身体の近さに戸惑ってしまう。
そして、この布団の中で、一つひとつ上着のボタンを外されていく。美咲は何か言いたくても声が出なかった。ブラを残して衣服が剥ぎ取られた。
スカートのホックを外され、膝まで降ろされた。そして、あの消えない大きな帝王切開の痕の存在を確かめるように村田は秘部の上を撫で回した。
村田が当時の話を始めた「入院中、よく母乳マッサージをしてやっただろう。久しぶりにやってみるか」
「あのときは何とか母乳が出るようにって、痩せてて心身共に辛くて、していただいて助かりました。おっぱいも良く出るようになって感謝していました。今は何だか歳と共に大きくなっちゃって…」と話を返していた美咲だが、余計な事を言ってしまったと言葉を止めたが遅かった。
「ほほう、どれどれ大きくなったおっぱいをマッサージさせてもらえるか。遠慮はせんで良いからな」と手を伸ばしてきた。
マッサージは直ぐに愛撫まがいになり、抱き寄せると村田は美咲の乳首を咥え、激しく吸った。
「こんなのマッサージじゃありませんわ…」何も抵抗は出来なかった。
乳房を揉まれながら、美咲は分娩台の上で開かれた状態で、確かに村田が秘部に触れていた、慌ただしい中「楽になりますよ」と言われ、抵抗もできず、美咲は何かを受け入れた。
「そうだった…」忘れようとして記憶から消し去っていたあの瞬間が蘇った。今も同じように断れず、村田の手がそっと触れてきた。抱かれている温もりが、背筋の緊張を緩める一方で、掛け布団の端を握りしめたまま、美咲は必死に堪えていた。
「少し冷えているな」
布団の端を直す腕が美咲を強く抱きしめた。その後、乳房や秘部に向けられた非難できない所作は、美咲の全身を責め立てた。もう美咲は立て続けに押し寄せる安堵にも似た感覚と、逆らう力を失った戸惑いで、思わず村田の腕をつかんでいた。
「ごめんなさい…」
「いいんだ。安心してすがるが良い」
身体の奥に温かさが満ちる一方で、その温かさを受け入れてしまった自分への後悔が芽生えていた。分娩台の上で秘部を開かれた時、「何かを受け入れても何も言えずにいたのは、…この感覚を感じていたから?」美咲は心の中で呟いた。
力が入らず起き上がれなくなった美咲の帝王切開の痕を村田は笑みを浮かべて擦っていた。「あの時から永遠に消えない焼き印をお前につけたかったんだ」
「人と人は助け合って生きるものだよ」 「……はい」
障子越しの光が傾き、影が長く伸びる。昼寝という穏やかな名目の下、二人の間に過去と現在の気持ちが繋がった。今日、生々しい時間の中で起きたことは、村田が美咲の秘部から抜いたダラリとした長いものの後に、トロッと溢れ出たものが物語っていた。
「なぜ…中出しを許してしまったんだろう」
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