陽射しが燦々と降り注ぐ昼下がり、駅に向うバスに北沢英子は乗り込んだ。
黒のノースリーブのブラウスに白地に黒の模様の入った夏らしいスカートを身に着けて、空いていた場所で吊り革を握った。
40を過ぎて尚スリムな身体に緩いパーマのかかった髪の毛が、男をそそらせる。
夕方に始まる舞台を観る前に、お気に入りの洋食屋で遅めのランチをするのが今から楽しみで仕方がない。
流行る気持ちを抑えバスの揺れに身を任せていると、お尻に違和感を覚えた。
まさかとは思った。いくらなんでもこんな中年の女を痴漢する酔狂な男なんて、いる筈がない。
また触れてきた。どんなはた迷惑な人かと思って、後を振り向いた。
特段に気になるような男ではなかったが、服の皺が気になるのかズボンを叩くように手を動かしている。
まったく……釈然としなかったが、英子は前を向いてこれから観る舞台に想いをよせた。
しばらくしてまた触れられた。
今度ははっきりと手の平で、だった。
あまりにも露骨だったので、振り向いて思い切り睨んでやった。
相手の男は感情が読み取れない無表情で見詰めてきて、気持ちが悪い。
関わらないほうがいいと判断して、また前を向く。
だが男の悪行は止む気配はなく、臀部を鷲掴みにしてきた。
さすがに怒り心頭に達して、本気で睨みつけた。
まったく怯むどころか平然としていて、気味が悪くなった。
英子は後方に移動することにした。
振り向くと、男もついて来る。
怖くなって空いている最後部の席に避難した。
周囲にはこれだけの人がいる、手出しは出来ないだろうと思ったのだ。
その目論見は外れ、男は英子の隣に座ってきた。
申し訳ないと思ったが、男とは英子を挟んで反対側に座る男性に身を寄せて座る。
男の向こうにも英子のすぐ隣りにも人がいる、いくらなんでも下手なことは出来ないはずだ。
だが事は英子の想像を上まわる。
問題の男ではなく、身を寄せた側の男性が脚を触ってきたのだ。
嘘でしょ?………。
その手はスカートを手繰り寄せ、裾を掴もうとする。
その手を払えば問題の男が加勢するように、忌まわしい手を伸ばしてきた。
英子は2人の男の手を躍起になって払い落とした。
敵は狡猾で交互に手を伸ばしてきてあちらを払い落とせば今度はこちら、というようにきりがない。
そのうち片方がスカート、もう片方が胸というふうに連携を見せるようになった。
胸に気がいった隙に片方の男に膝を持ち上げられて、もう片方がスカートを捲り上げてしまった。
パニックになり片方が陰部に手を伸ばすのを阻止したらもう片方が胸に手を伸ばし、それに気を取られた隙に、逆の男の手がショーツの中に入っていた。
さらにパニックになった英子の手首を双方の男がそれぞれ掴んで抑え、下半身にご執心の男とは別の男がブラウスのボタンを外す。
ブラジャーを押し上げてその胸にむしゃぶりついた。
焦る英子がそれぞれの男を交互に見て、ついには戦意が喪失してしまった。
もう以前のように自分を求めなくなった夫。
忘れかけていた官能的な感情が、呼び起こされてしまった。
こうなったのは、夫のせいなのだ。
私という妻がいながら蔑ろにしてきた。
まともにこの身体を触れようとせず、放置してきた。
だからこんなに……。
蠢く舌に乳首を刺激され、指にあそこを……色情を禁じえなくなってしまった。
うっとりし始めた英子がベンチシートに倒され、片方の男が膝枕を買って出る。
気がつくと彼らの前に人の壁が出来て、さり気なく視線を遮っていた。
英子の足からショーツを抜き取り、ポケットにしまうと濡れそぼるアワビにむしゃぶりつく。
膝枕をする男は乳首に吸い付き、異常な状況の中で英子は快感に酔い始めた。
こんなにクンニリングスをされたのはいつ以来なのかが思い出せない、堪らなく感じる。
やめないで……やめちゃ嫌…。
顔を離そうとされるたびに、頭を押さえつける。
こんな場所だというのに、とろけるような快感に身体を震わせる。
そういうことならと男は本腰を入れてクリトリスに舌を走らせ、存分に吸った。
そんな貪欲な女にそのまま指を挿入し、舐めながら指を動かしていく。
ザラザラする辺りを執拗に指で刺激を与え、ぷっくりと膨らんだクリトリスを執拗に虐める。
蒸れた性器の臭気が鼻腔を抜け、舌に絡みつく女の粘液が感度の良さを如実に見せつける。
あっうっ……うっ…うっ……あっ…あぁっ…うっ…うっ
女の押し殺した喘ぎ声が、切迫してきた。
もうとっくに痺れている舌を、休ませずに走らせる。
浮き上がろうとする腰を押さえつけ、クリトリスを唇で捕まえて吸う。
そのまま舌をしつこく動かして、舐め続けた。
僅かに浮き上がった腰がプルプルと震え、激しくバウンドを見せた。
あっ!……あぅっ……あっ………………あっ…あっ………
熟女のオーガズムに達した姿は最高に興奮する。
堪らなくなり、黒いアワビにペニスを突っ込んだ。
柔らかく包む温もりを割いて、輸送を開始する。
少し緩いと感じる膣が、気を抜くといつの間にか締め上げてくる。
開発され尽くした熟女はだから堪らない。
容赦なく突き入れる。
繰り返し何度も奥まで、突き上げる。
女の身体が激しく揺れる。
それなのに顔は恍惚に染まり、腰を掴むこちらの手首を掴みながら吐息を漏らす。
快感をすべて吸収するように、何度も背中を反らせて享受する英子。
あの気の強さは影を潜め、こんなに好き者だったとは……。
剛毛が濡れていくつかの束になり、白く飛び散った分泌液がピストンの激しさを物語る。
かはぁっ……はぁっ……はぁっ…はぁっ…はぁっ……
ヌチャッ…ヌチャッ…ヌチャッ…ヌチャッ……
卑猥な吐息と水音の官能的な二重奏が、現実世界を遠ざける。
英子の様子に変化が起きた。
苦痛に喘ぐかのように、余裕を失っている。
茶色の大きめな乳首が笑うかのように乳房に揺さぶられ、快感を受け止めきれなくなった英子はその口を開けて不規則に動かす。
その口に唇を重ね、舌を入れた。
輸送を緩めると、すかさず舌を絡めてきた。
おもむろに腰を動かし、唾液を交換する。
そしてペニスを躍動させる。
女の脇の下の汗を舐め、子宮の入口を突き続けた。
女は限界が近いことをその身を持って、知らせてきた。
幾度も顔を左右に傾け、首を反らして顎の裏側を何度も見せる。
そして………女に合わせ、奥深くに射精した。
脈打つように、数回に渡り絞り出す……。
落ち着いた頃に、人格を取り戻した英子が言った。
英子 中に出しちゃったの?………
困惑する女を見るのは、堪らない。
彼女を引き起こして対面座位の形をとった。
不安気味に周りを見渡して左右に座る乗客の不自然な態度、壁を作る人の姿に何やら思いを巡らせている。
聡明な女らしく、全てを悟ったらしい。
少なくとも今見える人間は、皆グルだということに………。
英子の腰を前後に揺さぶって、先を促す。
我慢出来ず、こちらから突き上げ始めた。
乗り気ではなくなった英子が、女の顔になった。
その腰がグラインドを開始する。
迷いをすべて振り切ったわけではないだろうが、快楽を追い求めてその腰を動かしている。
快感の波が押し寄せるたび顎を上げ、俯く。
しばらく自由にさせ、快感に酔う女の顔を見ていた。
少女にはない妖艶さと余裕、飽くなき貪欲さを見せられるのはセックスを知り尽くし、熟女に片足を入れ始めた年代の女ならではだった。
下から乳房を支え、乳首をこねくり回して刺激する。
それだけで女の淫欲が増す。
前後に揺れる腰の速度が落ちなくなった。
女の息が荒く、呼吸が乱れていく。
男の肩を掴む手に力が入り、仰け反った。
膣が強かに締まり、身体を痙攣させながら倒れ込んできた。
まだ終える気はない。
イッたばかりの女を四つん這いにさせ、後から突っ込む。
女の中に飲み込まれる様子が、よく見える。
始めから本気の輸送を送り込む。
すぐに頭を激しく振って見せ、振り子のように上下にする。
ニョリッ…ニョリッ…ニョリッ…ニョリッ…ニョリッ…
鬼頭が抜け出そうなロングストローク。
奥まで一気に進み、ぎりぎりまで後退させる。
徐々にストロークを狭め、短くしていく。
女が好きなペースに据えて、休まず突き上げる。
あっ……んっ……あっ…………んっ…んっ…………はぁ〜…
猫のように上半身が持ち上がり、海老反りだした。
膣が締まる…………女の身体が波打つように、痙攣を見せる。
再び仰向けに寝かせ、さらに突く。
淫らに喘ぐ女はどこまでも官能的に揺れる。
突いて…突いて…突いて……その時が来るまで執拗に突き続けた。
額に汗が滲み、正体をなくした女は声を我慢するあまり首に血管が浮き出ている。
もうすぐだった。
何かを引き寄せるように、ペニスを送り込む。
女の唇が、震えている。
何度も背中を反らせ、弾かれたように首を横に振る。
そして、2度目の精液を放出した。
10分近くそうしていただろうか。
頭を撫でていたら、英子が気怠そうに瞼を開けた。
英子 こんなの始めてよ……死んじゃうわ………
そんな彼女に唇を重ね、舌を絡ませる。
彼女の中で、力を取り戻していくのを感じた。
それに気づいた英子はまさかというように目を見開き、首を振って拒絶の色を示す。
だが、輸送をまだ再開する。
やめて、やめてと首を振る英子が女の顔に戻り、背中を仰け反らせた。
道行く人の横を、1台のバスが通り過ぎた。
その車内では一人の女が快感に飲み込まれ、その身を震わせているとは、誰も気づかない………。
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