シュウジのアパートはいかにも学生が好みそうな三階建てシャレた建物だった。
ワンルームの部屋は意外にも広く、きれいに整頓されていた。
シングルサイズのベッドがあり、机と椅子に本棚、そして小洒落た小さめのソファとテーブルがセンスよく配置されている。
真面目なイメージのシュウジにピッタリの部屋だと感じた。
これが大学生の男の子の部屋なんだな、、、
もの珍しそうに見渡していると、恥ずかしいから余り見ないで下さいと言って、洗濯したばかりのバスタオルとTシャツ、そしてスェットの下を渡された。
服が乾くまで良かったら使って下さいと言われ、ありがたく借りることにした。
シャワーも勧められたが、さすがにそれは遠慮した。
バスとトイレは別々になっていて、洗濯機が置かれた脱衣所で詩織は着替えた。
脱いだ服と下着、と言ってもブラだけだが、吊り下げられた物干しで乾かすことにする。
大きすぎるカップのブラを、濡れてしまったジーンズで見えないように隠した。
このブラをシュウジが見たら、いったいどんな顔をするんだろう?
わたしの胸が大きいこと、、、知ってるのかな?
少しはドキドキしてくれるのかな?
もしかして、、、匂いを嗅いだり、、、するのかな?
ヘンな想像をしてしまい、顔を赤らめてしまう。
彼がそんなことするわけがないじゃない。
わたしみたいなオバサンに興味があるはずないじゃない、、、
そう思い直し、脱衣所を出た。
テーブルに入れたてのココアが置いてあった。
「わぁ、、、ありがとう、、、」
詩織は勧められたソファに座り、シュウジは椅子に座った。
詩織がいないあいだにシュウジも着替えていた。
「シュウジくん、これすごく美味しいよ、、、」
「本当ですか?それなら良かった、、、」
二人はココアを飲みながら、バイトのみんなのことやシュウジの大学生活の話をして盛り上がった。
こんなに楽しいひとときは久しぶりだった。
「ねえ、シュウジくんって、、、彼女、いるんでしょう?」
「そんなの、、、いませんよ、、、俺、モテないし、、、」
「そんなことないでしょう?すごく可愛い顔してるし、、、優しいし、話も面白いカラダモテると思うな、、、」
「そんなことないですよ、、、俺なんか、全然ダメで、、、でも、、、好きな人はいます、、、」
「えっ、、、誰?大学の子だよね?それともバイトの女の子?」
「バイトの、、、人です、、、」
「ええっ、誰かな?誰なのかな~?」
浮かれた気分で、からかい半分に尋ねてしまう。
「それは、、、言えません、、、」
「もう、、、顔、赤くしちゃって、、、じゃあ、名前はいいから、、、どんな子か、教えてよ、、、ヒント、ヒント、、、絶対、内緒にするから、、、ねえ、お願い、、、」
ためらうシュウジに口を割らせようと、詩織はくいさがった。
シュウジはヒントだけですからねと言って、ようやく口を開いた。
「すごくキレイで、すごく優しい人です、、、」
「ええっ、それだけ?それだけじゃ、分かんないよ、、、」
「それに、、、すごくスタイルも、、いいと思います、、、」
「ええっ、誰誰だろう?みんなスタイルいいからなぁ、、、」
候補が多すぎて、搾りきれない。
「ねえ、年は?やっぱり学生の子だよね?あっ、高校生のナナちゃんでしょう?」
高校生には見えないぐらいキレイで大人びた
女の子だった。
カラダも大人びて胸も大きい。
そういえば、ナナもシュウジのことを意識しているようなことを言っていた。
お似合いかも、、、そう思いながら、少しだけ嫉妬めいた気持ちももたげてくる。
若いっていいな、、、
取り持ってあげようかな?
絵にかいたようなカップルになりそうだ。
付き合ったら、きっとすぐにキスをするんだろうな、、、
そして、、、いっぱいエッチするんだろうな、、、わたしもタカヤといっぱいセックスしたい、、、
「違いますよ、、、ナナちゃんはいい子だけど、、、俺が好きなのは、、、年上の、、、人です、、、」
「ええっ、誰?ああっ、それはダメか、、、いくつ年上?」
バイトには学生じゃない独身の子が何人もいる。
「10才、、、年上です、、、」
10上って、31か、、、
ずいぶん年上だね、、、
ええっと、、、誰がいたかな、、、
んっ、、、まさか、、、だよね、、、
そんなこと、、、あるはず、、、ないよね、、、
ても31は、、、その辺りの年頃の女性は、、、わたししか、、、いない、、、
つづく
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