眠った私が更に深い眠りへとにつきかけた頃、別館の階段では大きな音がしていました。
全裸の翔吾が全裸の妻の手を引き、自分への部屋へと連れて上がっていたのです。
激しいセックスで疲弊をしていた和代の足元はおぼつかなく、手を突きながら一歩一歩と確実に上らされていました。
部屋へ入ると、先に布団へと倒れ込んだ妻の身体を翔吾は抱き締めました。
和代も、『二階で抱かれてしまうだろう。』と予想はしてはいましたが、まさか『すぐに。』とは考えてはいなかったようです。
唇を奪われ、乳房を揉まれたため、『また、彼はすぐに入れてくる。』と頭を張り巡らしますが、実際はそうではありませんでした。
64歳の老いた身体を、翔吾はその全てを舐め始めたのです。それは首筋から足の先の間まで、何十分も掛けて行われました。
和代も、足の指の間など男に舐められたことなどなく、くすぐったいと想像をしていたのに、それが気持ちの良いものだと知ります。
『そんなとこ、汚たないって!』と口では言ったものの、本当は充分な快感を得られていました。
長い全身の愛撫が終わると、翔吾は和代のとなりに寝そべり、妻を抱き締めます。
そんな状態で、彼は妻とやっと話らしい話をするのでした。
この時、和代には逃げられるチャンスは何度もありました。
しかし、疲れていたとは言え、妻はそんな翔吾との話に付き合っています。
自分の勝手と思われる激しいセックスをされましたが、本来はとても良い青年であることを妻は知っています。
二人の息子たちに拒まれ、誰も援助をしてくれなかった夫の介護に、すぐに駆けつけてくれたのは翔吾です。
汚ない処理にも嫌な顔をせず、約一年半もの間、妻を支え続けてくれたのは、紛れもなく彼でした。
ただ、まさかこんな高齢の伯母さんに愛情を持たれてしまうことは、和代も想定外でしたが。
そんなことを考えると、今回の行動も『どこか許してもしまえる。』、それが妻の気持ちでした。
私が目を覚ましたのは朝の五時前、私には見ることは出来ませんが、外は雪が積もってしまっているようです。
やはり、寒いはずです。和代はいつも六時くらいに起きて来ては、真っ先に私の顔を覗き込みに来ます。
『心配をしながら、様子を伺いに来ている。』というのが正解でしょうか。
彼女が起きて来るまで、あと一時間。この辺静かな空間を楽しみながら、妻を待つことにしよう。
まだ、部屋で寝ているはずだから…。
私の予想通りに和代はまだ眠っていた。ただ、そこは彼女の部屋ではなく、甥っ子の翔吾の部屋。
私の妻は昨夜、私ではない男と一夜を共にしたようだ。
眠るその顔には毎回の介護疲れの険しさはなく、なんと言うのか、幸せそうな安らかな寝顔である。
午前六時前になると、和代は目を覚ましていた。これはもう何十年も続く日課、勝手に目が覚めてしまうのだろう。
身体を起こした妻は、服を身に付けてはいなかった。全裸のまま、眠っていたらしい。
そのとなりには甥っ子、青年らしい豪快な値姿である。そんな彼に身を寄せながら、妻は一晩体温を保っていたのだろう。
服を身に付けて、立ち上がろとした妻でしたが、一瞬足がよれました。それはまだ疲れが残っている証拠。
私は知りませんでしたが、妻はほんの二時間前まで、となりに眠る翔吾と何度もの性行為を繰り返し、楽しんでいたのです。
翔吾が起きて来たのは、いつもより遅いハ時半。妻を見る目は、もうこの朝から違っていたのかも知れません。
『伯母ではなく、自分の彼女(女)』、そう見ていたのだと思います。もちろん、和代も然り。
その証拠にこの日、雪でどこにも行けなくなった二人は、時間を作っては翔吾の部屋(愛の巣)で情事を行いました。
それだけではありません。29日、30日、31日、そして元旦と、狂ったようにセックスを繰り返したのです。
夫であるこの私がいる、この私の家で…。
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