人の目をしっかり見て、嫌味のない受け答えをする彼女。
その仕草や対応力を感じさせる北見冴子は、仕事の出来る女性なのだろうと思えた。
同じ女性なのにどこか嫉妬を覚える美しさと彼女の持つあの雰囲気。
彼女の部下………男性は、知性と強さを兼ね揃えた冴子には、尊敬と憧れ、ある種の恐怖心を抱いているかもしれない。
診察台に乗った彼女の下半身は、その見た目にも年齢を感じさせないきめ細やかな白い肌、どこにも贅肉のない適度な筋肉質であることが分かる。
今どきは順子や彼女の年齢層も完全に脱毛をする女性が増えたが、冴子は洗練された見た目にもかかわらず黒々とした陰毛が誇示をするように、その存在を見せていた。
洗浄、クスコを挿入しての視診で中の確認に移る。
健康的な色、潤いを帯びた子宮口が待機しているのが見える。
女医:順子 北見さ〜ん、それでは細胞診をしていきます…
第一段階として、クリトリスを診ていきますよ…
冴子 えっ…何の意味があるんですか?
そう来ると思った。
女医:順子 この検査には密接な関係があります……北見さんの子宮頸部は…………
順子は素人には理解できそうもない、もっともらしい詭弁を並べたてた。
どこか納得もできない、拒絶する理由も見つからない心理状態に追い込む。
女医:順子 ですから、必要なんです。
女は痛みに強いはずですから、別の感覚にも対応はみなさん、できてますよ…頑張りましょうね…
何を頑張るというのか。
別の感覚と言葉を選らんでいるが、要するに快感を伴うから耐えろという無理難題ではないか……。
女医:順子 それでは、なるべく動かないで下さいね………
そういうと順子は用意していた、ある物を取り出した。
いくつかある一つを選び、包皮をツルンと剥いて露出させたクリトリスにあてがった。
独特の音が、鳴り響き出す………。
女医:順子 違和感とか、痛みはありますか?
冴子 なんですかこれ?………なんかちょっと…
女医:順子 合う物と合わない物と、個人差はありますからね……別の物にしてみましょうか……
やや大き目のクリトリスを持つ冴子には、微妙に合わなかったようだ。
これならばと順子は、もう一つの物を試した。
今度の物はここ最近になって出てきた、消音機能にも優れた最新型である。
流線形のデザインにも優れたその器具の名称は、世の中ではウーマナイザーと呼ばれている。
女医:順子 今度はどうでしょう……違和感はありますか?
冴子 あの……慣れてないので…こういうの…………違和感を聞かれても、どう言えばいいのか……
女医:順子 変な感じとか、痛いとかは?…
冴子 痛くは………ちょっと……くすぐったい…
女医:順子 頑張りましょうね………北見さんは…管理職でらっしゃいますよね……大変でしょう?
冴子 医師の先生はもっと、大変なんじゃないですか?
女医:順子 仕事ですから…でも、やり甲斐を感じてます
冴子 私も……同じです…………やり甲斐が…あって…
女医:順子 男社会で苦労もおありでしょう?
冴子 ……まぁ…それなりに……………………あるかも……
女医:順子 でも、凄いわ…私もスーツで決めて男を顎で使ってみたいわ……
冴子 ふふっ……顎で使う………………なんて、そんなこと………して…………………………………………………………………
女医:順子 格好いいもの…憧れますね……
冴子 ……………………………………………。
密かに仕掛けたカメラは、順子の手元のモニターに両手で口を抑える冴子を映し出していた。
すでに会話が怪しくなり、必死で繕っていた冴子の体裁もここまでだった。
ウーマナイザーにスッポリと覆われたクリトリスは、圧縮された空気に叩かれて充血していた。
どこにも触れてもいないのに、空気の塊によって得も言われぬ官能を冴子に味あわせていく。
身をよじって、必死に耐える冴子。
いや……彼女はもう、溺れていた。
足音もなく側で控えていた順子の下僕、密かに彼と交代する。
彼がそっと指を挿入した。
はっ……っと目を見開いた冴子は異変を察知したが、声を出せば言葉になる前にどんな声が出てしまうかを恐れた。
厚みを増した快感は、冴子のプライドを黙らせた。
下僕は指に小さな突起が無数に付いた指サックを装着し、それを前後に揺らす。
違和感に嫌悪する前に、呼び起こされた淫欲が上回る。
キャリウーマンが翻弄される姿がモニターの中で、身を躍らせていた。
女医:順子 代わるから、行ってらっしゃい…
何やら指示された下僕は順子と交代する。
堂々と結界を越え、冴子の顔の横に立った。
冴子の顔の前には、下僕の股間が間近にあった。
身を固くしながら気配に気づいた冴子が、目を開く。
なぜ目の前に人の股間が見えるのか、思考が働かない。
それでもこんな状況なのにカーテンで隔てられたこちら側に人がいる、異常事態は感じていた。
声を上げられず、抗議も抵抗も深い劣情の最中にいては、どう判断をしていいのか分からない。
冴子は自分の手を掴まれて、目の前のズボンの膨らみに添えられるのをされるがまま見ていた。
上下に撫でさせられ、形状から男性だとの認識はあった。
なぜかファスナーが降ろされる。
恐れや嫌悪、動揺は、絶え間なく続く快感の前には無力。
飛び出したペニスを見たときには、後悔という名の概念を見失っていた。
それを握らされると一瞬だけ浮かび上がった嫌悪感はすぐに色情に掻き消され、逞しい印象が残る。
口元に添えられると、自然に舌が動いていた。
情欲をそそる男の匂いが、官能的にさせる。
いきそうなのに、いけないもどかしさをか抱えて口に含む。
舌にねっとりするものが絡みつき、性器の匂いが鼻から拔ける。
防衛本能が冷静になれと、警鐘を鳴らす。
考えればきっと嫌な気持ちになりそうな気がした。
口からペニスが引き抜かれる。
目前から去るのが分かっただけだ。
とても良かったのに、器具が外されてしまった。
疑問に思う前に強烈な快感に、また身を固くさせる。
人の舌だと理解できただけで、抵抗する気持ちになるほど余裕はなかった。
自分の欲するままに、高まっていく。
これを誰が拒絶できるというのか……。
待って……待って……待って………もう………
冴子は身体を弾ませて、壮絶な快感から離脱した。
息が整わないのに、何かが身体に入ってきた。
有無を言わせない暴力的な快感を、身体が享受せざるを得ない。
とっても欲しかった。
力強い勢いが、奥に何度も当たる。
入口から奥までを何度も貫き、半分くらいの位置に留まって攻めてくる。
そしてまた奥まで貫いた。
こんなのって……堪らない……。
衰えない勢いが、襲いかかる。
何度も何度も入ってきて、その勢いのままに続く。
疲れてを知らない硬いものが、狂わせる。
凄い……こんなの知らない………いいぃ……
休まずペースも落とさず、突きあげた。
咥え込んだ入口が生き物のように、淫らなに変形を繰り返す。
包皮を潜り抜けたクリトリスが、姿を晒したまま隠れようもとしない。
ペニスが膣壁に沿って、壁を擦る。
何度も、何度も、何度も………。
冴子が突然、腰を持ち上げた。
ブリッジをするように隙間が空き、膣壁が収縮した。
下僕が両手で腰を掴み、勢いをつけて打ち込む。
下僕の強かな震えと共に、静かになった。
冴子は濃霧の中に立ち、何度も脈打つようにするペニスを身体の中に感じていた。
ここ数年で……いや、これまででこんなに感じさせられたのは初めてだった。
どうにかなりそうだったのに、終わってしまうと呆気なく感じる。
穏やかに引いていく心地よさに、浸っていた。
なのに……………。
身体の中で、再び躍動が再開するなんて………。
敏感になった身体が即座に反応する。
女に生まれた嫌悪、それ以上の快楽に飲み込まれその肉欲に酔った。
もうじゅうぶんだと思ったのに、今は欲っしていた。
もっと……もっと……もっと………。
突かれるほどに愚かしく、プライドもなく感じる。
そして、オーガズムに包まれた。
憔悴する冴子の心と身体、無慈悲にも輸送が始まる。
もう………おかしくなる……
自分が自分ではなくなる感覚を覚え、冴子は狂った。
胸の前は開け、いつの間にか男が覆いかぶさられていても、淫らな声を上げた。
男が果てるまで………。
1ヶ月が過ぎ、更に一週間が過ぎて冴子は現れた。
仕事帰りなのか、特別枠の夜の来院だった。
夜の闇に、冴子の甘い声が響いた………。
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