「ねぇ、ママ。ちょっと来て」
休日の午前、夫は出かけ、息子もバイトでおらず、娘と二人の家で、娘の部屋に呼ばれた。
「ちょっとこれ見てよ」
見てみるとあのサイト“ママさん限定ミスコン投稿”の運営会社からのメールで有料会員に無料招待したいという内容だった。
「何これ?どうせいたずらメールでしょ?」
そういう私に娘は「ううん、ちゃんとしたメールだよ。調べたもん」と。
私よりうんと詳しい娘が言うなら、きっとそうなんだろうと思い、二人でアクセスしてみた。
そこはいつものサイトに似ているけど、少し違っていて会員同士チャットやメールで交流ができるようだった。
「あ!緑おじさんだ!ねぇねぇ、ママ。いつもコメントくれる緑おじさん、知ってるでしょ?」
「知ってるも何も…ってちょっとやめなさいよ、待って待って…」
緑おじさんのハンドルネームは見たことがあるようなないような、それくらいかな…そう思っていると娘はどんどんサイトのいろんな所にアクセスし、コミュニティに入ったり、チャットに参加したり。
急にメッセージボックスが開いた。
”ワキオバサンファンさん、こんにちは。緑おじさんです”
急に話しかけてきて、ドン引きする私を他所に娘は会話を進めていく。
”こんにちは、緑おじさん。いつもコメントくれてありがとうございます”
…
…
「危ないことはしないでね。ママの写真なんだからね。それと程々にして勉強もちゃんとしてね」
楽しそうにしている娘の邪魔をしたくないけど、守るべきは守らせないといけないので小言を残して娘の部屋を後にした。
数日後、夫と息子がまだ帰ってきていない夕方、私はまた娘の部屋に呼ばれた。
「ねぇねぇ、ママはどっちがいいと思う?」
そういう娘はブラジリアンビキニの通販サイトに載せられている水着を見せてきた。
「何よ、これ。あなたにはまだ早いよ」てっきり娘が着るものと思いながらも、小柄で華奢な娘には似合いそうにないのでそれとなく言うと
「私じゃないよ、ママが着るのよ」娘が返す。
「はぁ?私?無理無理。もう40過ぎよ」
「大丈夫よ、外国だったら全然着てるらしいし、似合うよ。緑おじさんもそう言ってたから」
「え?どうして緑おじさんが出てくるのよ?」危ないことになっていないか心配する私に
「大丈夫よ。そういうのじゃないから。すごくいい人よ。色々お話ししてね。ワキオバサンが実は私のママだっていうのも言ったの」
そう一気に言う娘は続けて
「それでね、あのサイトで投げ銭あげるから水着買おうってなってね、それでママに聞いているの。緑おじさんはママならブルーが似合いそうって」
「私は中学生の男の子で、ママは35歳ってことにしたからもしものことがあっても大丈夫」
「そんなの要らないから断りなさい!ママもそんなの着るの嫌よ」
叱りながら言う私に娘は
「もう投げ銭貰ったから返すのは無理よ。それにせっかく貰ったんだからちゃんと買って、それを見せてあげないと失礼でしょ?ママもいつもそういうじゃない!」
頭の回転が速い娘には叶わないし、水着を見せられて可愛いかもと思った私はしぶしぶブルーのブラジリアンビキニの購入を承諾した。
「ちゃんとお礼を言っておくのよ」そう捨て台詞を残すのが精いっぱいだった。
「あなた。じゃ、今日はさとみと出かけるから家のこと、お願いね」
土曜の朝早く、娘と私はまだ半分寝ている夫に出かけることを告げ、家を出た。
行先は家から1時間近く先にあるビーチ。
遊泳期間が終わった9月のビーチは人影はほとんどなかったけど、残暑があって水着で膝くらいまで浸かっても咎める人はいそうになかった。
家で着てきた水着の上に羽織ったワンピースを脱ぐと、バストやお尻がこぼれるようにはみ出している気がして恥ずかしかった。
「ねぇ、こんなの着て大丈夫かな?変よね?」
弱気な私に娘は「大丈夫よ。すっごくセクシーだから。ねぇ海のほうに行こうよ」履いているハーフパンツをたくし上げながらスマホ片手に海に向かった。
「ねぇ、ママ。そこにしゃがんで」
「次は片膝ついて」
…
「じゃ~次はね、ちょっとマスク着けて。それでね、腰まで海に入って」
「うん、いいと思う。すごく綺麗。髪をかき上げて脇を見せて」
「そうそう。いいわ。キレイ」
まるでプロのカメラマンのように指示する娘の言われるままポーズをとる私はいつの間にか段々と恥ずかしさもなくなっていった。
しばらく海の中でじゃれあう様に撮っていると娘が
「ちょっと肩紐の乱れを整えて」
…
「そうそう、今度は胸元を見ながらもう一回」
…
「うんうん、もう一回」
言う通りにして、この日の撮影会は終わった。
次の日、娘と二人の家で、撮った写真を確認して、使っていいものと悪いものを選別していると
「これはダメ?」
娘が一枚の画像を見せた。
ビキニトップを整えようと肩紐を引っ張る私のマスク越しの横顔と引っ張ったビキニトップと素肌の間から薄茶色の大きめのぷっくり乳輪とパチンコ大くらいの大きめの乳首が露になっていた。
「それはちょっとだめじゃない?恥ずかしいよ」
そういう私に娘は
「え~、大丈夫よ。マスクしてるし、ママだってわかんないし。ね?お願い。これっきりにするから…お願い」
いつものように娘に押し切られて、の部屋で画像を確認し、私たちは画像を投稿した。
”ワキオバサンをビーチで発見!!笑”これもいつものように娘は楽しそうにコメントを打ち込むとまたコメントが次々に入った。
”ワキママおっぱい見えた!!”
”生活感満載のおっぱい”
またすぐにすごくたくさんの恥ずかしいコメント…
満足しつつ、恥ずかしくて私は逃げるようにリビングに行った。
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