突然、私は我にかえった。
妄想の最中に、なんの脈略もなしに現実に引き戻される。
旦那を送り出してから、もう2時間が経っていた。
廊下の冷たい床で、夫婦のベッドで、リビングのソファーで、旦那以外の男に抱きつき悦び泣いていた私は存在せず、ただ玄関に立ち尽くしていた。
妄想の内容が下品で卑猥なものだったせいか、人気のない家の中は現実とは思えないほど静かで何もなかった。
安全で平和な日時のはずなのに、ぽっかりと穴が開いたような気分になってしまう。
こんなこと、いけない・・・
そう思いながらスカートの中に指を伸ばした。
濡れてる。
私は玄関の扉を少しだけ開き、隙間から裏のアパートの一室を見つめた。
指が止まらなかった。
全てを終えるまで、さらに1時間が必要だった。
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