「本当にどんなことでもします、、、アナタが望むなら、、、わたしのカラダ、、、汚れてしまったけど、好きにして下さい、、、性欲の処理に使って、、下さい、、、」
一瞬だが、タカヤの視線が詩織の唇と胸に注がれる。
男の目つきだった。
妻ではない、オンナを見る目つきだった。
それでもいい、、、
詩織は今すぐ服を脱ぎ捨て、タカヤにしがみつきたかった。
「そんなこと、、、いや、考えておく、、、でも、、、離婚はするからな、、、」
そう告げるとタカヤはシズカの部屋へと入っていった。
でも、僅かながらに光明が見えた。
わたしは生まれ変わらなければいけない、、、
そう心に誓った。
表面上は穏やかな夫婦としての日々が戻ってきた。
しかしそれは、あくまで娘という存在を通しての繋がりであり、二人きりのときはぎこちない雰囲気が常に漂っていた。
当然のように寝室は別になり、タカヤは体に触れようともしない。
当たり前のことだった。
他の男とセックスに狂う姿をビデオで目にしているのだから、、、
他の男の体液を何度も受け入れながら夫より気持ちいいと絶頂していた妻を誰が許してくれるのだろうか?
それでも詩織は必死で尽くすしか無い。
僅かな光明を消すわけにはいかない、、、
タカヤとシズカを絶対に失いたくなかった。
二週間が過ぎた頃、最近はシズカのために早めに帰宅していたタカヤの帰りが遅くなった日があった。
受け取った背広から香水の香りがした。
女と逢っていた?
思っただけで胸が掻きむしられる。
「誰かと、、逢っていたの?」
声が上擦ってしまう。
「ああ、、、ユキエさんと、、、話があると誘われて、、、」
そういえば、この香水、、、あの時の香り、、、
あの時のユキエのタカヤを見つめる目、、、
何か気になる目つきだった、、、
まさか、、、
「どんな、、、話だったの?」
「気になるのが?」
「それは、、、」
「お前、、、まだあの男が忘れられないのか?」
「違います、、、わたしはアナタと、、、」
タカヤとユキエのことが気になるということは言えない。
焼きもちを焼く権利など自分には無い。
二人が惹かれ合い、、、
そういう関係になったとしても、、、
タカヤは機嫌を悪くして自室にこもってしまった。
つづく
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