酔ったタカヤは深夜に帰った。
詩織は寝ずに待っていた。
目の周りが赤く腫れている。
ずっと泣いていたのだろう。
それは夫との別れの悲しみか?
それとも男に弄ばれた悔しさか?
憐れな女だ、、、
あんな事をされて、本当に愛されていると思っていたのだろうか?
セックスの道具にされていた女、、、
ただそれだけだ、、、
ようやくそれに気付いた愚かなオンナ、、、
この期に及んで、詩織は何度も詫びながら、許しを請うてきた。
土下座して、額を床に擦りつけるようにして、一生償うと言って許しを請う詩織。
美しく上品で貞淑だった面影は微塵も感じられ無い。
そしてこの謝罪も、所詮は逃げ道を無くした詩織がタカヤに縋ろうとしているだけのことだ。
あの美しく清らかだった詩織のバージンを手に入れることが出来たあの日、、、
最愛の娘を授かったあの日、、、
俺は二人を絶対に幸せにすると心に誓った。
こんな、取り立てて取り柄の無い俺をを選んでくれた詩織を、泣かせるような事はしたくないとずっと思っていた。
それなのに、、、
いつしかタカヤの目から涙がこぼれていた。
詩織が手を差し伸べてくる。
「ごめんなさい、、、わたし、、、なんでもします、、、アナタのそばに、、、いさせて下さい、、、
お願いします、、、」
「アイツにも、、、なんでもシタんだろう?」
冷たく言い放ち、手を振り払う。
その厳しい拒絶に詩織はたじろぎ、言葉を失った。
タカヤは一人娘の部屋へ行き、その寝顔を見
詰める。
シズカさえいれば、それでいい、、、
いつしかタカヤは眠りに落ちていった。
目を覚ますと毛布がかけられていた。
詩織が気遣ってくれたのだろう、、、
でもそんなことで決心は変わりはしない、、、
シズカが目を覚ますまで、優しく髪を撫でながら見守った。
父親だけになって、シズカはその生活を受け入れてくれるのだろうか?
不安はあるが、自分がなんとかしてみせる。
これからはシズカだけを愛して生きていく。
心にそう誓った。
つづく
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