男の妻と名乗ったアキコは目の覚める様な美形だった。
クッキリとした目鼻立ちは大輪の華を思わせるほどの派手な美しさと同時に気の強さを感じさせる。
スラリとした細身の体型で胸の厚みはそれほどではなく、身長も高くはない。
子供が男女一人ずつ、ともに小学生ということだ。
物怖じなどまるで感じさせないアキコと対照的に、夫のアツヤは奥さんにこっぴどくやり込められたらしく、顔色も悪く、長身なのに体が萎んで見えるほど生気が感じられなかった。
オズオズとアキコの影に隠れるようにしてリビングに入ってきた。
色男がみじめなぐらいに台無しだ。
挨拶など必要ないと言わんばかりに話を始める。
当然のようにアキコが主導権を握り、その気の強さが如実に現れている。
「ところで奥様の謝罪はまだかしら?ずっとそれを待っているんだけど、、、」
「実は妻はまだ不倫の事実を認めてないんです、、、肉体関係は無いと、、、セックスはして無いと言い張っているんです、、、」
アキコは呆れた表情で妻を見た。
「今さら、往生際が悪いわね、、、いいわ、ご主人に二人のセックス動画を見せてあげる、、、」
「えっ、、、」
「アキコ、、、それは、、、」
男二人が同時に声をあげた。
「アナタは黙っていて、、、」
男は忌々しげに顔を背ける。
ユキナが真っ青になって顔をうつむかせる。
やっぱりな、、、
おそらくは男のスマホに、、、
そして、、、ユキナのスマホにも、、、
ユキナの目論みは呆気なく崩れ去った。
もう、おしまい、、、
でも動画だけは夫に見られたくない、、、
夫の知らない、はしたないオンナの自分を、、、
「それだけは許して下さい、、、わたし、、、ウソをついて、、、本当に、ゴメンなさい、、、」
絶望に震えながら、何とか謝罪の言葉を口にする。
「ようやく認めたのね、、、こんなに証拠も揃っているのに、、、」
アキコが報告書に目を通す。
「最初から奥さんが誘ったんですってね?」
「違います、わたしは酔わされて、、、わたしから誘ってなんかいません、、、」
「寂しいと言ってたじゃないか?夫じゃ満たされ無いって、俺の肩に頭を預けてきたじゃないか?それは誘っているということだよ、、、」
そんなことをユキナは言ったのか、、、
「それは、、、酔わされて、、、そんな雰囲気にさせられて、、、それに、、、やっぱりダメって、わたし、、、」
「それは誘惑してるわね、、、それにダメって、、、本当に嫌なら幾らでも逃げることが出来たはずよ、、、奥さんね、、、その歳で子供じみた言い訳はもうやめましょうよ、、、みっともない、、、」
「でも、、、わたしは、、、」
「半年も関係続けてるのよ、、、出来心じゃ済まないでしょうに、、、それに、アナタだけじゃないのよ、、、」
つづく
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