女医:順子 こんにちは、北見冴子さん…ですね?………40歳でらっしゃる……まぁスタイルがよろしくて、節制していらっしゃらる…素晴らしいわ…
冴子 身体の代謝を落としたくなくて、週に何回か汗を流すように習慣づけるようにしてるんです。着たいスーツが着られないのは、つまらないですから…。
女医:順子 お仕事は、お忙しいですか?
冴子 中間管理職ですから、それなりに大変さはあるかもしれません…。
女医:順子 なるほど……お子さんは、いらっしゃらいますか?
冴子 いえ、私たちの間にはいません……
女医:順子 そうなんですね……パートナーとはどのくらいの頻度で、セックスはありますか?
冴子 あの……私たちは籍を入れてないんです。 結婚という形にはこだわらずお互いに干渉しない生活が、私たちには合ってますから。
セックスはあったりなかったり、そんな感じです…。
女医:順子 そうなんですね………ではバートナー以外にどなたかお相手は、いらっしゃらない?
冴子 えぇ…なんというか、時々は………
女医:順子 決まったお相手ですか?……それともその時にょって?…
冴子 いまは、決まった相手です……
女医:順子 そうなんですね…
順子は凛としたこの女性を、密かに観察した。
頭の切れそうな涼しげな瞳を持つ、同性から見てもかなりの美人。
生活スタイルは別として、パートナーがいながら自分の望む性生活を満喫しているということか。
この美貌だ、男が放っておかないのか、彼女自身が男を喰うタイプなのか……順子は後者ではないかと確信に近い印象を冴子に抱いた。
それは、いずれ分かるだろう……。
女医:順子 北見さんは、痛みには強いほうでしょうか?
冴子 えっ?
女医:順子 ごめんなさい…脅かすつもりはないいんです。今日は検診でらっしゃいますね?
マンモグラフィはご存知かと思います…
子宮の検査は今までにされたことは?
冴子 いえ…実はまだなくて…
順子は子宮頸部を器具を使用して細胞を採取することを、説明した。
その際に多少の出血をすることがあり、人にょってはそれなりの痛みを伴う。場所が場所だけに、やはり人にょっては恐怖心がある。
女医:順子 ただ当院は出血も痛みもない方法で検査が出来ます……でも一つだけ、我慢していただかないといけないんです…。
冴子 それは、どんなことですか?
女医:順子 細胞採取に関してはシリコンで造られた最新式の器具を、使用させていただいてます。熱線が内蔵されてますから、人肌に近いのでそんなに違和感はないと思います。
冴子 どんな器具なんですか?
女医:順子 子宮頸部に当てなければなりませんから、研究を重ねてペニス大のサイズだとお考え下さい…。
冴子 ……………。
女医:順子 この方法は子宮頸部を従来のように削る感じではなくて、ある程度、当て擦ると思っていただいて結構です。ですから出血や痛みが伴わないんです。その代わり、細胞採取の精度を上げるためには、それなりの時間を要します。
冴子 どのくらいなんですか?
女医:順子 それはその時のその方の、お身体の状態によって違ってきます。
5分くらいで終わる方もいれば、15分くらいは必要な方もいらっしゃらいます。
生理前とか排卵期の方はどうしても分泌液の量が多くて、こればかりは………。
冴子 でも出血も痛みもないんですね?
女医:順子 その為に考案された採取方法ですから…。でも一つだけ我慢していただくと申しましたの………個人差はあります、ご理解いただけますね?…
察しの良い冴子の耳が、赤く染まった。
女医:順子 デリケートな採取方法ですけど………安心を買える検査を、私はお勧めしています。
ストレス社会なんでしょうね、みなさん1ヶ月に一度はこの検査を受けに、お見えになります。
安心材料になりましたか?
冴子は羞恥を覚えた自分を、恥じた。
いくらなんでも懸念するほどの状態になるはずがない。
再来院する人の多さが、それを証明しているではないか。
北見冴子は、検査を承諾した………。
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