最後は笑い合って別れたが、また誘って来るだろう。確かにあんなに精力絶倫そうな旦那は、いい歳した奥さんも、迷惑だろう。他所でやって欲しいと思う気持ちもよく分かる。あたしの元旦那もそうだったから、冗談でなく外でやるように言ってた。
夕方、帰り道のコンビニに立ち寄ったら、河本さんがいた。ついに待ち伏せしたか。
「いゃー偶然コンビニ寄ったら、ついてるなぁ、所長さんに会えたよ」
「本当ですか、またまた、待ち伏せとか」
「こんな年寄りがそこまではしませんよ」
「せっかく出会えたんだから、そこの公園の駐車場でコーヒー飲みながら立ち話でも、主婦は忙しいでしょうから」
意外にも食事に誘われなかった。立ち話なら、断りにくいな。仕方なく、河本さんの外車について、公園の駐車場に行った。
駐車場では、立ち話もなんだからと、なぜか後ろの席に入るよう勧められた。
入るとそこには、太った髭のある、坊主頭のまるで達磨のような老人が、好色な笑顔で手招きしてる。
「こいつも、すっかり所長さんのファンで」
「仲村です。河本の同級生で、何度か施設も伺ってますよ」
そうだ、前に何回か河本さんが達磨オヤジを連れて見舞いに来てた。
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