一月二十四日。
朝から慌ただしく動き回っていたのは、私の二人の息子たち。何もかも母親任せだったため、慣れないことに心労が絶えないようだ。
葬儀は進み、最後の挨拶を務める喪主の長男。上出来ではなかったが、なんとか及第点はやっても良いかと思う。
たぶん、私は親バカなのだろう。
葬儀から四日目。息子たち夫婦は県外の家に帰ることはなく、まだ私の自宅にいた。
いろんな手続きや私の遺品整理などに追われているらしい。長く親不孝をしてきたバツだと、私は思う。まあ頑張れ。
翌日、息子たちは玄関のカギを掛け、県外である自宅への帰路につこうとしていた。そんな長男が最後にこんなことを言っている。
『ほんと、お母さん、どこに行ったんだろう…。翔吾ちゃんも…。』
家族葬だったとは言え、親類や親戚の中で二人だけ葬儀に参加をしなかった人物がいる。妻の和代と甥っ子の翔吾だった。
その二人は葬儀だけでなく、私の最後を看とることもしなかった。知らぬ間に連絡が一切取れなくなっていたのだ。
心配をした息子たちは警察へと届け出てはいるが、未だその連絡はない。
しかし、私には分かる。妻は私を捨てて、甥っ子のものとなったのだ。
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