隅々まで洗浄を済ませてクリトリスに散々触れたが、さゆりは我慢強いようだ。
だが、足の指の動きと肛門が忙しく収縮しているのは、しっかり見ていた。
男性医師 冷たかったですか?
さゆり …………………はい
男性医師 今度は冷たくないですからね
触覚の検査をしていきますからね、痛みはないと思いますけど不快なら言って下さいね…
大事な検査です、はっきりと断言しておきますが、医療行為ですからね…では始めますよ〜……
さゆり …………はい…
もちろん不安だった。でも、マナー講師なのだ。
窮地の時こそ人の真価が問われると、常日頃から門下生に伝えている以上、今更怯むわけにはいかなかった。
生暖かい何かが触れた。何?…この感じ……まさか!
さゆり 先生?……何をしてるんですか?
男性医師 痛かったですか?
さゆり そうじゃなくて…何か変じゃないですか?
男性医師 皆さん初めての方は、びっくりするんでが……やっぱり痛かったんですね?
さゆり あの………舌ですよね?…
男性医師 そうですね……国の認定もある、正式な検査です……確認をされたら納得されますか?
さゆり …………………。
男性医師 一般的には認知が広がっていない検査ですので、誤解されるのは仕方がないと思ってます。残念ながら現代の医学では……………
男性医師の説明は、頷かざるを得なかった。
然るべき所で確認を取ればはっきりすることだが、十中八九間違いないのだろうと思えた。
男性に性器を舐められるなんて、なんてこと………
検査だから…これは検査だから…変なこと考えちゃだめ…こんなこと…何でもない…何でもない………
さゆりは呪文のように、同じ言葉を繰り返した。
かつてのパートナーとベッドを共にしたのはいつだったか、大人の失恋は辛かったから封印していた。それでも舌の感触を覚えていた。
その舌が、唇が、流氷船が水面に浮かぶ流氷郡を掻き分けるように、割れ目を割きながら進む。
気持ちが悪いのか何なのか、複雑な感覚に戸惑いながらさゆりは吐息を漏らした。
それが終着点に到達した。柔らかい包皮を唇が包み、舌がその上を覆った。
緩やかなうねりのように動き、舌先が踊る。
忘れていた感覚が蘇る……さゆりは着ているニットを握りしめた。
大丈夫…こんなの平気よ…誰が好きでもない男になんて…平気なんだから…何でもないんだから………
自己暗示の効果は如何ほどなのか、高まる快感に呼吸が早くなる。
負けてない…まだ負けてないから…あぁ…早く終わってよ…まだなの?…早くしてよ…早く…早く………
男性医師の舌の動きに身体が反応してしまう。
下半身の筋肉がピクリッ、ピクピクッと動く。
体温が上昇する、身体が暑い、恥ずかしい……。
証明がさゆりには眩しかった。
男性医師はさゆりの顕著な反応に興奮していた。
気づけばさゆりの乱れた呼吸が、耳に届いていた。
舌に絡みつく分泌液を次から次へと、飲み込む。
喉にへばり付いて辛いが、それ以上に興奮する。
そっと包皮を捲る、直接触れるクリトリスは舌触りがツルツルして心地がいい。
さゆりの反応が如実に上がった。
意地でも声を我慢するつもりらしい。
それでも構わない、いつまで我慢我慢続くのか見ものだった。
うねる腰をがっしり抑え、舌が疲れるのも忘れてさゆりの味を味わう。
ふっ!……んっ…はっ!…んんっ…んっ…はぁ~…んっ…
男性医師は目隠しのカーテンを密かに捲り、さゆりを盗み見た。
やっぱり快感に顔を歪ませる美熟女は、堪らない。
もう少しかもしれない、より舌を動かしていく。
首が持ち上がり、落ちかけては途中でまた持ち上がる。
助けを求めるかのように診察台の横を両手で掴み、上半身だけ逃れようとする格好になった。
突然、温もりのある液体が顔に噴射した。
ガクガクと腰を震わせながら、途切れとぎれの潮が噴き上がる。
さゆりにとって人生で間違いなく記憶に残った、クンニリングスで迎えた最悪で最高のオーガズムだった……。
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