なんの因果なのだろう、神様は意地悪らしい。
丸椅子に座る男性医師がこちらに向き直り、その顔を見た瞬間に来たことを後悔した。
男性の医師だったことに軽い落胆を覚えたことは、まだいい……願望は必ずしも叶うわけではない。でも、どうしてこんなに素敵な男性なのか。
夏子は内心の動揺を隠し、この偶然を呪いたくなった。
男性医師 こんにちは……今日はええと…子宮がん検診ですね…
初対面のこの男性医師はあまりにも爽やかで、そのくせ嫌味なほど夏子の好みだった。
彼と別れてからもう、恋愛は卒業したのだ。
女として生まれたからには、そこに葛藤がなかったわけではない。
その気持ちにきっぱりと決別する前にこの男性に出会っていたなら、あるいはわからなかったかもしれない。
夏子の女心は重い蓋を退けるほどの力強さはまではなかった。
それは身を引き裂かれるようなあの別れで、心のダメージが大きかったから……。
年齢を重ねてからの痛みは、想像以上にキツかったのだ。
良くも悪くも今日は検診に来たのだ。
彼は医師で、自分は検診を受けるに過ぎない。
夏子は心が急速に気持ちが冷めるのを感じた。
何を期待したの?……これでいいのよ、これで……。
そう…私は見ず知らずの男性に、見られたくないところを診られるのだから……。
そこに愛は存在せず、せめて羞恥心にバカな自分の女心を焼かれ壊れてしまいたかった。
そもそも目の前の彼はどう見ても自分より幾つも若いのだ……勝手に舞い上がった己の馬鹿さ加減に辟易する夏子…。
男性医師 乳がん検索はされてらっしゃいますか?
夏子 ここ数年は、してないかも………
男性医師 安心を買うと思ってなさっておいて
も損はないと思いますよ…いかがされますか?
夏子 はい、じゃぁ……お願いします…
もう、どうでもいいと思った。
薄手のニットを捲り、背中に手を回す。
緩んだブラジャーを重たそうにたくし上げる。
羞恥心が夏子をジリジリと焦がし、苦しくなった。
フルカップブラからポロンと弾ませて乳房が顔を見せる。
男性医師の目にはまるでプリンかババロアのように見えて、とても魅力的に映る。
ぷっくりした茶色い乳首にむしゃぶりつきたい、そんな衝動をひた隠し、柔らかい乳房に指先を食い込ませた。
指先で異物感がないかを探り、軽く眉間にシワを寄せる夏子に乳首に触れる説明をする。
驚きを隠せるくらい大人の対応を見せた、夏子の乳首を左手の人差し指と中指で摘む。
フニャフニャと揉んで、絞るような仕草ですぅ~っと先端で離す。
右手親指で先端をスリスリと擦り、赤茶色の液体が出ていないかを確認をする……ふりをする。
それを真剣さを装い、繰り返し続ける…。
夏子が引き結んだ唇を僅かに動かず。
男性医師は視界の隅で反応を見せまいと苦悩する、そんな夏子を見て密かに楽しんだ。
もう片方の乳房も念入りに、丁寧に毒牙にかけていく。
左手乳首と同じように、右側の乳首も見事に勃起をしてみせてくれた。
夏子はしたくもない空咳をして、魅惑の感覚に飲み込まれまいと自分を誤魔化そうと足掻く…。
成功しているようには見えなかったが……。
男性医師 はい、結構です……まずは大丈夫かな………。
ほっとしながらも彼の目から早く隠したくて、速やかにブラジャーを着けた。
生理現象を見せた乳首を見て、彼はどう思ったのだろう………。
女の身体は見慣れてはいるだろうが……何を今さら恥ずかしがるのか、嫌になる。
男性医師 ではあちらで下着を取って、用意が出来たら声をかけていただけますか?…
夏子は憂鬱な気持ちでそこまで移動をし、衝立の陰でストッキングの次にショーツを足から抜き取った。
ひとつ深呼吸をして気持ちを落ち着けさせてから、夏子は用意が整ったことを彼に告げた………。
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