「・・・も・・・・・もしもし・・・」
恐る恐る携帯に話しかけた。
俺の声に答えるのは妻であってくれ。
何があってもいい、妻の・・・美代子の声が聞きたい・・・そう思いながら話した俺を絶望感が襲ってくる。
「ん?あぁ、繋がったか・・・もしもし?これって旦那さんかな?」
それはメールの文面で感じた通りの横柄さと自信に満ち溢れた声だった。
その言葉を聞いただけで、電話の相手が旦那と確証していないのに勝手に掛けている事が伝わってくる。
なんて傲慢で自分勝手な対応だろう。
俺どころか妻の都合や立場すら微塵も気にする様子がない。
俺は憤った。
けれど、口から出た言葉は俺の心情とは全く違ったものだった。
「・・・あ・・・あ、はい・・・その・・・妻の・・・美代子の旦那です・・・」
何とも情けないセリフだと自分でも思う。
声色も態度もたいそう情けなかっただろう。
それは電話の相手・・・コージと名乗る人妻の寝取りを趣味としている絶倫男の声にならざる雰囲気で伝わってきた。
・・・はっ・・・
俺にはその音が伝わってきた。
俺の興奮と緊張は一気に高まったが、もちろんコージはそんな事を気にするはずもなく そのままコージは話し始める。
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