14.
金曜の午後18時半。俺達とヨーコの居る営業所の丁度中間辺りの町。
お互いに滅多に寄らない所で、マスクもしてるから顔もバレないだろうと待ち合わせ。
事前にリサーチしてみたら結構良さ気な御飯や呑みの店もあったし、週末の夜デートに便利だなと感じた。
(ホテル街も近かったしね。)
で、二人共久しぶりだって事でお好み焼き屋さんで食事しながらお話し。
「雄さん。真理ちゃんは元々細かったけど、その時に見てオッ!って思ったんでしょ?」
「第一印象はね。(笑)」
「じゃ、やっぱり私みたいのよりウチの恭子ちゃんとかの方が細いし美人で可愛いし好みなんじゃ無いんですか?」
「それがね。確かに若い時はそうだったかもだけど、いつの間にかタイプも変わって来ちゃうんだよね。(笑) もう、今はヨーコが居てくれるから他なんて興味も無いけどね。」
「真理ちゃんは?」
「あれは腐れ縁。(笑)」
「私、昔からこんな体型で学校でもデブキャラでコンプレックスだったんです。」
「デブなんかじゃ無いの。ムッチリなの。それが良いから今は他の連中もヨーコの事をお気に入りだって奴ばかりだろ。」
「そんな事は無いですけど… 」
「だって、花見の時だって皆ヨーコと話しがしてみたくって行ってたんだから。」
「でも、雄さんは来てくれ無かったじゃないですか。」
「アレは近付く隙が無かったから諦めてただけなの。(笑)」
「じゃ、私と一緒だったんだ。」
「どういう事?」
「前に言ってた事あるでしょ。雄さんの事をイイなと思ってたって。で、お花見の時に喋れるかなって思ってたら何だかんだと皆さんに話しかけられて、雄さんの方をチラッと見るとお仲間さんで楽しそうにされてたんで、お邪魔も出来ないかなぁって。」
「あの時モテモテだったもんな。(笑)」
「いや、モテてはいませんけど… そうか。考えてみたらそうですよね。」
「何が?」
「私も昔はアイドルが好きだったのに今や枯れ専ですから、年相応にタイプって変わりますよね。」
って話しをしながら店を出て肩を並べて歩く。
「雄さん。」
「ん?」
「手、繋いで。♡」って甘えてくるのが可愛い。
「私。こうして雄さんと歩いてるだけでもホントに嬉しい。♡」って言葉にこちらも嬉しくなって肩を抱き寄せる。
頭をもたれかけてきたヨーコから小さくだけど
「好き。♡」って声が聞こえた。
調べておいたら半個室でカップルシートみたいなBARがあったので寄り添って呑みながらお話し。
「私。いつも雄さんに出して貰ってばかりじゃ無いですか。お小遣いってどれ位使ってるんですか?」
「さぁ?そんなの時によって色々だから気にした事が無いな。(笑)」
「前に真理ちゃんが言ってたけど、闇って一体何をされてたんですか?」
「知りたい?」
「聞かせて貰えるなら… 」
「大した事じゃ無いよ。知り合いが温泉街のオッサン向けの派遣コンパニオンってのをやっててさ。それでホテルやマイクロバス(運転手付き含め)の手配もして。まぁ、仲介業者みたいな事をしてたんだよ。」
「へぇ~。」
「結局。コロナのせいでダメになっちまったけどな。(笑)」
「やっぱりコロナなんですよね。ホント何もかもダメになりましたもんね。」
「アッ!そうだ。今度、温泉旅行しようよ。全然有名じゃ無い所だけどね。」
「ホントですか?」って嬉しそうに頬っぺにChu!ってしてくれた。
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