土曜日、朝一番に娘のコユキがウキウキとして外出して行った。
こんなに元気な娘を見るのは久方ぶりだ。
「お母さん、行ってくるね、、、遅くなるから晩御飯はいらない、、、じゃあ、お父さんも、いってきます!」
「いってらっしゃい、、、」
夫婦でコユキを見送り、リビングへと戻る。
「随分と機嫌が良かったな、、、」
「きっとデートよ、、、間違いないわ、、、」
さっき娘の部屋で偶然、着替えを見た。
派手ではないがセクシーな下着を身に着けていた。
母親の自分が見てもハッとする大人びたカラダつき。
まだ中2なに、自分にも負けていないと思う。
確信はないがコユキはもう男を知っていると感じていた。
自分譲りの白い肌は艷やかで、豊かな乳房はカタチの色っぽさが処女のそれとは違う。
ただそれも単なる母親のカンに過ぎないが、、、
「デートって、、、あの男の子とか?」
夫は余りあの男子には良い感情をもっていないようだ、、、
2度ほどわたしと一緒に会ったことがある。
確かに外見も良く、如才はないが、何か小賢しい、、、
隠してはいるが、中学生なのに人を舐めている気配を感じることがある。
わたしも正直、いい印象はもっていない。
しかし、娘のタイプに文句をつけるわけにもいかない、、、それに、、、
「多分、違うと思う、、、今日、逢うのは違う相手だと思う、、、」
「何かコユキが言っていたのか?」
「マナブ君だったら、そう言うはずだもの、、、だから多分だけど、、、でも、あの子、急に一段と大人っぽくなったわ、、、それにすごくキレイになった、、、」
「そうだな、、、お前の娘だからな、、、」
「そんなこと、、、」
でも夫に言われるとやっぱり嬉しい、、、
夫の表情も随分和らかくなった気がする。
でもまだ話がまとまったわけではない。
ユキナは当然のように自ら会社を辞めた。
会社には引き止められたがユキナの決意は固かった。
あんな男のそばにはもう居たくない。
あんな男も会社では大変なことになったらしい。
話はついた筈なのに、別れた女子社員が奥さんと別れて結婚して下さいと会社で騒ぎ立てたそうだ。
社内が大騒ぎになるなか、他にも関係を持った女子社員が発覚し、ユキナの名前も挙がったようだ。
もう出世は諦めるしかない。
出世どころか左遷は間違いない。
ある意味、ユキナはいいタイミングで退職したのかも知れない。
そしてユキナが自ら進んで退職したことが、夫の自分に対する態度を穏やかにする要因になったのは確かだと思う。
でもまだ話が済んだわけではない、、、
最難関の問題が残っている。
ユキナは決意を固めた。
これを乗り越えなければ夫婦の未来はもう無い。
正直、ことがことだけに乗り越える自信など無い、、、しかし、娘が遅くなる今日はある意味、いい機会だ。
しびれを切らした夫がアレを一人で見て愛想を尽かされたら、もうおしまいだ。
気はまったく進まないがもうかけるしか無い、、、
「あなた、、、」
「何だ?」
何となく夫も察しているようだ、、、
「あのメモリーカード、、、気になっているんでしょう?」
「ああ、、、そうだな、、、」
ずっと気になっていた。
あの中に俺の知らないユキナがいる、、、
やっぱりユキナの、、、本当のオンナの姿を知りたい、、、
「コユキも遅くなると言ってたし、、、これから、、、どうですか?わたしも一緒に見る約束、、、いいですよね?」
「無理しなくてもいいんだぞ、、、俺が一人で見ても、、、」
「絶対にイヤです、、、辛いけど、あなたが一人で見て、もっとわたしを嫌いになることを考えただけで、頭がヘンになりそうなんです、、、一緒に見て、、、わたしがいかに醜いことをしたか、、、せめて、しっかり見届けながら、アナタに嫌われたい、、、それで、、、どうしても赦せないと言われたら、、、従います、、、死ぬほど辛いけど、、、アナタの望み通りにします、、、」
「分かった、、、そうしよう、、、」
つづく
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