一月三日、今日も私は生かされていた。ただ朝に目が覚めるだけでそう思える。
昼過ぎに聞こえてきたのは、長男夫婦の声。結婚をして県外に行ったまま、ほとんど帰っても来やしない、親不孝者だ。
もらった嫁は都会者、この私には馴染めそうもない。ただ、四才の孫娘だけは可愛くて仕方がない。
動けもしない私を不思議そうに見ては、どこかへ走って逃げていく。それだけで私には充分だった。
居間で妻と長男夫婦が話をしている。しかし、そこには甥っ子の翔吾の声はない。
長男が帰って来るので気を使ったのか、それとも正月だから家に帰ったのか、アイツの姿はないようだ。
長男が私の部屋へと入って来た。話も出来ない私に帰ることを告げていた。時刻は午後二時、滞在したのはたった三時間だった。
長男夫婦が去ってから、この家はまたいつもの静けさを取り戻した。しかし、すぐにまた別の訪問者が現れる。その声は翔吾だった。
和代は玄関に彼の出迎えに行ったようだ。優しい甥っ子、また私と妻のために今日も帰って来てくれた。
長男には悪いが、最近は翔吾の方がずっと我が子のように感じている。妻もそう思っているに違いない。
それにしても、ちょっと出迎えに行った妻の帰りが遅い気がする。
『翔吾ちゃん…、やめてん!』
普段はトレパン姿の和代だが、長男を出迎えるために今日は普段着を身につけいた。
戻って来た翔吾は玄関でその妻に抱きつき、履いてスカートを捲りあげようとしている。
ここは玄関先。和代はそれを拒み、腰を下ろすことで抵抗をする。
玄関を這いながら奥へと逃げようとする和代だったが、居間に辿り着く頃には履いていたはずのパンティーは脱がされていました。
(ドタっ!)
居間で響いた大きな音。それは物が落ちたような音ではなく、人が人に乗り掛かるような振動音だった。
動けなくなり、声も出せなくなった私だからこそ、そんな物音にはとても敏感になっていりのだ。
『やめてん…。ほんとにやめてん…。』
私には気づかれたくはない妻は、蚊の鳴くような小さな声しか出せないようだ。
ここ数日、翔吾との情事を繰り返し続けていた妻でも、夫のいるとなりの部屋での行為は望んではいない。
『ほんと、やめてん!こんなとこ、嫌だって!』
場所を変えたい和代。しかし、上に乗った翔吾の興奮は収まりそうもなく、妻の身体を侵食していく。
和代は泣いていた。服こそ脱がされてはいないが、捲り上げられたスカートの中には何も履いてなく、翔吾にそこを舐められている。
和代は必死に別棟へと繋がる廊下へと身体を向けようとしていた。
しかし、翔吾にしっかりと掴まれいる下半身は1ミリも動くことはない。
『やめてん!翔吾ちゃん、お二階で、お二階で…。』、そう言いながらも、次第に濡れていく情けない妻のオマンコ。
この時、妻の中で何かが弾けた。私にはそう思う。
夫が眠るとなりの部屋での情事を望まれ、嫌がりながらも濡れてしまう己の身体。
それだけではない。ちゃんと育てだけたはずな我が子も、帰省をして滞在をしてくれたのはほんの僅か。
1年半、介護のサポートで頼ってきた義理の甥の翔吾は、歯止めの効かない程に自分の身体を求めてくる。
夫への裏切り。四年という長く過酷な介護生活。全てが妻の心を苦しめていた。
『お父さぁ~ん!!助けてぇ~!!お父さん、私を助けてぇ~!!もう、起きてよぉ~!!』
和代は大きな声で私に叫んでいた。涙を流しながら、私を呼んでいた。
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