女は真っ昼間からホテルの一室で情事に耽っていた。
普通のホテルではなくラブホだった。
気兼ねなく声を出せるという女の要望だった。
女は人妻だった。
二人の子供を夫の母に預け、男と密会していた。
男は女のかっての上司、村木という部長で20以上も年上の亡くなった父と同年代だった。
もちろん妻子もいる。
二人は汗に滑るカラダを絡ませ、お互いの性器をシャブり合っていた。
「アアッ、部長の今日もスゴイ、、、」
「シズカだって、、、こんなに濡らして、スケベなオンナだ、、、」
女はシズカだった。
関係は父が亡くなってから始まった。
父の葬儀に参列してくれた村木にお礼の電話をしたときに食事に誘われた。
断りきれずに誘いを受けたが逢って話をしているうちに父を思い出した。
最愛の父だった。
いいや、この世で愛しているのは父だけだっ
た。
夫には何の不満もない、優しくて家族想い。
生真面目でわたしを愛してくれていて、浮気ひとつしない。
わたしもすごく好きだ。
でも好きなだけだ。
父以外に愛する人など現れるはずが無いと分かっていたから、父や周りを安心させるために結婚した。
何もかも捨てて、わたしを娘としてだが、心から愛してくれた父。
わたしが男として愛しているのも父だけだ。
それはわたしが死ぬまで変わらない。
そしてわたしはすでに罪を犯している。
あの日、わたしは娘を連れて実家に帰っていた。
珍しく父が泥酔して夜中に帰ってきた。
わたしは何とか父を寝室に運び服を脱がしていたとき、強い力で突然抱きしめられた。
わたしは驚き、父をはねのけようとした。
「詩織、、、逢いたかった、、、」
父の言葉に合点がいった。
母を知る人はみな、わたしが母と瓜二つと言っている。
今、酔った父には、わたしが母に見えているのだと、、、そう思った。
父を秘かに男として愛していた、ずっと秘め続けていた想いが叶えられる。
わたしは身を任せた。
父が唇を重ねてくると自ら舌を絡めていった。
服を脱がされ、豊か過ぎる胸を吸われたとき、父が愛おしくて、あなた愛していると声をあげて思いきり抱きついてしまった。
父に力強く貫かれ、恥ずかしいぐらい激しく乱れてしまった。
今まで経験した中で最高のセックスだった。
絶頂を感じるなか、父がシズカ、愛してると声をあげ果てたとき、わたしは驚きと歓びの狭間で、更なる高みに昇り詰めていた。
死んでもいいと思った。
父にオンナとしての歓びを叫ぶようにして訴えながら、カラダを痙攣させ達していた。
こんなことは初めてだった。
そしてそれで終わりではなかった。
わたしは愛情を込めてフェラチオをして、蘇った父に自ら跨がっていった。
わたしはもう母のふりをしなかった。
父を呼び、自慢の巨乳を見せつけながら腰を振り、快楽を貪った。
父もシズカの名を呼び、下から責め立ててきた。
二人は互いのカラダを愛撫し合い、何度も体位を変え、激しく求め合った。
まるでこの世の最後の交わりのように、、、
そして疲れ果てた二人は泥のように眠りに落ちていった。
先に目を覚ましたシズカはセックスの痕跡を出来るだけ始末して、朝食の準備をしていた。
しばらくすると父のタカヤが寝室からやってきた。
「おはよう、、、お父さん、、、」
いつものように声をかけるが顔が赤くなってしまう。
「えっ、あっ、うん、、、おはよう、、、」
いつになく落ち着きがない。
記憶をたどっているというところか、、、
こんな父を見るのは初めてだ。
まるで年上になった気分だ。
力強い父の射精を三度も浴びたカラダの奥が激しく疼く。
寝室に父を連れ戻し、目の前で全裸になってもう一度のセックスを求めてみたい。
きっと父は応えてくれる、、、
考えただけでカラダが濡れる、、、
あのスゴいセックス、、、今すぐシたい、、、
必死に想いをこらえる。
ルイがいる。
よかった、、、ルイがいなかったら、わたし、、、絶対ガマン出来なかった。
「なあ、、、シズカ、、、父さん、、、きのう、、、」
「大変だったんだよ、、、」
「えっ、、、やっぱり、父さん、、、シタのか?」
「シタって、、、何を?酔った父さんを寝室に運ぶのが大変だったの、、、服を脱がして、、、暑いって、裸になっちゃうし、、、オマケにすぐ寝ちゃうし、、、」
「そ、そうか、、、すぐ寝たか、、、そうか、、、ごめん、ごめん、、、」
父は急に明るくなった。
わたしのウソに安心したようだ。
きっとあれは夢だったと思ってくれれば、、、
少し寂しいけれど、それでいい、、、
わたしは一度きりだけど愛する人と最高の思い出を持つことが出来た。
許されないことだけど、このことは墓場まで持っていく覚悟は出来ている。
でも、やっぱりカラダが熱くなる。
本当に愛する人とのセックスは全然違う。
本当は今すぐ父にもう一度抱かれたい、、、
そのとき娘が起きてきた。
娘はいつもわたしを救ってくれる。
シズカは母親の顔に戻っていた。
つづく
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