都内某所にある「たちばなレディースクリニック」。
院長でレズビアンの橘加奈子は、夫婦問題の専門家として最高の名医と噂されていた。
長年のセックスレスに悩んできた浩司と美咲夫婦は、藁をもつかむ思いで彼女の門を叩いていたのだ。
この日は浩司が加奈子から問診を受け、美咲は別室で複数のレズビアンたちから性的な治集中療を受けているのだった。
「チュッ、チュ〜〜〜ッ」
「んふうっ…」
隣から聞こえてくるキスの音や、「素敵よ、美咲さま…もっと楽しんで良いのよ」という甘い会話。そして美咲の「ああっ、また…!」というくぐもった嬌声が、問診中の浩司には気になって仕方ない。
「ところで先生、あの、そろそろ美咲と…その、夫婦としてのセックスを…」
浩司は言葉を濁しながらも、切実な願いを口にした。加奈子によってレズビアンとしての才能を開花させた美咲は、以前にも増して美しく、たまらなく性的な存在に映る。そのおかげでED気味だった浩司の勃起力はたちまち回復したどころか、美咲に対して重度の慢性的な勃起症とも言える状態なのだ。
「アアッ、また変になるっ…」
隣室から診療ベッドがガクガクと振動する音と、何かがプシューッとしぶく音がした。そして、美咲の呼吸を塞ぐエロチックなキスの音。
そんなときでも加奈子はカルテから目を離さず、冷静に答えた。
「浩司さん、まだたった2ヶ月ですよ。長年のセックスレスで美咲さんが受けた心の傷は、そう簡単に癒えるものではありません。奥様が味わうべきレズビアンの性生活は、1年や2年では到底足りるものではないんです。」
隣室から今度は、パンッ、パンッ、パンッ…と肉と肉がぶつかり合う音がし始めた。
「あうっ、そんなに奥まで愛されたら、私また…」
美咲のつらそうな声だった。
加奈子は続けた。
「そもそも、美咲さんを傷つけたのはあなたの男性としての無能さです。たった2ヶ月の禁欲で音を上げるのは早すぎます。本当に美咲さんを愛しているなら、どんな禁欲でも耐えられるはずですよ」
浩司は反論しようとしたが、加奈子の言葉に圧倒され、言葉を失った。
美咲の相手が代わったのか、静寂の中、ピチャピチャという、何かを出し入れするときの連続音が浩司に聞こえてくる。
「ンンン〜〜〜ッ!」
美咲はこみ上げてくる何かを必死にこらえてるようだった。
「それに、あなたは美咲さんを不感症だと決めつけていましたね。しかし、今もお聞きの通り、彼女は女性同士の同性愛において、非常に豊かな性感の持ち主であり、美咲さんはレズビアンとしての素晴らしい才能を秘めています。あなたの無理解が、どれほど彼女を傷つけていたか、想像できますか?」
浩司は顔を赤らめ、俯いた。加奈子の言葉は、彼の無神経さを痛烈に批判していた。
「美咲さんの心の傷を癒し、彼女がレズビアンとして真の幸せを掴むためには、あなたの個人的な性欲など、取るに足らないものです。奥様の幸福を最優先にすべきなのです。奥様は長年のセックスレスから解放され、いま私たちとの愛に満たされた性生活を送っています。ようやく女性としての幸せを追求できるようになったのです。あなたは、夫として美咲さんの性生活を献身的にサポートすることのみに専念してください。」
加奈子の言葉は厳しかったが、浩司は反論できなかった。彼女の言葉には、美咲への深い愛情と、浩司への厳しい叱責が込められていた。
「そ、そうでしたね。すみませんでした…」
そのとき隣室からまた、プシューッ!という噴射音が聞こえた。
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