浩司はうなだれて待合室のソファに身を沈めていた。
美咲は、心から愛する妻だ。その美咲が、レズビアンたちに見守られるなか、同性の加奈子から愛のプロポーズをされ、受け入れた。レズビアン女性への強い服従願望を持つ浩司にとって、それは激しい興奮を覚える甘美な出来事だった。かといって夫としての自分の立場はどうなるのだろうか。寝取られマゾヒストの倒錯した喜びと、夫しての不安が入り混じり、浩司は居ても立ってもいられなかった。
あのあと、ナミとリサは、診察室に一旦戻ってきた。
「お二人の特別な日になるんだもの、動画で記念撮影しておかなくっちゃ…」
「うふふ、今のお二人の姿を見たら浩司さん、きっと射精しちゃうでしょうね…」
と、楽しげにスマホを手に手に引き返してから、浩司はひとり診察室にとり残されていた。
(み、見たいっ…美咲と加奈子さまの美しいレズビアン!!)
浩司はまるで、間男か痴漢になった気分で壁に耳を押しつけ、全神経を集中させて隣室の様子に聞き入っていたのだ。
「愛してるわ、美咲…」
「幸せよ、加奈子先生…」
「先生はやめて…」
「あ…あなた、愛してるわ…」
「本当に美しいわ…」ナースたちのため息が聞こえた。
浩司はゾクゾクとした。たった今、美咲は加奈子の妻になったのだ!
浩司は、美咲が加奈子のことを、恥ずかしそうに「あなた…」と呼ぶ表情を想像して思わず射精しそうになった。
「リサ、ナミ…先生にそろそろあれを…」
「はい…」
婦長の声がした。いま、加奈子は、ナミとリサの手であの器具を腰に装着されているのだろうか?だとすると美咲は、目の前にそそり立つ美しいペニスと、浩司のそれとのサイズを見比べて顔を赤らめたに違いあるまい。
男である浩司は、恋愛面でもセックスの面でも、女の加奈子に完全に負けたのだ。浩司は、屈辱感と敗北感に打ちのめされていた。
『加奈子先生、いえ、あなた…早くこれで美咲を、本当のあなたの奥さんにして…』
そんな女らしい表情でおねだりする美咲を想像すると、浩司は、今すぐにでもマゾペニスをしごき立てたかった。
ああ美咲…君は今から愛する加奈子さまにあのペニスで犯されるんだね…
あの美しいレズビアンペニスと結ばれたとき、新妻の君がどんな愛らしい声でうれし泣きするのか、敗北者の俺にも聞かせておくれ…
倒錯的な想いで、浩司が壁にさらに耳を押しつけ、ズボンの内側へと右手を滑り込ませているときだった。
「何してるんですかっ、いやらしいっ! 今すぐここらか出ていきなさいっ…!」
たまたま戻ってきた婦長にとがめられ、浩司はすごすごと追い出されたのだった。
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