新たに発足したメンズエステ部門……。
その募集が開始され、面接、厳しい審査の末に残った人妻たち……。
彼女らに不可解なアンケートがあった。
性欲は強いか、セックスは好きか、自分の性癖、可能であればどのくらいの頻度でしたいかなど、およそ仕事とは関係のないど思われる失礼なものだった。
だがメンズエステである以上、自分の性的な領域をコントロールできる人物でなければならないと説明があった。
嘘であれば後に必ず発覚することになる。
そうなればせっかく高額の報酬を得られる仕事を、失うことになる……。
仕方なく彼女たちは真実を申告しなければあならなかった。
それを見る側には興味深い内容が記されており、どれも期待できそうだと採用に踏み切ったのだ。
年齢は若くても30代前半から50代前半までと、なかなか幅広い……。
その理由はお客様の好みが、それぞれ違うからに他ならない……。
顔もスタイルも、そしてあっちのほうも好きならばいうことはないのだ……。
性的な領域のコントロール………。
彼女たちはそのことをいかに自制できるのか………当然そう捉え、理解していた。
眼の前に美味しそうな男の裸体があるのだから。
だが彼女たちは採用後、こう言い渡されていた。
いかにお客様を満足させてお帰りいただくか、その出来次第で報酬が加算される、事実上の歩合給でもあるのだと……。
これをどう捉えるか……。
リビーターを増やすには、どうすればいいのかと当然、考える。
そのためには………。
少しだけサービスをすればいい……。
ちょっとだけ味見をするだけなら………。
真面目な顔の裏で、邪な感情が芽生えていた……。
駅前を歩いていると、医学療法士か薬剤師のようなユニフォームを身に着けた女性に声をかけられた。
女性スタッフ ただいま無料期間中です、お時間があれば体験されませんか?……
メンズエステ?………チラシはそうあった。
この女性スタッフらしき人と同じユニフォームの綺麗な女性たちがズラリと並んでいる。
清楚な雰囲気の彼女たちがでお腹の前で両手を重ね、まるで美容部員か客室乗務員のように立って映っているではないか。
どう見ても女の子という年齢はいないみたいだが、それだけにプロという感じがする。
男がエステ?……そう色眼鏡で見る時代は終わっている。
ちょっと恥ずかしいけど、友達に話のネタになるかもしれない。
それに、ちょっとエロいし………。
大学生の彼は大して期待はしていなかったけれど、大人の女のエロい雰囲気を味わいたい稚拙な想いを叶えるべく、お店の扉を開く………。
女性スタッフ いらっしゃいませ、無料体験でいらっしゃいますね………
無料でエステを受ける、何だか恥ずかしかったが仕方がない。
驚いたことにレディースエステサロンとの受付は共用のカウンターで、若者の隣には人妻らしい感じの綺麗な女性が受付で手続きをしている。
その女性は30代後半から40代前半な感じに見え、ハイソな感じのデザインワンピースに身を包んでいる。
ドキッとするくらい色気があって、こちらの顔をチラリと見てからレディースエリアへと消えていった……。
もう何度も通い詰めているらしい余裕が彼女からは感じられ、エステを受けているとあんなにエロく綺麗になるらしい…………。
エロく見えるのはお前の主観だろ、日頃からそんなことばかり考えているからだと、友達には馬鹿にされるから彼らには言わないけれど………。
受付カウンターそばのテーブルでアンケート用紙に記入していると、次々に女性が入ってきた。
ジーンズにジャケットという軽装と、仕事中なのかスーツ姿の女性たち。
いずれも30〜40代と年齢は高めだが、共通するのはどちらの女性も綺麗だということだ……。
彼女たちも独身には見えない。
やはりこちらをチラリと見て、まるで値踏みをされている気分になって恥ずかしくなった。
さっさと済ませ、最後に藤木正人と記入する。
もう来ないかもしれないが、次の来店時には割引クーポンが使えるらしいから………。
衣類を脱いでシャワールームに入る。
ノズルを捻ろうとしたとき、隣でシャワーを使う音が聞こえてきた。
どう考えても隣はレディースエリアであり、自分がさっき見た女性の誰かが利用していると思っただけで、股間が熱くなりそうになる……。
勃起してしまったらしばらく収まらないので、それでは恥ずかし過ぎる。
手早くシャワーを済ませ、バスタオルを使った。
用意されていたパンツは、黒のTバック?……。
マジか………帰ろうかとも思ったが、話のネタだからとそれを履く。
鏡に映る自分がまるで変態に見えて、笑ってしまった。
気を取り直して施術ベッドに座り、待っていると女性エステティシャンが現れた………。
女性スタッフ いらっしゃいませ、緊張なさらないでリラックスなさってくださいね……
外でチラシをくれた女性と同じユニフォーム……。それにに身を包んだ40前後らしい、綺麗な女性エステティシャン……。
チラシ配りの女性スタッフは膝丈のワンピースだった。
なのに眼の前の彼女は近年の女性卓球選手か女性プロゴルファーのように、ワンピースの丈がなぜか短い……。
メンズエステだけに集客法として、目で楽しませる戦略らしい……。
どうせ下には短パンをはいているのだろうけど、やけにいやらしいではないか……。
はやくも疼く股間を宥め、正人は施術ベッドに体を横たえた。
女性スタッフ では、始めてもよろしいですか?…
ひとつ頷いた正人を見て女性スタッフは正人の頭側に立ち、手の平に溜めたオイルを彼の胸に広げはじめる……。
自分の頭の上から覆い被さるようにされ、こんなに低いベッドじゃ見えそうじゃないか……。
そう正人が危惧するくらいベッドは低く、彼女の丈の短いワンピースが自分の顔に掛かりそうになる……。
胸を塗り拡げていた彼女の手が腕を伸ばして前傾姿勢となって、踵が浮く……。
正人の目にワンピースが自分の額を越え、短パンだと思い込んでいた彼女の股間を間近に見ることになった………。
嘘だろ………。
あまりの衝撃に言葉が喉まで出かかった…。
透け透けのいらやしいものだとか今の自分のようにTバックとかではないが……。
グレーで無地のショーツだなんて……。
ネットで見たことがあるが、アスリートやスポーツジムに通うような女性が身につける下着……。
見るからに汗を吸い込むコットン製で、前もお尻側も鋭く切れ上がったスポーツタイプだった…。
それが鼻先を掠めて前後に動き、割れ目に食い込んでいるではないか………。
目の上を通過するたびに目を凝らすのだが、近すぎてストライプ状になった生地が至近距離で動くので目が疲れてくる……。
だけど、正人は気付いた……。
生地が食い込んだ割れ目が通過するたび、ぷくっと膨らむ部分に……。
あっ………あれは、まさか………。
どう見ても女が一番感じる所ではないのか?……
いや、そうだ………間違いない…………。
正人の股間にピクンっと力が入った……。
女性エステティシャンの股間が目と鼻を通り過ぎたところで止まり、肛門が膣の辺りが鼻の先にある……。
彼女はお腹と脇腹に手を這わせ、丁寧にその手の温もりを伝えてくる……。
何もこんな形でしなくても…………。
そう思いながらも、正人はその鼻で匂いを必死に嗅ぐことを忘れなかったが………。
あまりにも夢中になり過ぎて、正人は自分がとっくの昔に勃起していることを忘れていた。
手を動かしながら自分の目の先に、黒い下着に覆われて形を成すベニスがあった。
そこから視線を逸らそうとエステティシャン………水原梓42歳が格闘していた。
何が悲しくてお客の鼻先に、自分の下半身を近づけなくてはいけないのだろう……。
でもお金の為、リピーターにする為と自分に
言い聞かせる……。
本当は猛烈に恥ずかしくて嫌で嫌で仕方がなかったが、給料がいいのだ。
これくらいのサービスが何だっていうのよ……。
自分を叱咤する梓だったが、眼の前の若いペニスから視線が離せなくて困っていた……。
だって………こんなに立派なもの見せられたら……。
この年齢になって、こんなに恥ずかしいことなんてない……。
そう思いながら、どう見ても勃起している下着越しのペニスを見る……。
まるで思春期の生理前のように、ブラジャーに包まれた乳房が張るような気がして乳首が敏感になる……。
子宮がキュンっとして、自分が欲情していることに気付く……。
もう………嫌っ……。
そう思うのに、やっぱり逸らした視線がペニスに戻って、束の間だけでも釘付けになる……。
梓は気が付かなかった……。
コットン製のショーツは汗ではない水分を吸収し、淡いグレーのはずなのにそこだけ濃い色に変色していることに……。
そこを食い入るように見つめる正人の股間に再び力が入り、彼もまた黒い生地に染みを作っていた……。
お互いに相手の変化に気付き、悪いと思いながら異性のフェロモンを吸い込んで、密かに吐息を漏らす………。
相手の顔を見る前に心を落ち着かせ、梓は言った。
エステティシャン梓 それでは、うつ伏せにお願いします………
正人は助かったとばかりにうつ伏せになり、今更ながら勃起していたことに気付いた……。
見られてないことはないか………気付いたかな……
ただサイズが大きいと勘違いしているさ。
そうでなければ何らかの嫌悪感を見せるはず……。
それがなかったから平気だったんだ…。
それにしてもこの人、興奮してたのか……。
俺のアソコを見て、見た目に反してエロいじゃないか………。
自分の体に押しつぶさるベニスの苦痛を我慢しながらも、正人も興奮を禁じ得なかった………。
梓が意を決して正人の腰に跨り、四つん這いのようになって彼のお知りから太腿へとオイルを塗り拡げていく……。
足首までが終わると、体の向きを彼と同じにして跨ると下から上へと背中を塗り拡げる……。
やがて彼の上に完全に座り、肩から腕の先へと手を這わす………。
座る位置はそのままに腕を伸ばすので、胸が彼の背中に軽く接触する……。
そうするように研修で繰り返し習ったのだから、その通りにするだけなのだが、やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい……。
エステティシャン梓 それではもう一度、仰向けにお願いします………
ここからがいちばん恥ずかしいのだと、梓は覚悟をした……。
先ほど違って、正人の目にタオルを被せた。
お陰で少し楽になったけれど………。
梓は足側に立ち、脚の付け根へと、ゆっくり手を這わせていく……。
もう片方も済んでしまうと、いよいよ彼に再び跨がらなければならない……。
お腹に座るわけにはいかないので、跨って上から下へと太腿から膝、、そして足首へと腕を伸ばしていく………。
顔の下の股間が気になって、仕方がない……。
今この瞬間、背中の彼がタオルを浮かせて見ていたら………。
そう思うと、不安で仕方がない。
なぜなら少し前からショーツが不快だったからにほかならない。
濡れていたことに、梓は気付いたのだ……。
いつからこうだったの?………まさか……
そんなはずない……彼の顔に跨っているときはまだ大丈夫だったはずよ……そうだわきっと……。
自分に都合よく考えないと、恥ずかしくていられない……。
だが梓の気持ちを裏切るように正人は見ていたし、今もまたタオルを片手で浮かせながら、しっかりエステティシャンの濡れた場所を凝視していた……。
梓が体を方向転換させ、股間同士が接触するギリギリに座りながらお腹から胸へと塗り拡げる……。
やはりというか時々そこが接触する感覚を覚えるが、もう気にしていたらきりがない。
脇腹から肋に達すると両手をみぞおちから下へと南下させ、その逆もしてからみぞおちから胸、首から肩へと手を這わせる……。
梓の胸が露骨に彼の胸板に押し潰され、梓の股間が正人のベニスに乗り上げる……。
硬いベニスがクリトリスを圧縮し、割れ目が押し広げられる……。
何もいやらしいことはしていないのだと、梓は自分に言い聞かせる……。
そうすること自体が卑猥なことをしている自覚がある、梓はその事実をあえて無視していく……。
羞恥心で体が熱かったから……。
また体を方向転換する。
そう……あの最初のシックスナインの体位に……。
先ほどは梓が立ったまま施術していたが、今度は彼の顔をまともに跨がなければならない。
バンザイをした正人の顔を跨ぎ、これ以上ないほどの羞恥心を抱えて梓は粛々と手を動かしていく……。
梓は気が付かなかった……。
正人が密かにタオルをずらし、鼻先にある梓の匂いを嗅いていることを……。
それほど興奮していた梓の視線は正人の股間に注がれ、よく見れば黒色の生地が一部分だけ変色していることに気付いてしまったから……。
そこはどう見てもベニスの先端の部分……。
濡れて色がそこだけが、さらに濃くなっている…。
鼻を近づけると、あの官能的な匂いがしていた…。
もう梓の動揺は過ぎ去り、今は自分を抑制することに神経を使う状態になっている……。
その心模様を表すように正人の肌を滑らせる梓の手が、これまでになくエロチックに撫でいる……。
当事者である梓は、その事実にまったく気付かないのだ……。
梓は唾液をコクンっと、飲み込んだ……。
※元投稿はこちら >>