前回のことが有ったにもかかわらず、ユキエはこころよく話を聞いてくれた。
詩織は大まかに事情を説明した。
「詩織さん、、、あなた、まさか、、、セックスはコウタの方が良かったとか、、、それでも愛しているのはアナタだけなんて、、、言ったりしていないわよね?」
言った、、、はっきりと何を言ったかは覚えていないが、、、それらしい事は言った、、、
「言いました、、、そんな感じの、、、ことを、、、」
「それはダメだよ、、、一番言ってはいけないこと、、、」
「えっ、、、だって、、、あの人を愛していることを信じて欲しいから、、、」
ユキエは呆れたように話を続けた。
「アナタはご主人を裏切ったのよ、、、いくら愛しているなんて言ってもムダなだけ、、、おそらく今のご主人、、、頭の中にあることは自分よりセックスが良かったと言われたことだけだと思う、、、俺より、そんなに良かったのかって、、、あらためてショックを受けたんだと思う、、、」
「そんな、、、そんなつもりじゃなかったのに、、、わたし、どうしたら、、、今夜、話してみます、、、わたしの本心をぶつけてみます、、、」
「それは、、、よした方がいいと思う、、、また誤魔化そうとしてると思われるよ、、、きっと、、、まだあのセックスが忘れられないんだって、、、その上、なにせビデオで見られているからね、、、」
自分がタカヤに渡したクセに、、、
「しばらく、様子をみた方がいいんじゃないかしら、、、」
この人、、、ひょっとして、、、
「ユキエさん、、、タカヤと逢っているんですか?」
「えっ、、、うん、、、たまにだけど、、、あっ、ヘンな心配しないでね、、、そんなのじゃないから、、、ほら、慰謝料のこととか、、、少し話をするだけだから、、、」
話をするだけのために逢ったりしない、、、
それなら電話で済むことだ、、、
疑いが確信へと変わる。
この人は信用出来ない、、、
タカヤに関しては、、、
込み上げる不信感に耐えながら、一方的に礼告げ、電話を切った。
わたし、、、何をしているんだろう?
ユキエは明らかにタカヤに興味を抱いている、、、
そして、親切ぶりながら二人の仲を裂こうとしてる、、、
それはわたしに対する復讐心からなのかも知れない、、、
もう二人はすでに男女の関係を結んでしまったのだろうか?
怖くて、そんなことはとても聞くことは出来ない、、、
タカヤも男だ、、、あんなに美人で色気のあるユキエに迫られたりでもしたら、、、
タカヤがユキエを抱いて、詩織よりユキエの方がセックスは気持ちいいけど、詩織の方を愛しているよと言われたら、、、
そんなの、、、嬉しいわけがないじゃない、、、
わたしはまた、、、愚かなことをしていた、、、
もう何をどのように話したら、タカヤを傷つけずに済むのかも分からない、、、
結局、ユキエの言う通り、様子をみるしか詩織には出来なかった。
つづく
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