今日も高い湿度が肌に纏わりつき、不快極まりない。
駅から自分のディスクにたどり着いたときには、胸と背中が汗ばんでいた。
そろそろ梅雨も明け、灼熱の夏が訪れる。
そうすれば服装も自ずと肌の露出も増えて、日焼けの対策を抜かりなくしなければと思う。
30をいくつか過ぎた美樹は老けけむ年齢ではないけれど、10代、20代の頃のようにお肌を疎かにはもう出来ない。
脚はストッキングから開放されることは喜ばしいが、肌の状態が露骨になってしまう。
腕だって半袖はまだいいとして、ノースリーブになる頻度が増えるというもの。
美樹 行っておこうかな……
意味もなくボールペンを持つ指を遊ばせながら、呟いてみる。
毎年この時期になると、美樹はエステに足を向ける。
日々肌のお手入れは欠かせない。
特に人生を謳歌するようになってからは、気を使うようになったのだけど………。
それでも自分が出来ることにはやっぱり、限界があるのだ。
プロの手にかかれば、それがよく分かる。
だが美樹はエステを施術する相手が同性とはいえ、裸を曝すことが苦手なのだ。
何かを棚に上げているようだが、そういう性分なのだからしかたがない。
それで毎年ぎりぎりになって、重い腰を上げるのだった。
美樹は時期になると毎年通うお店があるというのに、今回は別の所にしてみた。
それというのも前々から評判の良さは聞いていて、一度は行ってみたかったのだ。
べつにいつものお店が悪いということはない。
例えば食事をするお店でも行きつけのお店だけではなく、たまには他の所にも行ってみたいというだけ。
いつも予約が取れないのに、今回はたまたま取れたのだ。
これは行かないわけにはいかないではないか……。
入店すると簡単なカウンセリングのようなやり取りがあり、アンケートに出されたアイスティーを飲みながら記入する。
それが終わるとシャワーを浴びて、丈夫な紙製のショーツを身に着ける。
バスタオルを巻いて施術ベッドに寝ると、従業員が2人やってきた。
その1人は実は男性でびっくりしたが、心は女性だった。
今の時代は珍しくはないのだろうけど、どおりで中性的な雰囲気だったわけだ。
言葉づかいはもアクセントも完全に女性。
とはいえ裸を見られるのだから、抵抗が全くないわけではない。
それでも女性の指示を得るお店なのだから理由があるはずで、評判が良いということは信用があるのだと美樹は納得したのだ。
実際エステは思わず寝てしまいそうなほど心地よく、来て良かったと思った。
全身をオイルが覆い、肌を手が滑るように移動していく。
マッサージとは違う、極上の幸せがここにはあった。
胸を隠すバスタオルが外されたときには心細かったが、いやらしさは全くなくて乳房の張りが良くなった気がするくらいなのだ。
バストトップはちゃんと避けてくれて、さり気ない気遣いも嬉しい。
彼……いや彼女を疑った自分が恥ずかしくなってしまった。
それがいつの間にか、雲行きが変わったのだ。
もちろん丁寧に全身をしてくれているのだが、胸のところになると乳首に触れるようになったのだ。
手のひらが通過するだけだったのが指が加わり、挟むようにしたり半円を描くようになったり……。
微妙に性の匂いを感じさせる………。
従業員の女 これを外しますね…
えっ?…と思ったときにはもう膝まで下げられていた。
今まで紙製ショーツに覆われていた部分にも、代わる代わる彼女たちの手が伸びる。
従業員の男 膝を立てますね…
言うのと同時に片膝が持ち上げられていた。
暖色系の薄暗い証明にもかかわらず、目の上にはタオルがかけられている。
彼女たちの様子を確認したい気持ちを堪え、脚の付け根まで伸びる手に神経が集中してしまう。
際どい所まできて、また戻っていく。
それはうつ伏せになっても変わらなく、お尻もやたらと丁寧だったほかは何事もなく、また仰向けにされる。
首、デコルテ、両腕、胸、お腹、脇腹、両脚………
また眠たくなってきた。
そんな眠気から意識が引き戻される………。
上半身と下半身に分かれて彼女たちは施術をしているのだが、乳首がやたらと刺激される気がしていた。
疼きを覚える。
それをするのが彼女たちのどちらかは分からないが、その手を美樹は思わず掴んでしまった。
従業員の女 どうかされましたか?…大丈夫ですよ…
彼女のほうだった。
恥ずかしくなって大人しくしたけれど、我慢しなければいけないのだろうか………。
下半身のほうもさっきから大陰唇にまで、丁寧に指が撫でられていた。
それをするのは男性の彼なのだ。
もうとっくに見られているが、普通ではないこの大きなクリトリスを見て、どう思われているのだろう………。
不味いと、そう思った。
乳首を刺激されて感じてきてしまったのだ。
どうしよう………。
下半身を担当する彼の目には、膣口の当たりに溜まりはじめた分泌液が光る様子が見えていた。
上半身を担当する彼女に目配せをする彼。
すると乳首への刺激が露骨になっていくつ。
硬く勃起をする乳首を押し潰すように彼女の指が動き回り、くねくねと倒れては起き上がる乳首。
人差し指、中指、薬指、小指という順番にバストのアンダーから持ち上げるように乳房の丘を移動してきて、乳首で道草をする……。
下半身では割れ目から透明な分泌液が漏れ出そうになっていた。
鼠径部を撫でていた指が、大陰唇に移動する。
指を開いて人差し指と中指が割れ目を避けて、厚みのある丘を撫でていく。
そして………クリトリスを挟んだ。
囚われたクリトリスは、分泌液を纏ったもう片方の指が微細な刺激を与え、動く………。
抗議の声をあげるタイミングを見誤った、美樹の失敗だった。
憤りの声をあげる隙がなく、あまりにも気持ちよくてどうにもならない。
こんなことの為に来たんじゃないのに………
これが美樹が思った、最後の思考らしい思考だった。
指で中を掻き回される、クリトリスが口に捉えられる………。
あまりにも手慣れた性技に、美樹は翻弄される。
女性らしく優しい胸の触り方………。
男性とは思えない舌の使い方………。
美樹は正体を無くした。
部屋の中はオイルの良い香りに美樹の女の匂いが混じり、快感に狂う女の甘い喘ぎ声が響き渡る。
乳首を舐める舌のざらりとした感触が何度も通り過ぎ、もう片方はふにふにと摘み上げられる。
指が気持ちのいい所を研磨し続け、舌と唇が女の突起物を可愛がる。
これに耐えられる女はいない。
美樹はエクスタシーに体を踊らせた………。
背中に回った彼女に抱き起こされると、眼の前には脚の間に収まった彼が勃起したペニスを見せていた…。
背中を彼女に支えられている、逃げられない……。
美樹はペニスが自分に入って消えていくのを、まるでスローモーションのように感じ、見ていた。
太くで、どう見ても普通よりも大きいペニス。
それがゴリゴリと中を擦り上げ、まだゆっくりとしか動いていないのに体から力が抜けていく。
…………………凄い。
後の彼女に体重を預け、両脇から胸を揉まれる。
有り余る彼の精力が、美樹を翻弄する。
背中の彼女にしなだれ掛かりながら、恐ろしいほどの快感に人格が溶けていく。
鍋のお湯が沸騰して泡立ち溢れる寸前のように、美樹は猛烈に感じる最中で限界を迎えそうだった。
打ち込まれるペニスに美樹の腰が浮き出した。
それが4〜5センチの高さまでになったとき、美樹の壁が崩壊した。
がくがくと踊る美樹を従業員の2人は眺め、落ち着いた頃合いでピストンが再開される。
敏感になった体は完全には収まってはおらず、程なくして次の波が近づいてくる。
まるで助けを求めるように悶え、美人管理職である美樹は間もなく2度目の痙攣に体を震わせた。
3度目も迎え4度目になると体位をどう変えても美樹は従順に応じ、体を揺らす。
眼の前の彼女にすがりつき、四つん這いになった美樹は後から貫かれていた。
堪らなそうに表情を歪めた美樹は切ない声をあげ、高潮した顔の目はとろけそうに………。
その美樹の声が危機迫ったように激しさを増し、絶叫をして………崩れ落ちた。
持ち上がったままの白いお尻。
ぽっかりと開いて未だ閉じようとしない膣口からは、精液が糸を引いて流れ落ちていた………。
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