酔い潰れて眠ってしまった悦子さんが目を覚ましたのは、深夜2時を過ぎていた。
部屋の電気は消され、なぜか身体には毛布が掛けられている。
「ん?佐伯くんは?!」と探してはみたが、そこに彼の姿はなく、とっくに部屋に帰ってしまったようだ。
スマホを手に取ると、2度の着信履歴、LINE一件が受信されている。
そのどちらも僕、寝ていた彼女は気がつかなかったようです。
今夜は会う予定がなかった彼氏からの連絡。気にはなりましたが、流石にこの時間です。彼女が連絡をすることはありません。
悦子さんは重い身体をお越し、静かにゆっくりと飲み会を行ったテーブルを片付けます。
そこに畳んでおいた布団を敷き、今度は本当に眠る準備をするのです。
電気が消されました。そこで彼女は、ようやくスマホでLINEを開き、僕からのメッセージの確認をします。
「佐伯さんから連絡があったよー。君の大事な彼女、イビキかいて寝たから帰るってー!」と書かれていました。
それを読んだ彼女は、「フフッ…。」と笑い、眠りに着くのでした。
目を閉じた悦子さんでしたが、一度眠ったため、すぐに寝つくことは出来ません。
そこで彼女が開いたのは、スマホで撮られた何枚もの写真。僕との多くの思い出がそこに残されています。
何枚も目を通しながら、めくられていく写真。最後に残ったのは、僕とラブホテルの工事をしていた時に撮られたものでした。
出会って、そんなには経ってない頃です。それでも彼女は、その時のことを鮮明に覚えています。
「大橋さんー?工事の進捗写真なんかいらないよねぇ?」
「いらないわよー、民間のお仕事だしー。」
「なら、大橋さんも何にも撮ってない感じー?」
「撮ってないよー。」
「工事の写真って、デジカメ?スマホ?」
「最近は、私はスマホで撮ってます。スマホの方がきれいだし…。」
「だよねぇー?僕もスマホ派。」
そんな時、僕が彼女の肩に手を掛けて、「撮るよー!」と2人の写真を「カチャ。」と撮ってしまいます。
「なによー!やめてよー!」と照れ気味に答えた彼女でしたが、本心は違っていました。
「なら、後藤さん?私のカメラ(スマホ)でも一緒に撮ってよー?」と言うのです。
何気に言ってきた彼女でしたが、本当はかなりの勇気を持って言ったのです。
51才の女性が、自分から男性に「一緒に写真を撮ろう。」なんて、特に彼女ではなかなか言い出しにくいもの。
それでも、彼の写真を一枚だけでもスマホに保存をしておくチャンスでした。
今では、もう何十枚も2人一緒の写真が残されています。その記念すべき一枚目が、この写真でした。
「たぶん、あの頃から彼のことを…。」、懐かしむように思い出し、彼女はスマホを置くのでした…。
午前3時…。
やっと目を閉じた悦子さん。しかし、それは眠るためではありません。頭の中に、年下のあの彼氏を思い浮かべるためです。
その彼氏は上半身裸となり、彼女の唇を奪ってくれます。
自然と彼女の唇も合わせるかのように、僅かに動き出しました。
そして、悦子さんの右手は乳房を揉み、左手はパンティーの中へと吸い込まれていくのです。
真夜中のとても静かなアパートの一室。
「ハァ…、ハァ…、」という悦子さんの吐息があがり始めていました…。
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