………ベルトをお締めください…。
そのアナウンスが流れてから乗客たちの意識は、各々がこのあとのことに向かう……。
窓辺の席に座る乗客の目には眼下に地上の景色が見えてきて、気持ちがソワソワしてくる。
気がつけばベテランのキャビンアテンダントとなった水原有希子は、もうすぐ40歳になろうとしている。
準備をはじめながら着陸後のことを考え、気持ちがそちらに向かおうとするのを努力して抑制していた。
最後の乗客が降りたのを確認してから自分たち、客室乗務員も飛行機から降りる。
空港内を移動してその後の仕事を終えると、私服に着替えて電車に乗った。
同僚たちは美味しいものを食べに街に繰り出す者や、疲れを癒やしたくてスパ施設に向かう者、そのまま帰宅する者と、それぞれだ。
有希子は再婚した夫がいるが、一般企業に務める人なので帰宅する時間までにはまだだいぶある。
気持ちはもう決まっている。
帰宅する前に、あそこに寄って行くと………。
有希子がその存在を知ったのは、10年近く前だった。
国際線に乗務する有希子たちは、いつもその国のご用達のホテルにまずチェックインする。
シャワーを浴びて時間的に可能なら食事をするのだが、その時はたまたま先輩と一緒だったのだ。
彼女からは仕事を教わり、コスメや各国の美味しいお店に連れて行ってくれたものだ。
その信頼する先輩の彼女から、こう言われた。
……貴女は口は堅いわよね?……特別に教えてあげる……
そう言われたのだ……。
連れて行かれたのは女性向けのエステサロンだったが、それは表向けで実態は女性専用の風俗だったのだ……。
有希子はそこで信じられないほど快感に酔わされ、一気に虜になった。
ちょうど離婚したこともあり、そのストレスとか長引いたセックスレスの影響もあったかもしれない。
海外発祥のそのエステサロン兼風俗店は、密かに1年半前になってついに日本にも上陸したのだ。
フライトのたびに利用していた有希子は、上客と見なされて携帯にその知らせが届いたのだ。
日本に来たならば利用頻度が増えるのも当然のことで、何と言っても表向きはエステサロンだ。
有希子たち利用客と同じように純粋にエステを受けるお客も受け入れ、エステサロンとしての形態を一応成す。
そのエステ利用客の中から目をつけた女を快楽に引きずり込み、常連客にさせるのだ………。
常連客の中でもVIP扱いの有希子は、他のお客よりも様々なサービスを受けられる。
例えば時間がなくて挿入も必要ない、でもそれなりに満足したい、そんな要望にも応じてくれるのだ。
今回は疲れてるから挿入はいらない……。
専用ラウンジでお茶でも飲みながら………。
電車の車窓から流れる景色をぼんやりと見ながら、有希子は想像する……。
この路線は客室乗務員が利用すると知っている乗降客は、キャリーバッグを足元に置く有希子を見てキャビンアテンダントだと分かる人もいる。
飛行機を利用したただの客と違うのは、そのスタイルの良さと佇まい、有希子の美貌にほかならない……。
フライトを終えて帰宅するんだな……と。
まさか淫らな想像をして、これからそれを具現化をしに行くなんて夢にも思わないだろう………。
有希子は体の奥がキュンっと疼くのを覚え、今から待ち遠しかった………。
…………いらっしゃいませ、お客様…。
受付で女性スタッフに迎え入れられる。
性サービスを受ける常連客の対応は、その上客の名前を決して呼ばない。
誰がどこで見ているとも限らない。
お客様………と、言うだけなのだ。
有希子 ラウンジ、いいかしら?……
女性スタッフ 勿論です、どうぞご利用ください…………只今、お茶をお持ちいたします……。
短い階段を降りた有希子は、その場所に入った。
ラウンジといっても半地下になっており、閉塞感を感じないように南向きの窓から陽光の明かりが入ってくるようになって入る。
どこか雰囲気のいいバーか老舗の喫茶店のような空間に、ソファとカウンターテーブルがある。
どこに座ろうが自由だが、有希子は斜め上から外の陽光が差し込む窓のしたの壁際のカウンター式のテーブルに着いた。
外を行く人が見えるのは程よい距離があるからで、ここから見えるということは向こうからも見えるということ……。
5〜6メートルしか離れていない距離では、お互いの顔の表情までよく見える……。
半地下という段差は、向こうからは有希子の首の下あたりまでがはっきりと分かる……。
男性スタッフ お待たせいたしました……
琥珀色の液体が入れられたカップが、有希子の前に恭しく置かれた。
小皿にレモンスライス、ミルクの入った小さな白い陶器の入れ物、シフォンケーキもその横に置かれる。
男性スタッフ 他に必要なことは、何かございますでしょうか?……
有希子 いえ、結構よ………ありがとう……
飛行機の利用客から度々ナンパをされ、小さく折り畳んだ紙を渡されるほど魅力的な微笑みを見せて、控えめにお礼の言葉を言う……。
男性スタッフ それでは、失礼致します……
彼はその場からいなくなるのではなく、有希子のカウンターテーブルの下に潜り込む……。
そっと有希子のスカートの中に手を差し込むと、高級ランジェリーのTバックが引き下げられた。
開かれた脚の先にはセパレートストッキングを吊り下げるガーターベルトがその場所を彩り、逆三角形の濃い陰毛がお目見えする………。
そして割れ目からは成長を遂げたクリトリスがその包皮から顔を覗かせ、はっきりと飛び出している……。
視線をわずかに下げると割れ目の中程から終点にかけて開きかけており、大陰唇がふっくらとしてすでに興奮をしていることを彼に知らしめた……。
持ち上げたカップを口につけて、テーブルに戻す瞬間に手が止まる……。
空中に浮かせたカップの中の液体が、わずかに揺れる……。
揺れが大きくなる前に、慎重に置かれた。
フォークを持つ手がシフォンケーキに刺さり、少し震える手が口へとケーキの切れ端を運ぶ……。
優雅に寛ぐ有希子を外を歩く人が、チラリと見て通り過ぎる。
反対方向からきた男性が、道から低い位置にある窓を一瞥する。
なんて綺麗な女性だろう………。
彼は失礼のないように有希子に視線を向け、不意に目が合った。
ドキッとするほど色っぽくて、胸が高鳴った。
不謹慎にも性的な魅力を感じ、下半身に血流が流れ込むのを自覚する……。
カップを持ち上げて口に運び、下ろす間際になんともいえない表情をしていた……。
辛そうにも見えないこともないが、そういう感じではないような……。
そう……例えるなら指圧や足つぼマッサージを受けて、なんともいえない表情をしたときのような感じだろうか………。
ここは確かエステサロンだった気がする。
喫茶店ではないから、自分は入店できそうもない。
それにしても、なんて素敵な女性なんだろう……。
1度でいいから、お相手をしてみたいものだ……。
艶っぽい表情をする有希子の下半身……。
そこには顔を埋めて舌先を動かし、執拗に攻める男性スタッフがいた……。
これまでどれほどの刺激を受けてきたのか……。
あまりみたことがないほど大きく、普通の刺激では物足りないほど耐性が備わっている……。
だから少し強めに舐め上げ、少し強めにそこを吸ってやる……。
すると切なげに内腿が閉じて、顔を挟んでくる…。
これ以上は膨らむ余地がないほど硬く張りを見せて勃起したクリトリスが、舌の刺激を受けて激怒したように濃いピンク色に変色する……。
とろりとした透明な粘液が次から次へと溢れ出してきて、彼はそれを吸い取りながら喉に流し込む……。
うねるように動く腰を抑え込み、愛撫を続けていく………。
長時間に渡るフライトの疲れも忘れさせてくれる官能という名の媚薬が、有希子を誘っていく……。
夫ではこんなプロのオーラルセックスは、決して味わえない……。
彼の唇が狭められてクリの括れを包み込み、執拗に極短いピストンで攻めてくる……。
それでいて舌先で忙しなく虐めてくる……堪らないではないか……。
カップの取手に指を通すけれど、手が震えて持ち上げられそうにない……。
気が変になりそうな、強烈な快感が迫る……。
眉間に寄せたシワが深くなり、美貌が台無しになる……。
また外をいく人と、目が合った……。
すぐに目を伏せたが、見られた……。
もう、耐えられそうにない……。
いいえ、まだよ、まだ………味わうんだから……。
そんなに舐めないで……吸わないでよ………。
休んじゃだめよ……そう、そうよ…………。
もっと感じさせて………あぁ~もう…気持ちいい…。
あっ……だめ…だめ……だめよ……まだだめっ……。
あぁはぁ〜っ…………イキそう…………んっ…………。
あっ…………………あぁっ……………あっ…あっ…………あっ…
んっ…………………んんっ!!………
両膝を弾ませながら持ち上がり、前屈みになった有希子が肩を震わせた……。
綺麗に舐め取る彼の舌が、優しかった………。
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