その後も休日のたびに、2人は逢瀬を重ねた。
彼は美樹をカーレースに、そうかと思えば深緑の中の渓流に連れ出して美しい渓流魚を釣って見せてくれた。
美樹は彼を美術館に連れ出して絵画を見せたり、はたまた陶芸教室に向かったり。
上級者の美樹は拙い彼の手伝いを、楽しんだ。
彼の肩越しに腕を伸ばして彼の手に自分の手を重ね、コーヒーカップの縁を共同作業をやっぱり楽しんだ。
互いの手の温もり、溶けた粘土にぬかるむ指が絡む感触、背中と胸が密着する事による体温……。
そのどれもがセックスの疑似前戯になる……。
甘い時間は瞬く間に過ぎ去り、別れを惜しんで時がくるまで互いの体を貪った。
若い彼は精力的に躍動し、大人の女に酔いしれる。
女の魅力が増すばかりの美樹はその経験値で彼を狂わせ、若い魅力と精力に翻弄される。
そして互いの口内に相手の分泌液を付着させ、お互いの性器には相手の分泌液を纏わせてそれぞれの家路へと帰るのだ。
恋というには違う気がする、愛というには陳腐。
これまでのセックスフレンドとは確実に違った。
あんなに愛し合ったのに翌日のディスクの前に座ると、もう彼の顔が頭にチラつく。
スーツに身を包む体の下に彼の手が這い回り、体中にキスをされる感触が蘇る。
膣の中に、彼のペニスの感触がフラッシュバックする。
淫らな回想を振り切り、美樹は部下に差し出された書類に目を通しはじめた………。
数日後、美樹は営業車のハンドルを握り、通い慣れた彼の勤務する会社兼倉庫に向かっていた。
濃いグレーのスーツに身を包んだ美樹が車から降り立ち、従業員たちの親しみを感じる会釈に迎えられる。
苦楽を共にした美樹はもう、ただの女性管理職ではなかった。
その中において彼は美樹と一番深く接してきたとあって、美樹の世話役に抜擢されるようになっていた。
世話役といっても、何も特別なことをするわけではないのだが。
やはり子会社としては本社の人間の扱いにどこか困り、かといって機嫌を損ねる失礼はしたくないのだろう。
彼はある意味で子会社の社長たちによる防波堤であり、本社の女性管理職の相手をする適任者としての生贄なのだった。
重役たちの思惑は杞憂であり、美樹の人柄を知る現場の従業員たちは内心でほくそ笑み知らん顔をしている。
若者 今日は何をしましょうか?
美樹 困るのよね、気を使われ過ぎるのは……
若者 貴女は本社の人なんですからね、小心者の社長たちだと、諦めてください……
苦笑いをしながら、彼に窘められてしまった。
若者 そうだ、これを見てみてください……
それは美樹が設備投資をさせた、検査用の言わば顕微鏡のような物だった。
古着を扱う以上、衣類の虫食いは見逃せない。
いち早く発見して、手を打たねばならないのだ。
美樹 へぇ~………これならよく見えるわね……
若者 貴女のお陰ですよ……
美樹 やめて、私は当然のことをしただけよ…
若者 皮肉じゃなくて、本当にこれで仕事がやりやすくなって感謝してるんです、みんな……
恩着せがましくするのが性に合わない美樹は、彼の言葉に心が温かくなったが素直になれず、その機材を覗き続けていた。
今なら分かる、若者は美樹の照れ隠しの行動が愛おしく感じる。
若者 そうやってダンボールに詰め込まれていた衣類をランダムに選んで、確認するんです…
初めて見る人は面白いかもしれませんね、気の済むまで見ていてください……
美樹は彼の言葉に甘えて、拡大して見える繊維をあれこれと衣類を替えて、見ていた。
実際にそれは面白く、見ていてちっとも飽きることがない。
顕微鏡と違うのは、座った姿勢で覗き込むのとは違う点だ。
立ったまま覗けるように自分の背丈に調節が可能で、まるでスキーのゴーグルのように大きい覗き窓から見るので、取っ替え引っ替え衣類をたくさん見る必要があるので、非常に楽なのだ。
なんだか観光地の山や高層ビルにある展望台に、これ見よがしに設置された望遠鏡に見えなくもないのだが………。
不意にお尻が温かくなった。
腰に彼の手、お尻には彼の下半身が密着される。
やや前傾姿勢になっている美樹は、必然的に後にお尻を突き出す恰好である。
お知りの割れ目に、硬いものが当たっていた。
美樹 何を考えるの?……こんなところで……
若者 分かってまず……でも、心地良くて……
美樹は網目状に見える繊維を見ながら、当てられる硬いものにうっとりとしてきた。
掴まれるお尻に力が込められ、硬いものが上下に動かされる。
美樹 やめて………、欲しくなる……
若者 僕も……です……
美樹たちの前には窓があり、広い倉庫の中にある2階建ての事務所の一部屋、ここからは従業員から丸見えだった。
腰が引き寄せられ、その場所に押し付けられる。
目を閉じてその感触を味わい、体温が上昇するのを感じる。
スカートの裾が、持ち上げられるのが分かった。
美樹 やめて………いくらなんでも……
若者 じゃあどうして、こんなになってるの?
パンスト越しに触れる彼の指は、ショーツの濡れた場所を前後に擦る。
美樹 それは…………貴方が……
若者 まだ気持ちの良いところに、触れてませんよ……
美樹 なにを………そんなこと……されたら……
ピリッ………ピリリッ………ビリッ!!!……
何の音かはすぐに分かった。
美樹 やめて……………
言葉こそ強く言ったものの、美樹は顕微鏡から顔を上げられなかった。
ショーツの脇から入ってきた指が、感じる突起を捉えてスリスリと擦り、美樹の手に力が入る。
膝が内側に入り、内股になった膝頭が笑う。
鋭い吐息が口から漏れ出す……。
………あっ…っと思ったときには、中を指が動いていた。
若者 もう、こんなになってますよ……
美樹 んんっ…………はぁ~〜っ……
若者 入れたい………いいですよね?…
女性管理職はただ拡大された繊維を見つめ、黙秘を貫く………。
美樹はそこに圧力が加わり、押し広がる感覚に固く目を閉じた。
少しづつ確かめるように入ってきた彼は、前進と後退を繰り返しながら奥まで到達。
それからゆっくり、とてもゆっくりと抜き差しがはじまった。
美樹は目に映る景色とかけ離れた甘い快楽を受け、体を揺らさないように気遣う彼のピストンを受け止める。
感度の波が上がるたび唇を噛み、舌舐めずりを繰り返す。
下で作業をする従業員のひとりが見上げ、彼と目が合った。
困惑したような彼を見た従業員は、本社の人間の接待を仰せつかう彼に同情して苦笑を返してきた。
まさか本社の女性管理職と子会社の若造が、淫らな行為に及んでいるなどと誰が想像するだろう。
最近は忙しいのか、恥毛が出入りを続けるペニスの両側にビッシリと生え揃ってきていた。
あまりにゆっくりした抜き差しだからか、中の絡みつきようが露骨に感じる。
美樹は彼に応えるように締めてみせ、それでいて下で時おり見ているであろう従業員に、飽きもせず衣類を取り替えては覗き見る体を演じて見せる。
その口は半開きになって、口呼吸でなければ酸素の供給が追いつかなくなっていた。
美樹 はぁ~…………はぁ~…………あぁはぁ~……
ベニスの動きに合わせ、吐息が漏れる……。
シャツブラウスの背中と脇の下に、汗が滲む…。
何度目になるのか分からない舌舐めずりがなされ、大きく開いた口から見える上下の前歯。
唾液の糸が繋がって伸び続け、吐息に揺れる。
前に回された彼の手が、飛び出たクリトリスを優しく刺激する。
…………こんなのもう、耐えられない…。
美樹 もう、終わらせて………お願い………
彼の腰が激しく打ちつける。
濃密な快楽が押し寄せる………。
落ちる腰を持ち上げられて、なおも突き上げられる………。
耐え続けるあまり、背中が反りはじめた………。
激しく体を揺らす美樹に気づきハッとした彼は、気遣いながら腰を進めていく………。
立っていられなくなった美樹が、唸り声を上げて張り上げそうな喘ぎ声を留める………。
そして再び顕微鏡の覗き窓を掴み、覗き見る振りをして体を支える………。
美樹 あぁ………………あぁ…………あぁぁぁぁぁぁ……
首を後に反らせた美樹が喉を絞ったような声を上げ、いちだんと膣圧が増したとき………。
硬直した体を、いきなり弾ませた。
顕微鏡の横に突っ伏した美樹は、机の上に涎が流れ出ていた……。
腰を捕まえていなければ崩れ落ちたであろう美樹を支える彼は、美樹の呼吸が正常に戻ったのを見てスパートをかける。
回復しかけた美樹に、追波が襲いかかる。
呼吸が追いつかず、なされるがままに…………。
熱い精液が放出されるのを感じた………。
繰り返される脈動………。
薄れゆく意識の端に、例えようのない深い官能が追いかけてくるのを感じていた………。
美樹 それじゃあ、よろしくお願いします……
爽やかな挨拶を残し、パリッとスーツに身を包んだ本社の女性管理職は去っていった。
幹部たちはやれやれと言わんばかりにだらしなくなり、美樹の変化には誰も気づかなかった。
乱れた髪の毛は見事に整え、剥がれたルージュは引直されていたが、よく見れば彼女は素足になっていたのだ。
そして美樹は、スカートの下にはショーツを履いていなかった。
なぜなら多量の精液を吸い込んだ下着はその臭いを振りまいてしまい、そのまま会社には戻れない。
美樹 責任を取りなさい……
彼に一言だけ恨み節を残し、汚れたショーツを押し付けていたのだから………。
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