立体駐車場に停めた車の中で、静かにゆっくりと息を吐く。
何時間そうしていただろうか、辺りはもう真っ暗だ。
さっきからずっと人の出入りもない。
人気は全くない。
けれど、安全とは言い切れない。
ポツリポツリと停まっている車のどれかの中に我慢している男が潜んでいるかもしれない。
深夜まで仕事だった男が、今まさに車をとりに向かっているかもしれない。
安全とは言い切れない。
なのに、私の指はブラウスのボタンを外していく。
こんな事は しちゃいけない。
このままじゃ、いつか取り返しのつかない事になってしまう。
そう分かっているのに、私はブラウスを助手席に置くとスカートのチャックに指をかけた。
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