「ねぇ、本当に誰か来たらどうするつもりだったの?」
女がそう聞いてきたのは公園を出て少し歩いた頃だった。
便所からここまで歩き、改めて自分がどんな場所で何をしたのかを思い知ったのだろう。
確かにあの声は便所の周囲に響き渡っていたはずだ。
公園に棲みつく浮浪者くらいになら聞かれててもおかしくない。
「まさか、本当に私を抱かせたりした?」
「もちろん」
「相手が浮浪者でも?」
「汚いチンポを舐めさせたよ。旦那以外の男の肉便器になるような変態女にはお似合いだろ?」
わざと下品な表現を使ったが、それで正解だったみたいだ。
女は不安そうな顔のまま小さく鼻を鳴らして喘いだ。
肉便器と呼ばれ、変態女と罵られるのが癖になってきているのが ありありと伝わってくる。
「ちょっと怖い」
「でも、興奮する」
「できるかな」
「唇が触れた瞬間、ベロベロと舐め始めるさ」
「いやらしい女ね、私」
「淫乱で変態なマゾだよ。人妻なのに肉便器で、俺に命令されたら何も逆らえない」
そう言って、俺は女に向かって手を伸ばした。
怪訝そうな顔で俺を見る女に、わざと力を込めた声で「脱げ」と命令する。
目の前には目的地である女の住むマンションが遠くに見えていた。
あと5分も歩けば到着するだろう。
エントランスの光がここからでも見える。
「え、だめよ、こんな場所じゃ・・・」
女はコートの前をギュッと握りながら懇願するような顔で俺を見たが、俺は伸ばした手を引いたりはしない。
女の目を見つめ、女がコートを脱ぐまで手を揺らして催促する。
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