顔色に血の気はなく、男はオドオドとしていた。
ビデオの中で我が物顔に妻を貪り尽くしていた男は体を震わせ怯えていた。
男は桜木コウタという詩織の高校時代の同級生だ。
タカヤは男に冷たく告げた。
「全部、話せ、、、ひとつでもウソや隠し事があったら、お前を終わりにしてやる、、、」
「はい、、、分かりました、、、全て話します、、、本当にすいませんでした、、、」
汗を滴らせ、口ごもりながら男は応えていた。
確かに見た目はいい。
女の扱いには慣れているが、気の小さい男だとすぐに分かった。
こんな薄っぺらい男と関係を持ち続けている妻に呆れてしまう。
「いつからだ?」
「半年前の同窓会で久しぶりに逢って、連絡先を交換しました、、、」
連絡先を交換した、、、
それは、、、初めから詩織にも、その気があったということか、、、
詩織は俯き黙っている。
一週間後に一緒に食事をして、その三日後にドライブに誘った。
そしてその日のうちにホテルに入った。
ずいぶんスムーズにこどが運んだんだな、、、そのあっけなさに怒りよりも情けなくなってしまう。
キスをしようとすると初めは拒まれたが、高校時代からの想いを告げると受け入れてくれて、その後カラダの関係を持った。
決して無理やりではなく、詩織も積極的に応じてくれたと言った。
「そんなの、、、ウソです、、、わたし、何度もダメと言いました、、、やめてって言ったのに、強引に、、、」
それならどうして俺にそのことを言わなかった?
そんなのは口先だけだ、、、ホテルに入った時点で、お前は受け入れている、、、
タカヤはそう冷たく詩織に言い放つ、、、
「ごめんなさい、、、」
詩織は再び俯いた。
「バイブはお前が妻に与えたのか?」
慌てた様子で詩織がこちらを見る。
「二人でショップに買いに行きました、、、奥さんが興味があると言って、、、その、、、俺みたいな、、、大きいのが欲しいって、、、」
気分が悪くなった。
俺のでは物足りないということか、、、
その上、、、
「ショップで、、、詩織、、さんみたいな美人がいるから、、、男性客にジロジロ見られて、、、そのせいか、、、その日、その、、、とにかく奥さんスゴくて、、、」
何か言いたげにしていた詩織は、結局はなにも言わずに押し黙ってしまった。
「話を続けろ、、、」
「ホテルに早く連れて行ってと言われて、、、男たちに犯されると思ったって、、、すごく興奮してて、、、買ったばかりのバイブを自分か
ら使い出して、、、いきなりフェラしてきて、、、俺もそれでメチャ興奮して、、、あの憧れてた詩織がこんなにスケベだったなんて、、、あっ、すいません、、、」
こいつ、、、この状況でのろけているのか?
怒りをこらえる。
でも、、、そのとき詩織は何を想像していたのだろう?
何人もの男たちに、、、まさか、、、
桜木は話を続けた。
月に四度は逢っていたこと。
多いときは週に三度逢ったこともあること。
最近は詩織から誘いが多くなったこと。
二人の行為をカメラにおさめたことも詩織は了承していると桜木は告白した。
その間、詩織は違う、違うと言わんばかりに首を振っていたが、それを口にすることはなかった。
ある意味、それは全て真実だということを如実に現している、、、そういうことだ、、、
つづく
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