食事をしながら話が弾む。
ほとんどわたしが話していたけれど、、、
先輩は嫌な顔ひとつしないで聞いてくれる。
思い出してみても、マナブと付き合い初めの頃でさえ、こんなことは無かった。
マナブはいつも自分のことばかり、、、だった、、気がする、、、
「あのさ、、、さっき、家にいたくないって言ってたよな、、、何かあったのか?いや、無理に話さなくてもいいけど、、、そうでなければ、聞かせてくれないか?」
優しい眼差しで見つめてくれる。
誰かに聞いて欲しかった、、、
先輩ならきっと親身になって聞いてくれる、、、
コユキは意を決して家のこと、そして彼氏のことを打ち明けていた。
「そうか、、、吉沢か、、、アイツは少しマズいかも知れないな、、、」
「サキさんのこと、知ってるんですか?」
「ああ、、、まあ、、、」
ダイキの歯切れが悪い、、、
「まさか、、、先輩?」
「えっ、、、違うって、、、俺じゃない、、、ダチが、、、」
「本当ですか?」
コユキの鋭い視線にタジタジとなる。
「誘われた、ことはある、、、でもダチの彼女だったし、丁重にお断りしたよ、、、そもそも好みじゃない、、、」
俺の好みは、、、
「そうですか、、、良かった、、、」
ホッとしている自分がいる。
それにしても、彼氏がいるというのに、その友人を誘うなんて、、、
そんなオンナに、、、おそらく、マナブは夢中になっている、、、
それなのに不思議と今までのように嫉妬や焦りは感じない。
そんな男だったんだという呆れる気持ちになるだけだ。
「とにかく、彼氏とは早いうちに話し合った方が良いと思う、、、」
「分かりました、、、そうします、、、」
素直にそう応える。
これからのためにも、ハッキリとさせなければならない、、、
「それと、、、お母さんのことだけど、、、」
「はい、、、」
何を言われるんだろう?
少し身構えてしまう。
「確かにナルミには辛かったと思う、、、けど、少しだけでいい、、、温かい気持ちでお母さんを見てあげることは出来ないかな?」
「そんなの無理です、、、」
自分でも驚くほどキツイ口調になってしまう。
母のしたことは絶対に赦せない。
「先輩にわたしの気持ちは分かりません、、、」
「、、、分かるよ、、、俺の両親も浮気で離婚したんだ、、、まあ、うちの場合、二人共浮気してたけど、、、」
「えっ、、、そう、なんですか?」
つづく
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