3、浜辺の誘惑
「こんにちは、暑いですね」
亜里沙はすぐに反応する。
「こんにちは〜、ほんと暑いですね。海、気持ちいいですよ」
悠人は真帆に視線を向けながら、少し照れたように言う。
「お子さんたち、元気ですね。うちの甥っ子も、あんな感じです」
翔太は亜里沙に目を向け、少し挑発的に言う。
「ママさんたち、ビキニ似合ってますね。なんか、モデルさんみたい」
亜里沙は笑いながら髪をかき上げる。
「そんなこと言っても何も出ないよ〜」
真帆は少し頬を赤らめながら、視線を逸らす。
二人の男性は、それぞれの心の中でターゲットを定めていた。
悠人は真帆の控えめな笑顔に惹かれ、翔太は亜里沙の奔放な雰囲気に興味を持っていた。
「となり、いいですか」
翔太が亜里沙に問いかけ理と彼女は笑っていった。
「いいけど、私たちおばさんだよ」
すこしして翔太と悠人が日よけテントを持って戻ってきた。ふたりは隣にテントを
立てながら、軽口をたたいている。
「これで日差しが和らぐね。」
しばらくすると、真帆と悠人はテント近くの浅瀬で、子どもたちとビーチボールを
使って遊び始める。
子どもがボールを追いかけるたび、真帆はまるで十代に戻ったように笑い声を上げる。
悠人ははしゃぐ真帆を見ながらボールを投げ、弾む胸の動きに一瞬だけ目を留めた。
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