久美子を見つけたのは それから2週間も後、またしても偶然に助けられてだった。
その日もいつものように家を出て佐藤の最寄り駅を目指して電車に乗ったのだが うっかり乗り過ごしてしまった。
気が付いた時には目的の駅よりも3つも先の小さくて寂れた駅に着いていて、慌てて電車を降りた俺は連絡橋を通って反対側のホームに行き、自分のドジと時間のロスに残念な気持ちになりながら早朝ダイヤの長すぎる待ち時間を潰すためにホームの端にあるトイレに向かった。
んっ・・・・んっんっ・・・んっ・・・
んんっ・・・・んっ・・・・んっ、んんっ・・・・
扉に手を伸ばそうとした俺の耳に、息が鼻を抜けるような音とクチュクチュと何かを掻き回すような音が聞こえてきた。
早朝の小さな駅のホームにはありえない、卑猥で熱のこもった音に俺は全身がカッと熱くなるのを感じた。
んっ・・・んっ、クチュッ・・・・んっ・・・・
クチュッ・・・・んっ、クチュッ・・・クチュッ・・・・
心臓がドクンドクンと跳ね熱くなった顔が汗ばんでいった。
俺は物音をたてないように慎重に移動しながら、ゆっくりと小さな木造のトイレに近づいていった。
そして落ちていた木の板を積み上げ、空きっぱなしになっていた明り取り用なのだろう天窓にカメラを起動させた携帯をゆっくりと差し込んでいった。
※元投稿はこちら >>