以前に子宮筋腫と診断されたときに、必ず定期的な受診を勧められていた。
分ってはいてもどうしても腰が重くなって、あれこれと自分に言い訳をして病院から遠ざかっていた。我ながら自分の性格が嫌になる。
どうせいずれはちゃんと検査をしなければいけないのだ、時間をかけるよりもちゃちゃっと終わらせたい。痛みがほとんどなくて口コミになるくらいだからと、それも優子の背中を押した理由だった。
女医ー それじゃ用意をしますから……
そう言うと彼女はテキパキと準備を始める。
医療器具なのか金属製の物が音を立ててトレイに並べられる、それが優子の耳に届く。
キャスターの転がる音が近づいてきて、優子からは見えない目隠しのカーテンの向こう側で止まった。
女医ー それじゃ始めますね、なるべく力を抜いてリラックスしてください
優子ー あの、本当に痛くないんですか?
女医ー それは大丈夫です、ちょっと合わせてみますから動かないでいてくださいね……
不安を拭えないまま優子は、ドキドキしながらも女医に委ねた。
あれは何とかいうのか、医療用の手袋をしているらしい指が性器に触れた。
粘膜が押し拡げられ、上に伸ばされる。
普段は隠れているクリトリスが空気に触れる感覚を覚えて、複雑な気持ちになった。
何だろう、プラスチック製か何か固い物が軽く押し当てらた。それが数回繰り返され、何度目かの物で決定したらしかった。
女医の始めます、その言葉に続くように医療器具が作動し始めた。
こそばゆいというか、むず痒いような、なんとも言えない感覚が伝わってくる。
静かな空間に安っぽい音が滑稽に響くので、不安と情けなさで、居たたまれなくなりそうな気持ちを努めて抑え込んだ。
なんとも言えない感覚だった。
クリトリスが囲まれているようで、それでいて少しも触れていないのに刺激を覚えている。
例えるなら空気の塊がぶつかってくるような……。
されたこともしたことももちろん無いが、羽毛で擦られるよりもソフトで、だんだん変な気持ちになってきた。
優子は思考を巡らせることで、神経を分散した。
職場の同僚にも親友にも知られていないことが、優子にはある。
ひょんなことから知り合った3つ年上の男性とこの一年、同棲をしているのだ。
山岳カメラマンの彼は2〜3ヶ月ごとに部屋を開ける、すると1ヶ月は戻って来ない。
頬はコケて無精髭を生やし、少年のような笑顔で帰宅する。
あとは部屋に籠もって撮影してきた画像の整理などに追われる。
お互いに干渉しない生活スタイルが心地よくて、優子は誰かが居る安心感が嬉しいのだ。
それでも度を越す彼を部屋から引っ張り出して、バスルームに導く。酷い臭いを放つ彼を、それだけは我慢できないからだ。
無精髭もなくなりさっぱりした彼に食事をさせる。
やっとひと心地つく彼が、やっと人間らしい顔に戻る瞬間だった。
もう何年も連れ添った熟年夫婦のような暮しが、優子には合っていた。
独りのときには台所に立つことはあまりない優子だが、彼のために料理を作り、後片付けをするのにまた台所に立った。
そんな優子の後に忍び寄り、ベッドまで連れて行かれると決まって朝方まで何度も抱かれた。
初めのうちはこんなことは、とても耐えられないと思っていた。
それなのに回数を重ねていくうちに、彼の
動物並みの精力の強さに何度も導かれ、自分でも意外だったが離れられなくなってしまった。
いたずらに激しいのではなく、だらだらと無駄に長いのでもなく、適度に強くて絶妙に波がある。
それでいて確実に何度も、頭の中をを真っ白にさせられるのだ。
これといって不満はない優子だが、強いて言うならば家を空ける時間が長いことだろうか。
セックスなんてしなければしないで構わない、むしろ煩わしい男女の営みなんてなければいいと、そんな優子の概念を変えてしまうほど彼との交わりは、優子を女にさせた。
いけない、何を思い出しているのか……思考をあらぬ方向に向かわせたのは、もう1ヶ月以上も家を空けている彼のせいだ。それに……この感じ……。
女医ー少し我慢しましょうね、あまり動くと検査を続けられませんよ
優子ーあ、あの先生……なんか、あの……
女医ーいいんですよ、刺激を与えないと分泌液を取れませんから……感じていただかないといけないので。副作用というのは違いますけど、必要量を採取するにはどうしても必要なので、がんばって下さい。
優子ーあ、あ……でも……
女医ーこれも必要な医療行為ですからね。
優子ーあっ……はい………んっ………ふぅ~……んっん…
無慈悲なモーター音が鳴り続き、優子の内ももが震える。
腰をくねらせ、次第に持ち上がり始めた。
女医ーあまり身体を動かすと検査にならないですから、ごめんなさい、保定しますね……
一旦その場を離れた女医が内線だろうか、何かを喋る声が優子にも聞こえた。よく聞き取れなかったが、直ぐにそれが何だったか分かった。
この空間に誰かが入ってきた。
マスクをしていて声がくぐもっていても、それが男性の声だと嫌でも分かった。
そんな………。
優子ーせ、先生?
女医ー大丈夫です、私と同じ医師ですからね。
何が大丈夫だというの、こんなこと聞いてない。
男性に見られたくないからここを選んだのに。
ましてやこんな検査を男性に見られるなんて、耐えられない……。
女医ーじゃあ、続けますね、ちょっと脚を抑えますけど検査の為ですからね
女医がそう言い終わると同時に、忌まわしい刺激が下半身から伝わってきた。
優子は思わず両手で口を抑え、呻き声ひとつ聞かせたくなくて固く目を閉じた。
足のが浮き閉じそうになる膝を男性らしき手に、しっかりと抑え込まれる。
ここまで感じさせられると我慢できるレベルはとうに過ぎている。
剥き出しにされたクリトリスが刺激され続けられたら、誰だって………。
出来ることなら耐えたかった。
高まる快感を抑えようとも腰が浮き、背中が勝手に反り始める。
こんなの…………もう……我慢できない……
優子は一度腰を弾ませてストンッと落とすと、まるで電気を流されたようにビクビクと震わせた。
女医ーどうかしらね…
男性医師ーそろそろ良いみたいですね…
何やら会話を交わすマスクでくぐもっった声が、優子にも聞こえたが言葉まで聞き取る余裕はあるはずはない。
未だ引ききらない波に漂っているのだから。
医師の2人は膣口から溢れ出る透明の分泌液が流れ出て、光沢する肛門がふにゃふにゃと動く光景を目にしていた。
女医ー準備が整ったようなので、器具を挿入していきますね。
今は膣分泌液がいっぱい出てる状態なんですね。
ある程度かき出してから、もう一度挿入しますからね。2度目のときは違う器具で採取をしますからね、痛みはないと思いますけど違和感とか痛みがあったら調整します、我慢しないで言って下さいね……それじゃ、リラックスしていてください……ゆっくり入れていきますよ〜………
心の準備がまだなのに、膣口に何かが押し当てられていた………。
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