学生時代は新体操で体を慣らし、将来はオリンピックを目指したこともあった。
本当は体操選手を目指したかったのだが、成長期の身長の伸びが止まらず170センチに達してしまった。
高身長では不利とされる体操に見切りをつけて、新体操へ鞍替えしたのは正解だった。
体操で身に着けた柔軟性は新体操でも発揮することが容易で、天使のようだとされたのだ。
だが一部の人たちからは別の意味でそう呼ばれていたことは、知っている……。
体操も新体操も極限まで体脂肪が削られるというのに、酒井美幸は成長期から乳房の発達が止まらかったのだ。
その世界の日本人選手には珍しくCカップもあり、レオタードはお腹周りの括れから胸の膨らみまで女性らしいシルエットを露骨に見せた。
それにより盗撮の被害にあったり、はっきりとした卑猥な目線に晒されて競技に集中できなくなって引退を余儀なくされたのだ。
失意の美幸を救ったのはジャズダンスだ。
持ち前のリズム感でキレキレ腰の動きを発揮、見るものを魅了するほど綺麗なダンスを披露したのだ。
見た目も美しく恋愛もまともにしたことのなかった美幸は、そこで未来の夫と出会い結婚したのだった。
だが夫の事業がコロナ禍で苦境になり、これから子作りをして幸せになろうとしていたのに、今のところ頓挫している。
目下のところ借金の返済のために美幸も働きに出て、協力することだった。
そのためにエステティシャンとなり、報酬の高いこのお店に潜り込むことになんとか成功したのだ。
何だか卑猥なアンケートを記入させられて凄く嫌だったが、メンズエステだからこれくらいは目をつむらなければいけないのかなと正直に記入したのだ。
何だか夫婦生活を赤裸々に暴露するみたいで、もの凄く恥ずかしかった。
セックスをしたのは夫が初めて……。
苦痛しか感じなかった時期を乗り越え、快感を覚えるようになったのも夫なのだ……。
性サービスギリギリのエステだから気おつけなければと、美幸は気を引き締めていた。
短いワンピースの施術着のしたは直に下着だから、なるべく刺激が少なく色気のないベージュの普通のショーツにした。
きっと大丈夫………美幸は自分に言い聞かせながら、お客様の元に向かった………。
自分と同世代だろうか、30前後の筋肉質の男性が待っていた。
美幸 いらっしゃいませ……ベッドに寝ていただけますか?………
男性と二人きりの空間で自分でも緊張しているのが分かり、美幸は粗相の無いようにしなければ……と、体が硬くなる……。
研修通りの手順で散々やったように足から太腿へと、オイルを塗り拡げていく……。
脱毛をしているのかすね毛ひとつなく、黒いバンツを履いた股間がやけに目立つ……。
お客様には内緒だがトラブル防止のため、密かにカメラが取り付けられている。
だから逆にいえば美幸が研修通りに正しく施術が出来ているのか、それも見られていることになる……。
嫌だったがお客様の足の先の位置に立ち、足首から脚のつけ根まで腕を伸ばしてオイルを塗り拡げていく………。
当然お客様の膝の辺りに自分の胸が、押し潰される……。
見たくはなかったが、お客様のパンツの膨らみが露骨に大きくなるのが分かった……。
次はお客様の頭側に回り、頭を跨がらなくてはならない……。
嫌で嫌で仕方がない……。
それが売りだとでもいうように施術ベッドの高さは低く、跨りやすいようにベッドが頭側が頭の形に切り抜かれてまでいる………。
仕方なく意を決して美幸はお客様の頭を跨ぎ、胸からお腹へとオイルを塗り拡げていく……。
お客様はびっくりしていることと思う。
だってスパッツなどの類を履かず、下着のままなのだから………。
太田修は男がエステなんて………と、否定をするほうの人間だった。
その価値観を覆したのは、渡されたチラシだったのだ。
おばさんばかりだと思い込んでいたものだから、映っている綺麗な女性たちを見て考えが変わったのだ。
しかも今なら無料期間中だと言うじゃないか……。
2度目はないだろうから、今回だけ楽しんじゃおうかな………そんな軽い気持ちだったのだ。
風俗店じゃないから気楽なものだ……そんな軽い感じに………。
シャワーを浴びて出てきたら、黒い下着が用意されていた。
広げたらTバックじゃないか………今更やめるのもどう考えて、仕方なく初めてのTバックに足を通した……。
我ながら鏡に映る自分を見てマヌケだと思ったが、自慢の筋肉を見てそこだけは満更でもないと己を慰める……。
施術ベッドに座って待ってたら、スラリとしたわりと綺麗な同世代の女性が来たのだ。
まだあまり回数をこなしていないらしく、緊張しているのが分かる。
彼女の指示通りにベッドに横になると、足からはじまった。
意外と悪くないと思うが、やはり2度目はないな………そう思ったときだった。
おいおい、胸が当たってるじゃないか……。
偶然かとも思ったが、偶然じゃない証拠に何度も押し付けてくる………。
風俗店でもないのに、こういうサービスでもしないと集客が難しいのかもしれない……。
リピーターを作るのも大変だ……呑気にそう考える修の股間が硬くなる………。
モデルのような綺麗な女性なのに、当たりかもしれないな………。
今度は頭側に回ったらしく、そこから上半身に手を伸ばしてきた……。
嘘だろ………驚愕する修の目にエステティシャンの下着が、眼の前あった……。
彼女が腕を伸ばすたびにショーツのクロッチが鼻先に近づき、クロッチの継ぎ目がはっきりと分かった……。
次の瞬間、鼻の頭に柔らかい感触が当たった……。
これは誘われてるのか………?
間違いない、2度、3度と当てられて修はその気になってしまった……。
エステティシャンのお尻を掴み、引き寄せる……。
彼女はビクッと体を硬直させて、手の動きを止めてしまった……。
ヤバかったか………そう思ったが、彼女は一旦は止めたその手を動かしはじめる………。
なんだ、風俗店だったのか……。
だったらどこまで許されるかは知らないが、途中で彼女から交渉があるのだろう……。
その交渉次第だな………その時まで楽しむか……。
修は迷わずクロッチを鼻と口に密着させ、思いっきり匂いを吸い込んだ………。
色気はない下着だが、興奮する匂いだ……。
修は上機嫌だった………。
美幸に緊張が走った……。
顔が………待って、顔が………。
騒ぎを起こしたらどうなるのだろう……。
この程度で騒いだら、問題になるだろうと踏んだ美幸は嫌だけど努めて無視をすることにした。
止めていた手を再び動かして研修と同じに胸からお腹、その手を手前まで戻して肩から首、腕へと手を動かしていく……。
恥ずかしいところに密着させた顔が上下左右にとグリグリ動かされ、生地を通して熱い息が伝わってくる……。
変な気分にならないように、美幸は唇を噛んだ。
あっ……そこはやめて………。
敏感な部分、クリトリスをグリグリとしてきた……。
美幸の手の動きが、途端に怠慢になる……。
美幸の反応に応じて修が、そこを攻める……。
ショーツの中のその部分の包皮が捏ねくり回されて、小さな突起が覚醒させられる……。
美幸が声を潜め、熱い吐息をゆったり口から吐き出していく……。
修は我慢できなくなって、クロッチの際に指をかけて横に寄せてしまった………。
そこは薄い陰毛を生やしており、思ったより意外と綺麗な性器が割れ目を閉ざした状態で姿を現した………。
えっ……ちょっと待って……それは違うっ!……
虚ろな顔をしていた美幸が目を見開き、危機感に顔を引き攣らせる……。
ショーツのそこを寄せられたのだから、動揺して当然だった。
お客様を邪険にできない……そうかといって黙ってもいられない……では、どう言葉を選んで言うべきか……。
数秒の間、頭を目まぐるしく回転させた美幸だが、次の瞬間………ヌメヌメとした生暖かい感触をそこに覚えていた……。
考えるより前に美幸の体が硬直し、蠢く舌先の動き通りに上半身を踊らせていた……。
ピクッ……ビクンッ……と反応させ、ゆらゆらと前に倒れた自分の体を彼の体に手をついて支えた。
肩をピクピクと怒らせて眉間にシワを寄せながら俯き、弾かれたように頭を上げる……。
美幸 あっ……あっあっ…んっんっんっ…あっあっ……
立っていられなくなった美幸の腰が、彼の顔の上に密着する……。
もう、どうにもならなかった………。
こんなにいい女なのに、感度もいいときた……。
舌先の動きに合わせたように、内側をブルブルと震わせる……。
修は攻めるその舌先を緩めず、執拗に動かし続けていた……。
すると立っていられなくなったらしく、顔に腰を降ろしてくるではないか……。
夢のような顔面騎乗………。
鼻腔に淫らな女の匂いを吸い込みながら、舌先を休めず走らせ続ける……。
遊ばせていた手の指を魅惑の穴に突きたて、出し入れをはじめた……。
修の股間に頬ずりするようにエステティシャンの顔が押し付けられ、途切れ途切れの小声が聞こえてくる……。
指の締付けが凄い………。
中の感度も上々らしい………指を2本に増やして、抜き差しを続けていく……。
股間付近に吹き掛けられる彼女の熱い吐息に勢いが増して、細い彼女の指がパンツ越しにベニスを掴む………。
腰を少し浮かせてあげたら………以心伝心というのか、中からペニスを抜き出すエステティシャンの彼女…………。
口の中の温もりに目を閉じて、指を動かす修だった……。
こんなはずじゃなかった……。
あたしが悪いんじゃない、こんなことされたら誰だって……。
誰に言い訳するでもなく、快感と眼の前の誘惑に負けた美幸がパンツから取り出したペニスに舌を絡め、逡巡することなく咥え込む……。
どこかで俯瞰する自分が問い詰める……。
そんなことを平気でする人だったの……?
違う……、そんなはずない……。
じゃあは普通な顔して淫乱な女だったんだ……。
違う……、そんなことない………だって………。
だって何………?
だって仕方がないの………。
何が仕方ないというの……?
何もない砂漠で手の平に溜めた水を差し出されたら………誰だって飲むでしょ……それと同じ……。
詭弁ね……美幸は自分に負けただけじゃない……。
そんなんじゃない………そんなことないわ……。
尻軽女………夫を裏切った雌猫よ………。
違うっ!……違うっ!違うっ!………あぁっ!……
自分の中の良心に虚しい言い訳を繰り返し、美幸は咥えていたベニスを口から出して彼の太腿の肌を甘噛する……。
甘噛のつもりなのに、喘ぎながらだといつの間にか歯型がついていた………。
餌ない頃に玩具をねだっても買ってもらえずに、我慢する美幸はよく指を噛んでいた。
噛む癖は指に留まらず何がを我慢させられるたびに服の袖を噛み、縫いぐるみを噛んだ。
成長してもその癖は治らずプラスチックで出来たシャープペンシルを噛み、服のボタンを噛んだ。
夫に快感を教えられてからは、夫の体をところ構わずどこでも噛んでいた……。
クリトリスを円を描くように周回し、優しく撫でていたかと思えば素早く動かされて……。
息も絶え絶えになりながらイきそうになるたびに、思わずお客様の肌を噛んでしまう……。
それももう、無理かもしれない………。
耐えなれない………もう、耐えられそうにない……。
だってこんな気持ちいいの、もう耐えられない………。
藁をも掴みたい気持ちが震える手を前に伸ばし、縋れる場所を探したが見つからない……。
そのままベニスの横な顔を埋め、美幸は………。
反らせた背中を猫背のように膨らませ、ビクンッ……ビクンッ……ビクンッ……っと弾ませて見せた……。
夫では味わえない、執拗にして揺さぶられるような夢中にさせられるクンニリングスに屈してしまった美幸……。
その美しきスレンダーなエステティシャンの愛液を舐めながら、自分に突っ伏した女性に満足した修………。
収縮と弛緩を繰り返す肛門、ジュク〜っと愛液を垂れ流す膣口を見ているうちに、我慢ができなくなった……。
エステティシャンから体を引き出し、未だ怠慢にしている彼女を優しく前に押し出す……。
図らずも施術ベッドに四つん這いになった美幸がその事実に気付き、危機感を覚えたのが遅かった……。
そこにあてがわれ、あっと思ったときはもう……。
挿入される衝撃に息が詰まり、圧迫感に固く目を閉じていた………。
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