5、岩陰の欲望
テントの中では翔太と亜里沙が向かい合って座っている。会話は自然と弾み、亜里沙は
翔太の話術に笑いをこぼす。
亜里沙「そろそろ日焼け止め、塗り直さないといけないわ」
翔太は手を差し出してにっこりした。
翔太「塗ってあげますよ」
少し照れた顔で頷く亜里沙。翔太はテントの隅にタオルを敷かせ、亜里沙にうつ伏せに
なってもらう。
翔太はクリームを取り、背中から肩へ、丁寧に塗り広げていく。手の動きが穏やかで、
亜里沙は目を閉じて息を漏らした。
亜里沙(心の声)「気持ちいい……」
翔太手は腰まわりをそっとなで、Tバックのラインに沿って軽く触れる。
亜里沙の呼吸が少し速くなる。
亜里沙はこわごわ手を伸ばし、翔太の腿に触れた。
「ここ……欲しい」
小声で呟くと、顔を横に向けて伏し目がちに言う。
翔太は頷く。
亜里沙が日焼け止めを塗り終えた頃、翔太はタオルを畳みながら、
ふと彼女に目を向けた。視線が絡む。言葉は交わされないが、
互いの胸の奥にあるものが、静かに波打っていた。
「……外に出ようよ」
その声は穏やかだったが、どこか熱を帯びていた。
亜里沙は一瞬だけ迷うように目を伏せ、それから小さく頷いた。
「うん……」
翔太は歩き出す。亜里沙はその背中を追いながら、心の奥に沈んでいた欲望が、
ゆっくりと浮上してくるのを感じていた。
亜里沙(心の声)「このまま、流されてもいい……」
岩陰へ向かう道は、誰にも見られない小径だった。
翔太は振り返り、亜里沙の目を見つめる。そこには言葉よりも強いものがあった。
「ここなら……誰にも見られない」
亜里沙は唇を少し開き、何かを言いかけてやめた。そして、そっと翔太の股間に触れる。
「……お願い、ちょうだい」
その声はかすかだったが、確かに翔太の胸に届いた。
岩陰に身を寄せると、亜里沙はそっと両手を岩肌についた。潮風が髪を揺らし、
波音が静かに耳を打つ。翔太はすぐ背後に立ち、彼女の動きに戸惑いながらも、目を逸らさずにいた。
「いいんだね?」
と、翔太が低く尋ねる。
「早く…来て」
と、亜里沙は振り返らずに答えた。
翔太は彼女の腰に手を添え、そっと引き寄せる。水着の布の脇から指先が滑り、彼女の花びらに触れる。
亜里沙は小さく息を漏らし、波音にその声が溶けていく。
翔太の動きは慎重だった。だが、次第にその手は確信を帯び、亜里沙の身体に寄り添うように動いた
。彼女の肩が震え、岩に置いた手が力を込める。その瞬間、二人の肉体が結合した。
「ああ…」
その声は、波にさらわれるように消えていった。
翔太は彼女の腰を支えながら激しく動いた。亜里沙の背が反り、髪が海風に舞う。
「あっ、うぅぅ、ひいぃぃ・・・もっと、もっと・・・チンポいい。チンポいい・・・」
二人の影は岩陰に溶け、誰にも見えない場所で、ただ波と風だけがその存在を知っていた。
「イク、イク、イク、イク・・・・・・・あぁぁぁぁ・・・・」
亜里沙は力を抜き、翔太の腕に身を預けた。
「すごく…よかったわ」
と、亜里沙が囁く。
「大丈夫か?」
翔太が優しく尋ねる。
「うん…」
と、彼女は微笑む。
翔太は彼女の肩を抱きながら、遠くに見えるテントを指さす。
「みんなが心配するから、戻ろう」
二人は静かに岩陰を離れ、波打ち際を歩いていく。誰にも知られないまま、
海だけがその記憶を抱いていた。
――しばらくして、ふたりは手をつないだままテントへと戻る。
テントの前では、真帆が悠人を膝にのせ、冷えた飲み物を楽しんでいた。
「どこ行ってたの?」
真帆が心配そうに尋ねた。
亜里沙(少しはにかみながら)「トイレに行ったら長蛇の列で……翔太さんが裏手の
トイレに案内してくれたの」
「そうだったんだ。ありがとうね、翔太さん」
「いえいえ。それより、今晩は別荘の前でバーベキューをしませんか?」
真帆と亜里沙は顔を見合わせ、笑顔で頷いた。
真帆・亜里沙「いいね、楽しみ!」
つづく
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