会場の隅にまでくるとスクリーンの青いぼんやりした光がやっと届くくらいで、座席からは目を凝らさないとよくは見えない。もっとも後を振り向けばの話だが………。
スパイの男は明子を壁を背に立たせ、自らはその場にしゃがんで明子の片膝を肩にかけさせた。
そして秘密の花園にむしゃぶりつく………。
暴れ回る舌に身体を震わせて、ひたすら耐える。
腰が落ちそうになっても壁に背中を押しつけられた状態ではそれもままならず、中途半端な格好で打ち震えなければならない。
ちゅぴっ……くちゅっくちゅっくちゅっくちゅっ…
激しい快感が脊髄を突き抜けていく………。
不意に立ち上がった彼は片脚を抱え、明子の中に分け入ってきた。それこそ押し広げるように……。
一気に押し入るような無粋なまねはせず、段階を踏んで少しづつ数回に渡り、丁寧に……。
よほど自信があるのかその顔に笑顔を浮かべ、見詰めながらゆっくり突き上げてくる。
彼の甘いマスク同様に、とろけるような快感が沸き起こる。
誰かが論文を語る声を耳にしながら、その甘さに酔いしれる男女の怪しい蠢きが不釣り合いなその場で燃え上がる……。
一方でやはり暗がりに誘い込んだ女スパイは、再び男根を咥え頭を振る。
一心不乱に頭を動かして、下僕のエキスを喉の奥に流し込む。
顎が疲れて立ち上がると彼を壁を背にして片脚を持ち上げてもらい、自ら男根を招き入れる。
その逞しさゆえにすんなりとは入らず、少しづつゆっくりと中に沈めていった。
腰をおもむろに動かしてその大きさを確かめるようにグラインドを始める。
しばらく続けていると、溶けてしまいそうな快感が包み込み始めた。
動かすほどにその甘さは広がり、堪らなくなる。
彼の首に掴まって唇を重ねる。
いい男の唾液は、心まで溶かしそうだった……。
女医:明子 ねぇ、ここは落ち着かないわ……どこか静かなところに行きたくない?
そう言うとスカートのファスナーを閉じて、彼を伴い会場を抜け出る。
ホテルでもあるこの場所は、チェックイン済みの部屋が取ってある。
そこに連れ込むことも出来たが、それでは面白くない。
明子はトイレに誘い込むことにした。
この階を利用する人間は今、ほとんどが会場にいる。
それでも目にするホテルの人間の目を盗み、少し考えて紳士用トイレに入った。
女性側は何かと長居する傾向があるからだ。
個室に入ると彼を便座に座らせて、自らスカートのファスナーを開けた。
その立派な杭を受け止めるために、腰をゆっくりと沈めていく。
唇を重ね、女の魅力を存分に発揮して彼をその気にさせていく。
彼の両手を持って頭の上まで上げさせ、腰をグラインドさせていく。
隠し持っていた手錠をいきなり彼の手首と、後の配管パイプにカシャンっと音を立てて繋げてしまった。
男のスパイ なっ、何のマネだ!?
女医:明子 ふふふっ……慌てないで…楽しみましょ?…
そこからサディスティックな明子の顔が、本領を発揮する。
淫欲に目覚めたかのように、官能的で艶めかしい腰のグラインドが男を襲い始めた。
それは美貌を誇る女とは思えない、品位に欠けた本能を剥き出しの雌豹の動きに他ならない。
堪らずに射精をすれば、直ぐにグラインドが再開され、苦悶を浮かべる顔に興奮した明子がさらに攻める。
3回も射精をすればさすがに弱くなる。
すると明子はバッグから何かを取り出した。
リング状の物をを彼のベニスに嵌めて、根元まで下ろす。
苦悶する彼の顔と同じように、血流が制限されたペニスが赤黒くなって勃起が強制的に維持された状態になった。
女医:明子 もう少し付き合ってもらえるかしら?…
男の地獄はまだ、序章に過ぎなかった………。
あぁっ…あぁっ…あぁっ…………あぁっ!!
ペニスを奥深くに咥え込んだまま女は腰を痙攣させ、白い臀部をぷるっ!ぷるっ!…っと震わせた。
下僕 落ち着けるところに移動しませんか?…上に部屋を取ってあるんです…
願ってもない誘いに二つ返事で、彼の誘いに乗った。
部屋に入るやいなや2人は抱きしめ合い、ベッドになだれ込む。
服を奪い合うように剥ぎ取り、また唇を重ねる。
下僕が女の身体を隅々まで舌を這わせ愛撫する。シックスナインの形を取り、互いの性器を貪り合う。
先に音を上げたのは、女だった。
口から離したペニスを手に握り、甘い咆哮を上げる。
狂おしい快感に暴れ、体位を変えて正式なクンニリングスで逃げられなくなった。
どうにかなりそうになって、やっとオーガズムを迎えた。
逞しいペニスが入ってきた。
会場で交わった時とは比べ物にならない快感に襲われ、その快楽にたっぷりと浸った。
打ち込まれるたびその喜びに震え、スパイの気高さは微塵もなくなった。
こんなセックスを渇望していた。
やっとそういう相手と巡り合った。
その喜びを一心に受け止め、繰り返し上り詰める。
射精を受け止め、さらに注がれ続ける地獄のような快感。
涙を流し、よだれを蒔き散らして狂った………。
男はいま明子の下僕となり、組織の制裁を逃れた。
その代わりに時おり明子の相手をさせられ、その身を削って奉仕をする一人になっている。
女も同様に産婦人科医院のスタッフとなり、特定の下僕専用の看護師に名を連ねている。
その身体はさらに女性らしく妖艶な変化を見せ、ある部屋から月に何度か、悩ましい声が聞こえてくるという…。
そんな産婦人科医院がある街にひっそりと存在し、その建物を今日も朝日が照らしていた。
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