………飢えていた。
本当は女に、セックスに飢えていた。
いつの頃からか夜の性生活は夫婦のコミュニケーションの意味をなさなくなり、妻が子供を欲しいがための義務的な行為に辟易する生活。
全てを投げ出せたら、どんなに楽だろうか…。
そこに来てこの美人女医が現れた。
こんな残酷な出会いがあるのか………。
まだ30代半ばだというのに性欲は枯れてしまったと思えるほど拒絶反応を感じていたのに……。
気がつくと淫らな妄想をしてしまうとは……。
そして今、自分はこの女医の魅力に負けた。
派手ではない落ち着いた美貌の顔、白い肌に細いウエスト、程よい大きさの乳房、この女臭………全てが己を狂わせる。
可愛いクリトリスを刺激すれば理想の声を漏らし、溢れ出る分泌液が止まらない。
スカートを被せられて見えないが、腕を伸ば乳房の柔らかさが痴情を掻き立てる。
妻はこんなことをさせてはくれない。
オーラルセックスなんて、不潔としか思えないような堅物では決して味うことは出来ない女性器の匂いと、この味わい。
堪らない……堪らないじゃないか…。
明子の見立てた通り、この夫は飢えていた。
こういう男を手懐けることは、明子にとってこの上ない喜びでしかない。
自分の下で必死に舌を動かずこの人の夫が、可愛くて仕方がなかった。
この哀れな男の頭を撫でながら、寄せられる快感に浸る。
いつだって飢えた犬の舌技は素晴らしい。
このまま…このままよ…もっと…ほら、もっとよ!…
明子は内腿で犬の顔を挟み、窒息させんとばかりに性器を押しつけた。
そう…そうよ……気持ちいい…だめ…だめ…………もうだめ………あぁ……………………んっ!!…
明子の許容を越えた瞬間、身体が大きく弾んでその先を拒んだ。
ゆっくり顔の上から腰を上げると、顔を紅潮させてだらしのない至福に酔う男がいた。
女医:明子 さぁ、これで大丈夫かしら?
ムックリと上半身を起こした人の夫の股間に手を添えて、ファスナーを下げる。
見事に勃起をしたペニスを取り出して、そのまま上下に擦りはじめた。
表情を歪める彼の耳元で、明子はそっと囁いた。
女医:明子 どうしたの?……気持ちいいの?…
夫 うっ………んっ…………あぁ〜………うっ……
女医:明子 そうよ〜……このまま出しちゃいなさい…
ところがこの夫、喘ぐ割にはなかなか射精をしないではないか。
自慰行為を繰り返していたか、厄介な遅漏かもしれない。
仕方なく明子は元気なペニスに顔を寄せ、口の中に収めた。
むぅ~っと蒸れた臭いが鼻から抜ける。
舌を絡ませてなぶってやり、頭をヘッドバンキングさせる。
強弱をつけ頬を凹ませて密着感を増してやる。
あぁ〜いいじゃないの……悪くないわ、コレ……
明子にそう思わせたとき、その兆候を表した。
急いで根本を手で締め付けて阻止する。
ぐぅ~っ……苦痛を訴える夫を無視した。
夫 なっ……いったい何をするんだ…
精液の採取用の入れ物を棚に置いて、明子は不敵な笑みを浮かべて言った。
女医:明子 精液を採取する方法は、他にもあるのよ?……
夫 なっ……何を言ってるんですか……
立ち上がった女医を見上げながら、その意味に気づいた夫は最後の理性を総動員させる。
願望を抱くのと、実際にするのとは次元が違う。
事後には後悔と自責の念に悩むのは、目に見えている。
さすがに罪の意識がブレーキをかけたが、女医は聞く耳を持たないようだ。
自分を跨いで膝立ちになった彼女を前に、首を振って拒絶を示した。
欲望と理性がせめぎ合う状況では、それが精一杯だったのだ。
それなのに先端に柔らかい粘膜が触れた。
ゆっくりと包み込まれる感触を覚え、温もりの中へ飲み込まれる絶望を感じた。
なんとも言えない感覚に、劣情を煽る自分がいる。
卑しさに己を呪い、腰を動かされて伝わる快感に煽情的に変化する自分を止められなかった。
この官能に誰が抗えるというのか………。
目の前で揺れる乳房にむしゃぶりついた。
若い頃に一度だけその手の店に行ったことがある。
プロの凄さに放心するほどセックスを味合わされたが、その時の腰の使いかたよりも凄い。
流れるように滑らかで、少しも無駄がない。
女医の甘い体臭と汗の臭いが混ざり合い、情欲をそそる。
こんな淫らなセックスがあったとは………。
くっちゃ…くっちゃ……この状況に華を添える水音が臨場感を意識させ、伝わる体温と膣の感触が嫌でも現実であると脳に知らせてくる。
だっ………だめだ………もう、保たない……
その兆候を見逃さず飛び退いた明子はサッと容器を手にし、ベニスにあてがった。
思いのほか黄色味がかった濃厚な精液が、勢いよく放心された。
ピュッ!……ビュピュッ!……
手で根本から絞り出すように、明子は優しく先端に向かって出してやった。
容器の蓋を締めて、彼を見やる。
女医:明子 いっぱい出ましたね……良かったわ…
夫 ………………。
放心する表情からは、自己嫌悪の文字が見えるようだった。
仕方がないという思い、物足りない気持ちが明子を突き動かした。
生臭いペニスを口な含み、舌を這わす。
全てを拭い取るように舐め取ると、頭を上下にと動かしていく。
悲しげな表情をしていた夫の顔が、理性を失っていくように歪む。
敏感になったペニスは過剰な刺激を訴え、やがて本来の役目を果たすために軌道を修正していく。
再びそびえ立ったペニス。
女医:明子 あら……どうしたの、また元気になるなんて……
怪しい光を灯した目を明子に向けて、夫はオスの顔になっていた。
女医:明子 欲しいの?……今回だけ、特別ですからね…………絶対に内緒にできるなら………
異存なんて、あるわけがない。
その後にトラブルになったこともない。
当然だった……明子には下僕となった男が数人いるのだ。
この男も、その中に加わることは疑いの余地はない。
彼の上に再び腰を下ろす。
硬くて熱い杭が、子宮頸部に当たった。
再び明子の腰が、躍動を始めた…………。
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