診察椅子に腰掛けていた二人は、まるで一枚の絵画のように美しかった。
裸に検査衣を着せられた美咲が、白衣の加奈子院長の優しい腕の中でうっとりと身を任せている。ほんのりと赤みの差した美咲の表情は、安らぎと信頼に満ち足りており、まるで運命の恋人とやっと巡り会えた女性のような、深い愛情と幸福感で満ちていた。
加奈子も加奈子で、美咲を抱きしめ、深い愛情と包容力に満ちた眼差しで微笑みかけつつ、その柔らかな髪を愛撫していた。
加奈子が美咲の耳元に何かを囁きかけると、美咲も顔を赤らめながらコクリとうなずき返すのだった。
二人の間には、言葉で言い表せないほどの親密な空気が流れ、官能的なオーラに包まれているようだった。
「浩司さん、どうぞ…」ユカに案内された浩司は、その光景を目の当たりにし、思わず息を呑んだ。彼女たちの美しさと官能に圧倒されたのだった。
「先生、素敵…」美咲は、夫である浩司の存在にすら気づかないほど、二人だけの世界に浸っていた。
その美咲を腕に抱いた加奈子の、チラとこちらを見て、勝ち誇ったような優越感と侮蔑を漂わせたあの目が、浩司には忘れられなかった。
「ご主人ですね? ご安心ください。奥様は不感症などではありませんでしたよ…でも奥さまには、まだまだ治療が必要ですから、これからも定期的に通わせてください。」
美咲もこのとき、初めて浩司の存在に気づいた。
「あなた、今までいろいろと心配かけてごめんね…。でも私ね、レズビアンだったみたいなの…。これから私、やっと幸せになれるんですって…」
うっとりと加奈子に目を向けた美咲の瞳は、愛の色に輝き渡っていた。
(み、美咲…!)
浩司はこのとき、二人の美しさに見惚れると同時に、言いようのない敗北感と性的興奮を覚えていた。二人の放つ親密さと官能的なオーラは、どこから見てもさっきまで肌を合わせて交わり合っていた、レズビアンの恋人同士にしか見えなかったからだ。
浩司は激しく勃起した。
それに気付いたのか、加奈子の目が笑った気がした。
「せ、先生…、ところで美咲をどれくらい通わせたらよろしいんでしょうか?」
「そうですね……週2回、いえ、1日置きにしましょう。これは奥様のためでもあるのです」
このとき、美咲の顔が真っ赤になるのが浩司をますます勃起させた。
「ところで先生…あの、その…」
浩司は口ごもりながら、自身の勃起不全のことを切り出した。
そのことは、診療前の問診でもユカに伝えてあった。しかし今の浩司は、今すぐにでも美咲を抱きたいくらいに勃起を回復していたのだ。今の美咲は、浩司にとっては、押し倒してむしゃぶりつきたいくらいに美しかった。
「さ、奥様。シャワーを浴びましょう…私たちが洗って差し上げます」
そのタイミングで若いナースたちが来て、美咲を連れ立てた。美咲の手が名残り惜しそうに、最後まで加奈子の手を握っていたのが気になった。
「先生、私のことなんですが…」
取り残された浩司が、加奈子と二人きりになり、診療椅子に腰掛けようとしたそのときだ。
「誰が座りなさいと言いましたか?」
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