しびれを切らしてユキナがピザを本当に注文した。
しかし実際にピザを目の前にしても、ほとんど口にはしない。
強がっているのがモロわかりだ。
「ねえ、、、コユキも、アナタも食べていいのよ、、、一緒に食べよ、、、」
会話のない雰囲気に絶えきれないのか、再び甘い口調で誘ってくる。
「俺はいい、、、」
本当に食欲がまるでわいてこない、、、
「コユキは食べなさい、、、育ち盛りなんだから、体に悪いだろう、、、ちゃんと食事は取りなさい、、、」
「うん、、、わかった、、、」
「そうだよ、遠慮しないで母さんと一緒に食べよ、、、」
コユキはユキナには身向きもせずに食べ始めた。
俺に気を遣っていたんだな、、、
涙がこぼれそうになる。
中学二年にしては大人びて、ませたところもあるけれど、優しくて美しい娘に育ってくれている。
どんなことになったとしても、この世で一番大切な娘、、、
これからは俺が守ってやらないと、、、
「コユキ、、、食べたら、二階の自分の部屋に行ってくれないか?もうすぐ、相手も来ると思うから、、、」
「イヤだよ、、、わたしも話を聞く、、、」
「それはダメだ、、、これは父さんと母さんの問題だ、、、」
「そうじゃないよ、わたしにも関係ある、、、」
「そうだな、、、でも、ゴメン、、、父さん、あの男に可愛いお前を見られたくないんだよ、、、父さんのワガママだ、、、たのむ、、、」
あの汚らわしい男に娘をイヤらしい目つきで見られたくない、、、絶対に、、、
「わかった、、、でも後で全部教えてよ、、、絶対だよ、、、」
「わかった、、、約束する、、、コユキ、ありがとう、、、」
「大丈夫だからね、コユキ、、、母さん、浮気なんてしてないから、、、」
ユキナに冷たい一別をくれて、コユキは部屋へと向かった。
二人きりになると、更に気まずさが増してくる。
「ねえ、アナタ、、、」
「なんだ?」
「わたし、、、本当にアナタだけを愛しているんだよ、、、浮気なんて一度もしたこと無い、、、他の男とセックスなんて、これからだって絶対しない、、、わたしね、、、、、」
もう聞きたくない、、、
虚しくなる、、、
俺には全部分かっている、、、
その時、チャイムがなった。
つづく
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