民宿を覗きの楽しみに利用してきた得意先には例のプロのカメラマンが撮った写真を付けて案内状が送られていた。
それが支店にも送られ来た。
『窮屈な覗きではもう我慢出来ないお客様方々。かねてから、、、、、、、、」
その手紙も裕子の書いたものだ。リニューアルとして秘密の館として再スタートすること。そして顔には霞がかかっていたが明らかに美人と思われる女が
囲いが排除された風呂やトイレで全ての秘密を晒します。そんな内容の案内状だった。
その頃裕子は本社で二代目を継いだばかりの社長と面談していた。亡くなった先代に甘やかされて育った彼は仕事よりも遊びに夢中な40過ぎの裕子と
同年代の男だ。結婚も子供もいるが裕子にもちょっかいを出してきたことがあった。
そしてもう一人片山という50代の男。社内では裕子のライバルと評された男だが裕子は別に自分の優秀さを見せびらかさず片山と張り合う気は無かった。
支店に移った原因の一つはそれでもあった。
片山は一人勝ち誇り満足したようだ。そして今も社長の片腕としてその場に同席していた。
ただ、そんな二人が役職に就いてから本社や他の支店の業績は落ちているのだ。裕子の支店だけが業績を大きく伸ばしていたのだ。
片山は裕子がまた本社に戻って自分の地位を奪いかねないかと警戒した。
ところが裕子は徳田を支店長にして自分はその下で働きたいと言う。
「一体、どうしたんだ?君の成果だと思っていたが?」
「実は心身とも疲れ切ったのです。でも先代に随分お世話になった会社。これからも出来る限り尽くしていく積もりですわ。」
片山はその後徳田から情報を仕入れた。
祐子が落ち込んでいるのはある男に裸の写真で脅かさられていることを知った。そして月に二回ほど週末に恥ずかしい見世物に出る羽目になったことも伝えた。
「ど、、どんなショーなんだ?」
「入浴シーンやトイレで用をたすところを観客に見せるそうです。」
「いつだ、俺も呼んでくれよ。君を支店長にしてやるから。それで会社ではお前が上司だ。恥ずかしい命令してやったらどうだ?」
「ありがたいお話ですがもうこの年なんで物騒なことに頭を突っ込むのもどうかと、、、どちらかというと私は傍観者でいたいですよ。」
「わかったよ、でも俺も見に行くから頼むぞ、そうだ、観客席に俺がいるのがわからないように裕子に目隠しして貰ってくれよ。」
もうそれが誰の命令なのかわからなくなってしまったようだ。ライバルと評された男の前にも全てを晒す羽目になった裕子。
思いがけない展開に動揺したじろぐ裕子だったが
「もう裕子に選択の余地はありません。仰せのとおりに致します。」
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