麻美 今日も忙しかったですね、あ〜ぁ疲れたぁ〜……
雪乃 お疲れさま、麻美ちゃんがいてくれて助かったわ………
富士額を覗かせた艶のあるストレートヘアが、肩にかかるかどうかの長さで歩く振動で爽やかに揺れる。
10歳の娘がいるとは思えないスレンダーな体に細身のパンツスーツを纏い、篠原秋子42歳は見えない若々しく可愛らしい顔に笑顔を浮かべる。
保険外交員の秋子は若手の中島麻美を伴ってクライアントの起業と契約を結んだ、その帰りだった。
雪乃 明日は休みだから、ゆっくり過ごしなさいね……
麻美 そうもいかなくて………だって……
雪乃 あ〜あ……そういうこと……デートでしょ?
麻美 えへへっ………彼、あたしに夢中で……
雪乃 へぇ~…ご馳走様、あたしには麻美ちゃんのほうが彼に夢中に見えるわよ?……
麻美 もう……それを言わないでください……
顔を真っ赤にする分かりやすい部下を微笑ましく思い、雪乃は帰りを待つ娘と夫の顔を思い浮かべる。
…………いかがですか?……今なら無料で体験いただけます……
手渡されたチラシを見てエステサロンだと知り、期間限定の無料体験らしかった。
若い頃ならまだしも今さらという気持ちが、雪乃を白けさせる。
ふと麻美を見ると子犬が飼い主を見るように、物欲しそうな顔をして雪乃を見つめていた。
彼氏とのデートを翌日にしているのだから、当然といえばそうなのだが……ひとりで行く勇気が出ないらしい………。
うるうるした目を上司の自分に向けてくる………。
無視しようかとも思ったが、負けた。
仕事を頑張った可愛い部下にご褒美にご飯を奢るだけではと、エステに付き合うことにした。
自分でも甘い上司だとも思うが、どうせ無料だし………なんて思いもある。
こんな機会でもなければ今はもう自分からエステになんて、行こうなんて思わないし………。
主婦は無料と限定という言葉に弱いのよね……そんなふうに自分を正当化して、ちゃっかりエステを受ける自分に内心で舌を出す雪乃だった……。
受付で手続きと説明を受ける雪乃に、引っ掛かる言葉があった。
男性スタッフという言葉………。
きちんと経験を積んでいるといっても、男性だとは………。
麻美はさっさとシャワーを浴びに移動してしまっている。
エステ店スタッフ もう少しお時間をお待ち頂ければ、女性スタッフを向かわせられるのですが…
無理体験期間ですので……あの……男性スタッフも意外と評判はいいんですけど……だめでしょうか?
雪乃 駄目というか、男性を起用するからには当然きちんとされてると思います……でも分かりますよね、抵抗を感じるのは……
外で勧誘するときには男性スタッフの存在を知らせないのは反則なのだ。
一応チラシに笑顔の男性の姿はあったけれど………あくまで宣伝目的の戦略だろうと思ったのだ。
受付けの女の子を虐めても仕方がない……。
麻美には女性スタッフを回してもらって、雪身のほうに男性スタッフを仕方なく回すようにしてもらった。
図らずも恥ずかしい気持ちになったが、結婚前の部下に嫌な思いはして欲しくない…それだけのことだとひとり納得する……。
なんでこんなことに………シャワーを浴びながら体の泡を洗い流す雪乃。
幸いにお腹には妊娠線は残ってはいない、どこを点検しても気になるほどの贅肉はないわよね……。
女としての羞恥心を排除して、雪乃は心を武装した。
あっ………っと思ったが、紙ショーツを履くのだ。
急だったから下の毛の処理をしていことを思い出した。
でも見えるわけもないし、まして男性スタッフに見せるわけでもないし………。
バスタオルを体に巻いて雪乃は施術ベッドに腰掛けて、意味もなくドキドキしながら待った。
変なおじさんがくるわけないわよね……
それならある意味でいいけど…うん…嫌だな……
でもチラシに笑顔で載っていた若い男性なの?……
おじさんに触れられるよりもいいけど、それならそれで恥ずかしいじゃないの………
雪乃は心の葛藤を抱えながら年甲斐もなく乙女心に体を羞恥心に焦がし、背徳感を感じさせる麻美を恨んだ。
その麻美は薄い壁で仕切られた向こう側で、女性スタッフの施術を受けながら呑気に会話を楽しんでいる。
なんなのよもう、まったく………。
帰りたい気持ちになったとき、施術着に身を包んだ爽やかな笑顔の男性スタッフ達が2人、現れた。
男性スタッフ1、2 ようこそ いらっしゃいませ……
心を込めて致しますので、よろしくお願い致します……
それぞれが恭しく雪乃に挨拶をして、眩しいほどの笑顔を見せる。
紙ショーツを着けてるとはいえ、バスタオル1枚の姿でいる雪乃は、努めて笑顔を彼らに返す。
男性スタッフ1 それではベッドに横になりましょうか……
言われるがまま雪乃は、体を横たえる。
一人が頭の上に立ち、もう一人が足の前に立った。
それぞれが雪乃の首や肩、鎖骨や両腕、足の裏や足首、脹脛や膝を丁寧に優しく触れていく……。
良い香りのオイルが柔らかい手の平で塗り拡げられ、手の温もりによって羞恥心が溶けていく……。
雪乃の懸念はゆっくりと薄れ、彼らはプロなのだと納得させられる。
疑った自分を恥じたが、やはり恥ずかしいものは恥ずかしい……。
自分よりも遥かに若い美男子たちに体を触られるなんて、背徳感意外の何物でもない。
いいのかしら、こんな贅沢をして………。
セックス以外に体をこんなに触られるなんて……。
セックス?……なに考えてるのよ……。
整体とも違う、治療でもない、ほぼ裸なのだ。
バスタオルのしたは紙ショーツ、上も一応は同じ紙製の簡易的なブラしか着けていない。
バスタオルが剥がされる。
脚が開かれ、内腿を彼の手がゆっくりと触れる。
胸元や脇腹、お腹を触れられる。
変な気持ちになりようもないが、気持ちが擽られる。
うつ伏せになり、気付く。
お尻が半分見えるようなタイプ、そんな形だった紙ショーツだったことに………。
狼狽えればそれだけ恥ずかしいから、雪乃はわざと自分を内心で卑下する。
おばさんでごめんなさいね………。
彼らは努めて冷静にプロの仕事に徹し、手を動かす。
背中を触れる彼の手が背骨に沿って上下に動き、両手が肩甲骨を通り過ぎて南下する。
腰から両手が両サイドに別れて括れたとこれから脇腹へと上がり、胸のすぐ下の肋まで進む。
嫌でもゾクゾクさせられる……。
そんなはずはないのに、エロチックに感じる…。
足首から脹脛、太腿の外側、裏と内側をもう一人の彼の手が繰り返し撫で上げる。
内側の手が際どいところぎりぎりまできて、また南下する。
もう片方の手が外側を上がり、露出する部分のお尻を撫で上げ、円を描いてまた南下していく。
体が知らず知らずのうちに、体温の上昇をはじめる………。
オイル染みが付くはずのない紙ショーツの部分が、変色してきたのを彼は視認する。
女は脳で感じると、ある女優は公言している。
肝心なところに触れずとも、その気にさせられる。
平静さを装っても、頭は淫らな性的志向に傾いているのが手に取るように分かった。
雪乃はまた仰向けにさせられる。
眩しいと感じるのはうつ伏せだったからか、それとも羞恥心の影響なのか………。
男性スタッフ タオルをお掛けしますね……
気が利くというか、雪乃は助かった気分になる。
内心の気分が表情に出ていないか、無表情でいるのも楽ではないから………。
2人の若い男性の手が体中を這い回り、雪乃の中の女の性が擽られる。
これが女性スタッフなら、こうはならなかったのだろうか………。
だとしたら、あたしは彼らに変な気持ちにさせられたというのかしら………。
何を考えてるの……ばか……。
彼らは仕事でしてるのよ……。
雪乃たち夫婦は、夜の営みは普通にある。
不満はないのに、なぜだか分からない。
そんな雪乃の動揺は当然で、彼らは意図的に気付かれないよう目の前の人妻に触れているのだ。
触り方ひとつで愛撫となり、淫欲を呼び起こす。
無意識に雪乃の唇が半開きとなり、吐息が漏れる……。
胸元を触れる手が簡易ブラの際を通り過ぎ、過ごしだけずれた部分から谷間が見えている。
柔らかい乳房の肉が形を歪ませ、彼を誘惑する。
ウエストの括れから肋まで手が這い上がり、簡易ブラのゴム部分を押し上げる。
乳房のアンダーが少し見えはじめ、そこに指先が触れる……。
内腿に触れる彼の指先が紙ショーツの中に入るようになり、鼠径部に次第に触れるようになった。
スリッ〜……スリッ〜……スゥ〜ッ……ツツ〜ゥ〜……
それどころかその先にと進み、陰毛の際まで触れている……。
焦る気持ちと早る気持ち……。
危機感と募る渇望が雪乃の中で、対峙する……。
薄い壁の向こう側から麻美の楽しげに会話する声が雪乃に届き、背徳感が沸き上がる。
自分は何をしているのか………。
そのとき、簡易ブラの中に指先が入った。
スリ〜っと………しばらくしてまた………。
雪乃は気付いた。
いつの間にか簡易ブラが3分の1ほど、下にずれていることに………。
道理で乳房の上側が頻繁に触られるわけだ………。
だけど谷間が見える程度、クレームをつけていいものかどうか………。
なのに………はぁ~ん………そうなる自分がいる……。
2人の男性スタッフが、互いに目配せをした。
上半身を担当する彼が、雪乃の耳元で囁く。
男性スタッフ1 お客様、もっと先へ行かれませんか?………
どういう意味がが理解できなかった雪乃の両膝が持ち上がった。
びっくりして頭を起こした雪乃の目に、自分の股の間に顔を埋めようとする男性スタッフを見た。
驚愕する雪乃の口を男性スタッフ1が塞ぎ、言った。
男性スタッフ1 お客様、お静かに……お連れの方に聞こえますから………
えっ……えっ………どうして………
心の準備もないままに、紙ショーツを横にずらして口をつけらる男性スタッフを雪乃は見つめた。
現実感のない光景を目にしながら気持ちのいいところを刺激される感触に、望まぬ快感が走る…。
後の男性スタッフに背中を寄りかかる格好の雪乃は頭を後ろに倒し、背中を弓なりに反らせる。
簡易ブラが下げられ、乳房が彼の手に包まれた。
抵抗しなければいけないのに、力が入らない。
クチュックチュックチュックチュッ………
チュパッ……レロレロレロッ…チュパチュパッ……
雪乃 はぁっ…はぁっ………はぁ〜っ………
忙しなく動く舌先がクリトリスを強かに蹂躙し、溢れた粘液を舐め取り粘膜を這い回る……。
乳房を包み込んだ手が優しく揉みほぐし、硬くなった乳首を指先が捏ねくり回す……。
2本の指が入口を掻い潜り、お腹側の肉壁を繰り返し擦り上げながら出入りをはじめる……。
雪乃の左脇から頭を入れた男性スタッフが乳首に吸い付き、舌で転がしながら空いた手がもう片方の乳房を包み込んで乳首を弄る……。
耳に届く麻美と女性エステティシャンの会話が、雪乃の理性を引き戻そうとするが……。
雪乃の手はそのときすでに、男性スタッフの硬いペニスを握っていた………。
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